呼び方について
「じゃあ乗り込もうか」
3人でダンジョンの前に立ち、画面にでてきた画面で人数を確認してからダンジョン内に入る。
「ここはどんなの出るんだっけ?」
「ここのダンジョンは、僕もわからないですね。ここら辺あんまし来たことないので」
僕たちが今いるのは、スペクエマップ内で船でしか入ることの出来ない未開のジャングルのダンジョンに入っている。
「さっきは先住民みたいな人達だったよね」
「てなると次はトラとか?」
「でもこのダンジョン見た感じ普通の洞窟っぽいですけど」
さっき行ったダンジョンは、中に先住民が暮らしを築いていたけれど今回のダンジョンは、普通の洞窟といった印象だ。
「じゃあ洞窟なら熊とかですかね?」
「さすがにジャングルだから違うと思いますけど」
「考察してても意味ないしとりあえずは攻略していこ」
ヘリオスに言われ、何も無い洞窟を進んでいくこととなった。洞窟に出てくるモンスターは、大体が動物系のモンスターで俗に言うファンタジー的なモンスターは全くと言って出てこない。
「これで、最後!」
「うさぎ体力低いけど、沢山来るし早いし小さいしで大変だったね」
「まあ私は特に不便なかったけどね。攻撃と移動速度早いし」
「僕は少し面倒でしたけどね」
先程戦っていたうさぎは、一気に突っ込んできてローレルとヘリオスの前線を抜け、僕に突っ込んで来るものもちらほらいたため、近距離攻撃の少ない僕は骨が折れる作業だった。
「ま、とりあえず回復してよ」
「分かりました、チェーンヒール」
「おーさすが回復兼任。じゃあこのまま進んでいこう」
僕の回復で体制を取り戻してから、再度洞窟の奥へと進んでいくこととなった。
「到着ボス部屋前」
「体力もマックスですしこのまま行きましょうか」
洞窟を進むと、いつも通りの大きな扉前に到着した。今回はいつもと違って、見た目が完全な石でできている。
「ここは…何もないですね」
「ついにスペクエにもバグ?」
ボス部屋に入るといつも通りの、広めの洞窟の最奥と言った感じだ。けれども、中には何もいなく何もない、強いて言えば真ん中に大きな岩が転がっているくらい。
まてよ、大きな岩かそれってもしかして…
「あの2人ともゆっくりでいいので、あの岩に近づいて貰っていいですか?」
「?別にいいですけど」
不思議がりながらも、普通に歩いて真ん中に置かれた大きな岩に近づいていく2人。
「で、ホワイト君この岩がどうしたの?」
「僕の予想が間違ってなければ多分…」
「ホワイトさん、なんか岩がくっついて行くんですけど」
僕の予想どうりだったらしく、2人が近づくと落ちている岩たちはくっついていき、体を形成し始めたつまり石のゴーレムだ。
「それはゴーレムです。攻撃速度自体はそんなに早くないですけど、攻撃は重いのでお気をつけて」
「それなら、私が行けそうだね!って硬!」
「あとゴーレムは防御も固いので、ヘリオスさんがまともな攻撃出すなら核を露出させてください」
「それ、先に言って」
ゴーレムの核は、上半身の真ん中に位置していてそこを出すにはローレルの攻撃か僕の何かしらの魔法が必要になる。
「ホワイトさん核どこですか?」
「核は上半身の真ん中です」
「わかりました、パワーブレイク」
ローレルが飛び上がり、ゴーレムの核のある部分に攻撃を当てる。けれども、核は露出することはなく少し大きめの傷ができたぐらい。
てか、ローレルの攻撃でも無理なら僕の魔法でも無理じゃないかこれ。
「おー石投げてきた。大事な体の一部なのに」
「どうしますか、ホワイトさんこのままだと攻撃がほぼ通らないですけど」
「とりあえず花鶏さんは、攻撃を続けてくださいいつかは核が見えると思うので」
「え、今なんて…」
「ローレル危ない!」
完全にミスをした、名前を呼び間違えた間違っては無いけど。でも、僕の呼びミスでローレルに隙が生まれた瞬間にゴーレムの一撃がローレルに叩き込まれた。
「ローレルさん大丈夫ですか」
「はい何とか、ミリですけど」
「今回復するので」
