ふざけた予約名
「「え?」」
目の前にいる焔ラビさんの肩に乗っている手は、僕の手ともう一本。腕を辿ってその人の顔を見ると、そこにいるのは学校のアイドルこと花鶏さん。
「あ、もしかしてその声ローレルとホワイトだよね。じゃああそこにいるのがヘリオスか」
焔ラビさんが今の状況を確認して、爆速で僕やローレル、ヘリオスの顔を確認した。
「しら…きさん…」
僕のことを見る花鶏さんは、驚いているような信じられないと言ったような顔をしている。いや、僕だって信じらんないよだって気づかないうちにローレルとヘリオスに会ってたんだから。
「焔ラビさん初めまして…とホワイト君…」
翠々花さんもこちらに近寄ってきて、焔ラビさんと僕に挨拶を交わした。
「あー!我が妹たち!初めまして!」
「ちょ、ちょっと焔ラビさん」
「可愛い可愛いすぎる、星3SSR以上の可愛さ」
翠々花さんがこちらに来たタイミングで焔ラビさんは、花鶏さんと翠々花さんを一気にだきしめ愛で始めた。
「ほんとに2人とも可愛すぎ!ね、ホワイト」
「は、はいそうですねー」
「まさか、ホワイトこの可愛さが分からない!?」
「い、いや違いますよ」
2人の可愛さとかと言われると、学校では嫌という程聞くから分かりきっている。僕の反応が鈍るのは、思っていた以上に2人が身近にいた事の軽いショックだった。
「そろそろ焔ラビさん話して」
「あーごめんごめん。初めてあった妹が可愛すぎて」
でも本当に焔ラビさんは、2人のことが大好きなんだな。さっきの愛で方だって愛犬にするそれと同じ感じだったし。
「てか2人は結構淡白だね。ようやく私とホワイトに会えたのに」
「ま、まあそれは…」
「私達ホワイトさんの声なら絶対わかるって鷹を括ってたのに」
「間違えたのがね」
そうくらい声音で言葉を並べる2人は、どんどん頭が下を向いて行く。
「鷹を括ってたって、3人とももしかして会ったことあるの?」
「会ったことは何度もあるんですけど、こうしてホワイトとして会うのは初めてというか」
「何その特殊な関係…」
「ま、まあ色々とあるんですよ」
そもそもの話2人があの2人だなんて考えは頭に入れてなかったし、気づきようがない。
「ま、まあとりあえずこの話は後にしてとりあえずプレーンさんの予約してくれたお店行きましょうか」
「そうね、めっちゃ寒いし早くいこいこ」
もうちょっとこのまま話したいとこではあるけれど、一旦話に区切りをつけプレーンさんの予約してくれたお店へ向かう。
「そういえばお店ってどこなんですか?」
「ホワイト君会話見てなかったの」
「見てはいたんですけど、流し見程度だったので」
皆が話してる時、僕はランクを回していた関係上しっかりと会話内容を見ることが出来なかった。ランクが終わったあとも、会話を見返すことはなく今日に至っている。
「まあいいけど、お店はプレーンさんおすすめの居酒屋だって」
「へえ、こんな時間からやってるんですね」
「確かにあんまし昼時からやってるのは少ないかもね。てかよく知ってるねホワイト、もしかして経験あり?」
「いや、そゆうわけではなんかイメージ的な話だっとので」
僕たちが今歩いているのは、駅から徒歩5分程度の位置にあった繁華街。年末だからなのか、沢山の人が行き交いしている。
「でも、こんなに人いたら並に巻き込まれそうですよね」
「じゃあ手でも繋ぐ?」
「いやいいですよ、子供じゃないんですし」
「て言っても、ホワイト君が1番の並に巻き込まれて迷子になりそうだけど」
「言い返せない…」
これに運が関係あるのかは知らないけど、僕の運なら誰かにぶつかった拍子に、みたいなことは有り得るかも。
「じゃあ、手繋ぎましょうかホワイトさん」
「いや、だからいいですって」
僕が迷子になりそうなことを肯定すると、ローレルが僕の右手とローレルの左手を繋いだ。
「これでいいですね」
「だから大丈夫ですって…」
「ま、まあホワイト君落ち着いて。ほ、ほら私も手繋いであげるから」
「おー!ホワイト両手に花ね」
ヘリオスもローレルに続いて、僕の左手とヘリオスの右手を繋いだ。てゆうか、焔ラビさんも話に乗っかってくるからツッコミが居ない。
「着きましたよ、ここです」
