逃げ切った後に
「ここで、話そうか」
「別にいいけど」
1人中庭の席に座ってると、僕と同じく後夜祭を抜けてきたであろう人達がやってきた。しかも片方の声は聞き覚えがある。
「で、どうしたのこんな時に私を呼び出して。そんな長い時間いられないと思うんだけど」
「わかった、すぐ話すよ」
周囲が暗いのと、メイド服に黒が入ってて僕の存在がバレてないんだろうか。2人の会話を盗み聞きしているような状況になってしまった。
「翠々花、俺に嘘ついてだたね」
「なんのこと?」
こっそり中庭に来たのは、十山さんだったらしい。
僕もこの話は少し気になるな。
「だって翠々花、俺と言う男がいながら彼女を作るなんて!」
「はぁ?なんのこと!?」
おっと、この話は聞かない方がいいかもしれない僕はそろそろ後夜祭に戻ろうか。
「だってほらこの写真、翠々花彼女がいたって」
「眩し。いや、私そんなの知らないって…」
「いーや嘘だ恋人繋ぎしてるし、こんなにいい顔してるじゃないか」
「いた、ちょっと離して」
どんどん男の方がヒートアップしているらしい、いつもなら仲裁に入るとこだけど、今回は嫌な予感がするし闇に隠れて逃げよう。
「いや、お前がちゃんと話すまで離さないぞ!」
「てゆうか、あんた誰?」
「今度はしらばっくれるつもりか?俺たちは付き合ってるそうだろ?翠々花が俺に異様に構ってるのだって、そういうことなんだろうな」
花鶏さんに続いて十山さんにも勘違い彼氏がいたのか、2人ともこういう系のイベントは全部制覇するんじゃないか?
「いや、私あんたと話したことない…てゆうか、腕痛いから離して」
「いーや無理だね。お前が俺をちゃんと彼氏と言うまで離さない」
「いったー!」
「誰だ」
十山さんにむけらていた、スマホの画面の光が僕の方へ向けられる。
「は、ハロー、ハウアバウトユー?」
めっちゃ転んだ何も無いのに芝生の上に転んだ、これが人助けをしない報いか…
「何してんだ人が彼女と大事な話し合いしてるってのに」
「いやー、何してたかって言われると…」
正直軽く話聞くだけ聞いて、逃げようとしたクズとは到底言えない。
「白木君、大丈夫?」
男の手を思いっきり振り払って、十山さんが転んだ僕の元へ近づいてくる。
「は、はい一応芝生の上で転んだので」
「お、おい翠々花俺よりそっちを心配するのか?お前の彼氏は心を痛めてると言うのに」
「そりゃそうでしょ、だって私あなたと付き合ってないし」
ここに来て十山さんが男に向かってダイレクトアタック、無敵の男はどう出るか。
「だから嘘はやめろって。俺に嫉妬して欲しいのはわかるけど」
「だから、あんた誰?私この人と付き合ってるんだけど」
「え!?」
十山さんが急に僕を指さして付き合ってると宣言。
「は、嘘…だろ嘘だよな。じゃあこの写真の女は…」
「それはこの人」
「まさかの翠々花お前………女装する男が好きなのか?」
おい十山さんの好みの人間がどんどん変な方向に上書きされていってるぞ。
「いや、そうゆう訳じゃないけど。私はこの人一筋だから1年前から」
「それじゃあお前俺に二股掛けてたのか」
「いや、そもそもその考え自体元から違うから。私ずっと言ってるけど、あなたのこと知らないし。とゆうか、付き合ってるなら連絡先くらい交換してるでしょ私お父さん以外連絡先に男性いないから」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…」
その言葉を聞いて、男がその場に崩れ落ちた。とゆうか精神崩壊に近くないかこれ。
「それじゃ行こっか白木君」
「は、はい」
壊れかけた男を無視して、何故かまた恋人繋ぎの状態で中庭を歩いてでる。
「良かったんですか?無視しちゃって」
「いいの、ああいう人は2日3日で治るから。それに手を差し伸べても、やっぱりとかって言われるだけだし」
確かにそこそこ解釈一致するな。とゆうか、こんな話できるって過去にそう言う経験でもしてるのか。
「で、私からなんだけど。なんであそこで転んだの?」