ローレルの元に駆け寄って、即座に回復を始めた馬鹿につける薬もあったけれど、それは途中使ってしまって時間のかかる回復しかできなかった。
「ホワイト君どうすんのこれ。私じゃ核出せないんしょ」
「わかりました、もうこれを使いますソードマスター」
ローレルの回復を一旦中断して、ソードマスターを使うと僕とローレルの後ろから無数の剣が出てきて、ゴーレムの核を守る岩に突き刺さっていく。
「最後に1発、ファイアボルト」
僕の剣たちが突き刺さったことによって、外装にヒビが入ったためそこにファイアボルトを打ち込むと、ついに核があらわになった。
「ヘリオスさん、とりあえず核は出したのであとよろしくお願いします」
「適当だなー。ま、いいけどじゃあこれで1発岩砕き!」
ゴーレムの核前までいって、ヘリオスが取りだしたのは大剣の部類である岩砕きだった。
「おー!気持ちいい!一撃だよ一撃、こんな簡単に倒せるなんて、ほんとに核が弱点なんだね」
ヘリオスの食らわせた岩砕きの一撃は、岩砕き自体の岩属性特攻とゴーレムの弱点攻撃によって、防御の高いゴーレムを一撃で沈める結果となった。
「よし、終わり」
「こっちも回復終わりました」
ヘリオスが倒し終わるのと同時に、こっちもローレルの完全回復が終了した。
「ヘリオスさんよく岩砕きなんて持ってましたね、ジョブ的にも合わないのに」
「実はさっきの先住民の人が落としたんだよね。強そうだったから売ろうと思ってたんだけど、今回はしゃあなしってことで。でもなんか知らないけど、さっき使ったら壊れちゃったんだよね」
多分先住民が落としたのは、特殊な武器だったんだろう。強力な一撃の代わりに1回しか使えない的な。
「とゆうか、ホワイトさんさっきなんで私の名前を…」
「あ、それはほんとにごめんなさい。そのせいでローレルさんが攻撃を」
「別にそのことはいいんですけど、なんで急に名前で呼んだのか気になって」
確かにそれで言うと僕も謎だ、実際呼んだのは本人の名前だから間違ってないんだけれど。
「でもさ、あれだよね私達リアルの名前知ってるのに何故かプレイヤーネームで呼びあってるよね」
「そうですね、頭では理解してるんですけど。多分ゲームはゲーム、リアルはリアルでしっかり処理してるんじゃないですかね。実際ゲーム内だとこっちで慣れてる訳ですし」
僕が2人を知るまでは、ずっとプレイヤーネームで呼んでたわけだし、それもあって2人が花鶏さんと十山さんであると知っても、プレイヤーネームで呼べているんだと思う。
「でも、別にリアルの名前で呼ぶ必要はないんじゃないですかね。そうしないと、プレイヤーネームが意味ないですし」
「でも私達全員プレイヤーネームの付け方結構適当だよね」
それを言われると、ぐうの音も出ないけど。
「名前で言えば、私達もですけどホワイトさん私達のこと苗字で読んでますよね、こんなに仲良いのに」
「そうですけど、別に仲がいいからって下の名前で呼ぶ必要ありますか?」
でも苗字で呼ぶよりも、下の名前で呼び合う方が更に仲良い感はあるかもしれないけど。
「それもそうですけど。それじゃあちょっと、今日だけ縛りプレイって程じゃないですけど、ちょっとした遊びしませんか?」
「遊びって?」
「今日だけ、プレイヤーネームじゃなくてリアルの名前で呼び合うしかも下の名前で。例えば、私がヘリオスを呼ぶなら翠々花だし、翠々花がホワイトさんを呼ぶならえっと…」
「豊です」
「あー、たけゆた…」
「ちょっと!」
ヘリオスが何かは分からないけど、あんまし良くないことを言おうとしていた気がしたため一旦沈めておいた。
てゆうか、僕やっぱ2人に名前ちゃんと覚えられてなかったんだな。
「と、とりあえず翠々花がホワイトさんを呼ぶなら豊君みたいな。どうですか?」
「私は別にいいけど、ホワイト君どうする?」
「今日ぐらいなら別に僕もいいですけど」
「それじゃあ決まりってことで。軽い縛りプレイやっていこう!」
唐突ではあるけれど、縛りプレイ的な遊びが始まることとなった。
もしかしたら、今日もう1話出すと思うのでその時はよろしくお願いします。




