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抜け出すために

2024年 1月 1日 投稿開始

      

次回より、間隔をあけて投稿します。

      1月25日 次回投稿予定。投稿時間は “午前11時” です ←



誰かが誰かの業を背負う


僕がしてしまうはずだったことを彼が背負ってしまった

そう感じた。



早番で出勤をした。

その日の夜勤明け者に変わったことはなかったか報告を受ける。

報告を受けるというか、こちらから聞かないと報告がない。

よくあることだ。

記録に残されたものを各自で責任持って読んでください。

それに朝は丁寧な報告を受ける時間的余裕がない。

それが問題ではある。

人出が少ない、時間を割けない。

出勤時間前に、出勤をして引き継ぎノートやパソコンの記録を確認する。

人の口を通してではなく、文字を通して。

だけれども、実際に報告を聞いた方が良い。

引き継ぎを忘れてしまうことや、文字では読み取れないニュアンスのこともある。

文章の書き方が粗末な時もある。

だから時間がない中で、動きながらでも報告を受けている。

「分かりました、お疲れ様です」

そう言って、いつものように早番業務に就いた。


今日の夜勤明け者は、ベテランの職員さんだ。

彼は介護員として15年以上のキャリアがある。

いくつかの施設を経験している。

それぞれ辞めた理由は分からないが、というか

理由は聞かずにいる。

僕も職歴が多いからだ。

今の自分の考えを大切にしたい思いもある。

成長や変化は誰にだって訪れるはずだ。

彼は変わった人ではある。

考え方に少し癖があり、周りの同僚と考えを共有できていない。

僕は、そんな彼の意見を否定はせず、賛同もせず

「そうなんですか」と、とりあえず受け取るようにしていた。

食事に行ったことがあるし、一緒に筋トレをしたこともある。

変わっているが、楽しみ甲斐のある人だった。


僕が働くユニット型の施設は、東ユニットと、西ユニットに分かれている。

僕は東ユニットで働いている。

夜勤は両ユニットを一人で担当するけれど、日中の勤務ではもう片方のユニットに携わる機会はあまりない。

必要時以外は。

早番で朝の食事を利用者さまに並べていた。

隣りの西ユニットから、何か大きな声が聞こえた。

「何かあったな」と思った。

西ユニットには夜勤明け者と早番職員がいるから大丈夫だろうと思った。


「佐々木くん居る?」

リビングで利用者さまの内服介助を行なっていた僕の背中に課長が呼びかけた。

ちょうどお薬の袋を開けて、利用者さまの口元に粉薬を注いでいた。

課長の呼びかけに振り返って応える状況ではなかった。

「西にいると思います」僕は背中で応えた。

「わかった」

利用者さまがお茶で粉薬を呑んだのを確認し、後ろを振り返った。

夜勤明けの佐々木さんが立っていた。


「あの時、AIが俺を見ていたのか」


課長、看護師主任がフロアの玄関から出て行く姿が見えた。



出るべくして、出てゆく

退職するらしい

良い人であり、悪い人だった

冗談があり、本気があった

いずれ出るものが、今だった

周りの同僚は冷淡だった

冷めた目で

彼を突き放した

もう関係のない人にした

暴力が原因だった

利用者に対して、手を出してしまった

夜勤で疲れていたのか

積もり積もったものが、その日を選んだ

僕の代表作は、


 恋した瞬間、世界が終わる -地上の上から-



現在、連載中です。

もし良かったら、読んでください!


↓下のリンクから、読めます。


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