良いことをした気分になれるから
2024年 1月 1日 投稿開始
1月 8日 次回投稿予定。投稿時間は “午前11時” です ←
利用者をベッドから車イスへと移乗をする。
そのコツは、利用者を前傾にさせて、腰が浮いたところで力を加え、
抱え上げた勢いで車イスへと移すこと。
色んな条件があるが、足にほとんど力が入らない大体の方は、
この方法で安全に行える。
車いすへと移乗をした後は、リビングへと連れていく。
流れ作業になっている。
利用者には、何処かへ行きたい気持ちがあるかもしれない。
だが、察しようとすることなく、流してゆく。
リビングの所定の席へと車イスを押して着いたら、車イスのブレーキを止める。
車イス上の身体が傾いていたり、腰が浅く座っていたら、直す。
大体は、後ろからズボンを引っ張り上げて、腰を深く座り直す。
よくはない。
ズボンへのダメージがあったり、ズボンが下半身を圧迫する。
だが、現場では、ほとんどそうである。
そして、次の利用者を移乗するために流し、その場を離れる。
「どうしたの?髪の毛みだれてるよ」
後ろを振り返ると、出勤したばかりの40代女性職員が利用者の髪を見て、
一言漏らした。
「あら?目やにもついてる、ダメだねー」
「そうではないんです」と言いかけた。
普段は気づいて行なっていた。
”今日は”時間が押していて、お昼までにみんなを起こせるか微妙だった。
そんな理由を言いかけたけど、止めた。
余裕がない自分を肯定したい気持ちに気づいた、けど
それよりも「良いことをした気持ちでいる女性職員」が、鬱陶しかった。
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