2人と出会って変わったことは
「よし白木昼行くぞ」
学校も始まって2日目、2日目も特にいつもと変わらずの生活を送っている。少し違うと言えば、2人と挨拶をするようになったことと、そこそこ仲のいい人の告白を見続けることになってることだろうか。
「新年一発目の告白は誰だろうな」
「僕は少し複雑だよ」
「お、なんだ?もしかして十山さんか花鶏さんのどちらかに恋を…」
「そうじゃないんだけどね」
いつも仲良くしてるあの2人のどちらかが、告白されるとこを見るっていうなんかよくわからない状況が異様に感じて仕方ない。
「ごめんね、ちょっと待って」
「はい」
聞き覚えのある声に引き止められて後ろを振り返ると、そこにいたのはちょうど話してる内容の人である花鶏さんと十山さんだった。
「白木君お弁当食べない?」
「えっとそれはどういう…」
「良かったな白木、何故かわ知らんけど誘われて。行ってこいよ」
そう笑いながら、僕の背中をバシバシと叩いて後押しする葉月。
「俺はこのまま中庭で別のやつと食べるし行ってこいよ。それにこうなった時の反応は気になるし」
「そ、そうじゃあ行くけど」
「おう、行ってこいよ」
元気よく見送られながら、2人と行動を始めた。
「唐突に来ましたけど、いいんですか?中庭行かなくて」
「いいの、告白よりも今は大事なことがあるし」
その話だと僕とお昼を食べることが大事なことになるんだけど、そんなに重要度高いかな。
「そしたらどこで食べる?」
「そうだねー、食堂でいいんじゃない?」
「食堂ですか…」
昼食時に食堂に行ったことがないからわかんないけど、人が多かった記憶があるんだけど。そうなると陰キャがしゃしゃるな的な視線が出てきそうなんですが。
「よし、とうちゃく」
「席ありますかね」
記憶通り食堂には人が溢れ返っており、席がみつかるかわからないくらい人が集まっていた。
「来たことないけど、ほんとにすごいね人の量」
「冬だしそれのせいかもね」
食堂内は暖房も聞いていて、暖かいのとすぐそこに購買があるのも人が来る要因だろう。
「あそこ空いてるよ」
「ほんとだ、しかも綺麗に空席」
花鶏さんの指さしたところは、円形のテーブルに3つ椅子の置かれたところ。何故かそこだけ穴が空くように空席になっている。
「2人とも誰かに取られる前に早く座ろ」
やっぱり僕がこの2人と一緒にお昼を食べてもいいのだろうか、今からでも逃げて葉月と一緒に…それは2人に失礼か。
でも、さすがにこの状況は僕にとって多少きついものがあるな。やっぱ2人といると、なんだあいつみたいな目線を感じて痛い。
「あ、あの今からでも場所移しませんか?」
「えー今から?それまたなんで」
「2人には少し悪いんですけど、2人といると僕の精神が持たないというか」
「あ、あー」
理由を話すと、周囲を見渡してなんとくの現状を察してくれた。
「でもここから別の場所探すのは、結構時間かかりませんか?」
「それなら少し寒いですけど、昨日みつけ…」
「ちょっと、白木さん」
昨日見つけたベンチはどうですか、と言おうとしたら途中で花鶏さんに口を塞がれた。そういえば2人の秘密って言ってたっけ。
「ん?どうしたの、場所に心当たりがあるならそこ行く?」
「い、いややっぱ今日は大丈夫ですこのままここで食べましょうか」
「いいの?キツいんじゃない?」
「ま、まあ今日ぐらいどうにかなりますって」
花鶏さんが言って欲しくないらしいあの場所を教えて嫌われるより、まだこっちの方が僕にとって大丈夫と言えるだろう。
「でも、最低でも顔を隠したい」
前からこの2人が誰か男性と2人きりの時は、高確率で彼氏だとか彼女だとか言われているので、今からじゃ遅いかもだけど、顔を隠して僕の安全を確保したい。
「じゃあこうしますか?」
「これはどう言う…」
僕が独り言のように顔を隠したいと言うと、花鶏さんが僕の目元を手で覆って僕の視界が真っ暗になった。
「こうすれば顔もいい感じに分かりにくくなって、食事もできますよ」
「でも、僕が弁当から食べ物を取り出せないんですけど」
「それなら大丈夫ですよ。私達が食べさせてあげます」
「え?」