少ない灯りから見える十山さんの目は、ジト目気味で僕を睨んでいる。
「え、いやー声が聞こえたからちょっと盗み聞きでもしようかなって…」
見捨てて逃げようとしたとかは、言えないだろうしそれなら盗み聞きが1番だろう。実際やってはいたわけだし。
「ふーん、嘘っぽいね。まあ、いいや助けて貰っちゃったし」
「ついでに僕からもいいですか?手を離していただけると…」
「あ、ごめん」
またも、十山さんが恋人繋ぎを思い出してパッと手を離す。
「どうしますか?後夜祭戻りますか?」
「それしかないんだろうけど、少しだけ探索してみない夜の学校」
「よし、やりましょう」
何もなさそうではあるけれど、僕も好奇心で気になるし十山さんと行動を共にすることにした。
とは言っても、全生徒が体育館にいるためどこの教室も光はともっておらず真っ暗な廊下を歩き続けるだけだった。
「ねえ、あそこの教室明かり着いてない?」
「ほんとですね、消し忘れでしょうか」
気になった僕達は、光のもへ近づいていく。
「普通についてるね、元はラーメン屋か」
ラーメン屋とかあったたんだ、全部人通り見たつもりだったけど普通に見すこじてたな。
「鍵空いてるかな?」
「入るんですか?」
「気になるからね。お、空いてる空いてる」
何故か鍵も閉まっていなかったらしく、十山さんが教室の中へ入っていく。とゆうか、不用心だな。
「へい、らっしゃい!2名様かい」
教室内に入ると、何故か大将が作られたカウンターの奥に立っていた。
「え、やってるんですか?」
「材料が余ったから、君達みたいな後夜祭を抜け出してきた人達にラーメンを作ろうと思ってね。ちなみにワンコインでOK」
「十山さんどうしますか?」
「どうするって…だべるよ」
なんだろう、十山さんはもうちょっとクールとかダウナー系かと思ってたけど、意外と子供っぽいと言うかヘリオスに近いものを感じる。
「へい、どうぞ。普通に美味しいラーメン」
「おー、普通のラーメンだ」
注文して大将が出してくれたのは、The普通の醤油ラーメン。味も鶏ガラやニンニクの入った一般的なスープ、麺に具材だった。
「いやーでも美味しいですね」
「そりゃあな、これはクラスの総意でな。最後になんかやろうってことでこっそりな」
「なんか素敵だね」
そうか、この人は3年のだから今年が最後の文化祭になるのか。にしても、クラスの総意でこれをするってなかなかない気がするけど。
「で、なんで君たちはここにいるんだ?もしかして密会とか?」
「いや僕は、お手洗いついでで。十山さんは、厄介事ですね」
「そうか、そうかまあなんでもいいけどな」
大将と軽い雑談をしたあと、普通に体育館に戻って後夜祭を見た。葉月には、トイレ長かったなくらいにしか言われなかった。
後夜祭後の2人
「翠々花、誰かに呼び出されたって言ってから長かったね。大丈夫だった?」
後夜祭の後帰り道の途中で千夏が翠々花に対して、後夜祭中のことについて聞く。
「まあ、それは大丈夫だったんだけど。その後学校歩き回っててね」
「1人で?」
「いや、2人で」
「まさか、その呼んだ本人と2人で…」
「違うよ!その…助けてくれた人」
翠々花が少し頬を赤く染めながら話す。
「は!まさか翠々花ホワイトさんから乗りか…」
「それも、違うはず…」
翠々花の中で白木に対して揺れ動いている気持ちが、ホワイトと同じものなのかそれとも違うのか現状判断出来ずにいた。
「ま、自信ないならホワイトさんと話してればわかるよ。なんせ私はそれで自覚したんだから」
前回千夏も同じようなことになったけれど、ホワイトとしっかり話すことで判断をつけていた。
「そうかな、まあいいや今度どうにかするとして。聞いてよ誰もいない学校歩いてたらさ…」
翠々花は、千夏にラーメン屋のことを楽しそうに話しながら家に帰って行ったら、
実はこの話展開構成に1回困りまして、2つ思いついて今に落ち着いたんですが、没案は白木君を翠々花ちゃんの偽彼氏にしようとか思ってました。