その後も諦めて2人と手を繋いだまま、繁華街を進んでいくとようやくプレーンさんおすすめの居酒屋に到着した。
「予約はしてくれてるので、早く入りましょうか」
「その前に手を話してもらっていいですか?」
今更思ったけど、2人の距離がゲームの時よりも近く感じる。物理的な意味ではなく。
「わかりました。とゆうかホワイトさんの手暖かいですね。私の手なんてこんなに冷たいのに」
「冷た!」
さっきから手繋いでてわかっているはずなのに、何故かローレルが僕の首に手を当ててきた。
「だよね、私も待ち合わせの時それされた。ほんとにローレルの手冷たいよね」
「ほんと?あ、ほんとだローレルの手冷たい、お姉さんが温めてあげる」
ローレルの手の冷たさを確認した焔ラビさんは、ローレル手をそのまま頬ずりして暖めている。さっきから焔ラビさん変な方向にから回ってないか?僕もうちょっと落ち着いた人かと思ってたんだけど…
「ま、まあとりあえずお店入りましょうか」
プレーンさんの予約したお店は、5階建てぐらいの小さいビルの2階にあるらしく階段を昇ってお店に入店した。
「言っやっしゃませ!ご予約はされていますか?」
「あ、そういえば私予約の名前聞いてなかった。焔ラビさんは?」
「私も聞いてないね」
「私プレーンさんから送られてきたので知ってますよ」
結構どうでもいいことではあるけど、プレーンさんはなんて名前で予約したんだろうかさすがに本名はないだろうし。
「えっと名前は、これなんて読むんですかね?えっと…びゃくやに月?」
「ちょ、ちょっと待ってください今なんて言いました?」
「だから、白夜月って言いましたけど…ホワイトさんこれ読み方知ってるんですか?」
「い、いや知らないです…」
プレーンさんが予約に使った名前って、昔の僕の…
「あ、いましたねこの字で合ってますか?」
「はい、それです」
「では、7名様ご案内致します」
不服ではあるけれど、店員さんに予約名を伝えるとちゃんとした個室まで案内してくれた。
「綺麗な個室」
「それじゃあ早速始めようか。反省会を…」
個室に着いてヘリオスが1番に座ったかと思ったら、突然反省会開催の宣言をした。
「そうだねやろうか」
「ローレルさんも乗り気なんですね」
さっきの移動の2人とは打って変わって、とても落ち込んだような感じになっている。
「だって、私達ホワイトさん気づけなかったんですよ。しかも、最近よく話してたのに」
「まあ、確かに僕も気づかなかったですけど」
それって多分ローレルもヘリオスもホワイト=白木というのを消していたんだろうし、しょうがないと思うけど。てか、そこまで落ち込むことでもない気もする。
「その話なんだけど、3人ともどうゆう関係なの?会話文的に会ったことあるっぽいけど」
「そういえば説明してませんでしたね。とりあえ飲み物頼みましょうか」
店員さんを読んでそれぞれ好きな飲み物を注文してから、焔ラビさんに現状の話を始めた。
「実は、僕とローレル、ヘリオスは同じ学校なんです。しかも2年一緒のクラス。まあ、言ってしまえばこれだけなんですけど」
「言ってしまえばって、結構変わった学園生活送ってるのね皆、しかも2年も。」
それで言うと、何度か聞く機会はあった。けれども、何かで邪魔されたり僕が完全に忘れていたりで、話すことができていなかっただけだった。
「でもさ、幾ら気づかないって言ったって限度があるじゃん。私達ほぼ毎日一緒にやってるし。最近君とは色々とあってよく話してたし」
色々とって言ったって、全部2人の彼氏騒動でしか無かったけど。
「へー、それまたお気の毒に。でも、いいね青春お姉さんは味わえなかったやつ」
焔ラビさんが何歳のか知らないけど、年上に言われるとなんか重みが違うな。
「はい!この話もう終わり!私達の聞き逃しなんて考えたくもない。とりあえず他の人達待ちながらなんかしてよ」
「あ、僕ボドゲ持ってきましたよ」
僕は修学旅行前に買って使うことのなかったボドゲをバックから取り出す。
「ここでボドゲ?まあ、いいか私達らいしのかもだし」
「それじゃあやっていきましょう!ボドゲルール知らないですけど」
「ホワイトさんは、把握しといてくださいよ」
とりあえずこのオフ会の話が終わるまでは、毎日投稿するのでよろしくお願いします。