今食べさせてあげるって言ったよな、とゆうことは介護みたいな感じで僕が口を開けて2人がそこに食べ物を運んでくれるってことだよな。それは普通に恥ずかしいやつでは、
「それなら、いいですよ目隠しとか」
「まあまあ、いいじゃないですか。あ、そうだ私か翠々花どっちが白木さんに食べさせてるか当ててくださいよ」
「ついでで変なの始めないでくださいよ」
「まあまあ、お弁当開けちゃいますね」
花鶏さんが強行突破で何故か「ききあーんゲーム」と言えばいいんだろうか、よくわからないゲームが始まった。
「じゃあ私と翠々花どっちが入れたか当ててくださいね」
て言ったけど、これ位置がえ出来ないわけだしそこそこイージーゲームな気がする。
今花鶏さんの声がするのは、僕からみて左側という事はその反対の右にいるのが十山さんということになる。
「じゃあ白木さんは、口開けて待っていてください」
花鶏さんに言われて、口を一定開いた状態でどちらかの箸をまつ。ていうかこれ今結構なアホズラになってないか。
「じゃあ入れますね」
そう言われると、口に箸が右向きで僕の口の中に入ってきた。
「多分十山さんですか?」
「おー白木君正解」
「まあさすがにこのイージーゲームで失敗はしないですよ」
「じゃあ次行きますね」
再度口を開けたアホズラで、箸が入ってくるのを待機する。今度は先程とは違い正面から箸が入ってきた。
とは言いつつ、十山さんが右利きだとすると多分正面から入ってくることは多分ないから、今度は花鶏さんだろうか。
「次は花鶏さんですか?」
「白木さん正解!流石ですね」
「これゲーム性成り立ってますか?」
「まあまあ、これからが勝負だって」
「じゃあ次行きますね」
また、アホズラ待機をして箸を待つ。今度は、正面でも右でもなく左側から箸が入ってきた。でも、左ということは単純に考えて、花鶏さんだろう。
「また花鶏さんです」
「あー残念今回は私、十山翠々花ちゃんだねー」
「でも、左にいるのは花鶏さんなんじゃ…」
「それはそうだけど、私は移動できるから足音立てずに移動して左から箸を入れた」
そうか、花鶏さんは僕の目を塞いでるから移動出来ないけど十山さんは、両手完全フリーで移動が可能なのか。てか、そうなるとこのゲーム運ゲーになるんじゃね。
「さーてどんどん行きましょうか」
ここまで来れば、全部運だろうが当ててやると言う思いで口を開け待機し始めた。
「ご馳走様でした」
結果ゲームをしながら弁当は完食し、戦績は正答率40%位で決着が着いた。真面目に変則的なのと通常の見分けがムズ過ぎた。
「てか、2人は食べれたんですか?」
「あー大丈夫、どっちかが食べさせてる間に少しづつ食べてたから、私達も完食してる」
そうなると、音を立てずに食べてたことになるんですが器用すぎない?
「白木さんも疲れてそうですし、早めに退散しましょうか」
現在の時間は分からないけど、いつもの食事時間より時間がかかったのは明白だから時間自体は昼休憩ギリギリだろう。
「じゃ、行きましょうか」
「あのー目隠しは」
「とりあえず暫くはこのままで」
「あと、これは言っておきたいんですけど。もし次食べる時は、別の場所で食べませんか?」
「それはそうかもね」
花鶏さんに目隠しされた状態で、転ばないようにバランスを取りながら食堂を出ていった。
「白木おかえり遅かったな」
「ちょっといろいろやってたから」
途中で花鶏さんと十山さんは、飲み物を買いに行くということで一旦別れ僕はそのまま教室へ戻ってきた。
「で、今日どうなったの中庭の方は」
「そりゃあもう大惨事よあの2人が来ないって、今日告白しようとしてたやつはめっちゃ自信あったらしいんだけど、その場に崩れてたよ」
それはなんだか、告白しようとしてた人に悪いことしちゃったかもな。
「てゆうか、葉月は何も言わないんだね。僕があの2人と一緒にいるの」
「写真とかいろいあったしここまで来るとな。それに、ちょっとお前の反応が面白いから」
葉月は、僕で遊んでいるのかとは思うけど。別に2人と食べるのが嫌な訳では無い、言ってしまえば普通にゲーム友達ではあるから。単純に周囲の空気が重く感じるだけで。




