メイド喫茶のやること
「おい白木遅いぞ」
「ちょっと待ってよまだ寒気が…」
さっき居たお化け屋敷で僕の頬を冷たい手がなぞったことについて、受け付けの人がそんなの無いと言ったのが気がかりで未だに寒気が収まらない。ほんとにイタズラなら嬉しいんだけど。
「まあ、そんなに怖いならメイドさんに癒してもらえよ」
「そうする」
そうするって言ったけど、この言い方はローレルとヘリオスの言うメイド趣味に該当…はさすがにしないか。
「じゃ、俺仕事だからお前はしばらくほっつき歩いてれば」
「んな、適当な…」
とは言っても、時間はお昼ぐらいだしとりあえず自分のクラスでお昼食べてからどこか歩き回ろうかな。
葉月は着替えがあるらしく一旦別れて僕は、自分のクラスに入店した。
「おかえりなさいませご主人様。お席はあちらにお願いします」
入店と同時に入口に待機していた、メイドさんに席を案内された。クラスの中を見ると男女の比率は4対6ぐらいだろうか。
「こちらメニュー表になります」
そういえば、料理は何だしてるか知らなかったな。
そう思ってメニュー表を開くと
(メイドさんのにゃんにゃんオムライス)
(ふわふわ最強オムライス)
(漆黒の中辛カレー)
(小悪魔デビルカレー)
これちゃんと読むと同じ料理を別の名前で傘増ししてないか、料理ごとの値段は同じだし。
「ご注意決まりましたか?」
「えっとじゃあこのメイドさんのにゃんにゃんオムライスで」
「かしこまりました、少々お待ちくださいご主人様」
自分で選んだ料理とはいえ、言ってて何となく恥ずかしいな。
「お待たせしました、ご主人様こちらメイドさんのにゃんにゃんオムライスになります」
「ありがとうございます?」
料理を注文してから僕の座る席に料理が持ってこられたけど、持ってきたのはメイドさんではなく執事みたいなタキシードを着た十山さん。最初の方余ってたメイド服はこの人のか。
にしても十山さんのタキシードは十山さん自信がかっこいい系の美人のため結構似合っている、どこから持ってきたのかは分からないけれど。
「それでは、ご主人様ごゆっくり」
所作がメイドさんとは違うけれど、これはかっこよくていいな。
「翠々花なにしてんの、アレやってないしょ」
「ちょ、ちょっと…」
オムライスを持ってきてらから、去ろうとした十山さんだったけれども直ぐに花鶏さんに捕まってまた僕の席に戻ってきた。
「さぁ翠々花アレをやらないと」
「えーやんなきゃダメ?私今執事なのに?」
「それでもだめ。てか、どこから持ってきたの?」
「友達のクラスが執事喫茶やってたから」
メイド喫茶の他に執事喫茶なんてものが、少し気になるし明日行ってみようかな。
「まあ、そんなことよりほら」
「お、美味しくなあれも、萌え萌えキュン」
手でハートを作って僕のオムライスに魔法をかける十山さん顔は超嫌そうな顔をしている。
「ほら、お絵描きも」
「何かリクエストはありますか?」
「じゃ、じゃあ大木で」
「ふふ…何それまあいいや大木ね」
少し笑ってから文字の通り、太めの字で大木と僕のオムライスに字を書く十山さん。ちなみに大木の理由は今頭に浮かんだ字だ。
「あと、追加でメロンソーダを」
「かしこまりました、それではごゆっくりご主人様」
「それでいいんだよ翠々花。これからもっと萌え萌えしてこう!」
「何それ、それならもうメイドとゆうか執事辞めたい」
何かごちゃごちゃ言いながら僕の席を去っていく2人。僕はその会話を耳にはさみながら、書かれた大木をスプーンの裏で塗り広げる。
「ご主人様こちらメロンソーダになります」
「ありがと…葉月」
次に僕が注文したメロンソーダを運んできたのは、メイドの服を着た葉月だった。
「おまじないかけますか?」
「いいよキツイから」
「何がキツイだって。メイドさんに失礼だろ」
「あ、なんかごめん」
葉月は結構メイドと言う仕事に対して結構熱心にやっているらしい。でも、男のさっきの十山さんみたいなおまじないはキツくないか。
「とゆうか、飲み物系にはおまじないかけないイメージだけど」
「それもそうだな、それではご主人様ごゆっくりー」
僕が指摘すると急に適当になって葉月が別のところの接客へ向かっていった。
「いってらしゃいまご主人様」
メロンソーダとオムライスを完食してから、店を出ると出口付近にいるメイドさんからいってらしゃいませの一言。確かにこれは少しいいかも。
でも、これからしばらくどうしようか正直今日で全部回ると明日以降楽しみ無くなるし。どこかでライブみたいなのやってないかな。
この後の僕は、たまたま時間帯的に被った未成年の主張を見て時間を潰した。
執事、メイドは休憩中
「疲れたー何魔法って黒歴史魔法?」
休憩スペースの机に倒れ込んでそこそこメタイようなことを言う翠々花。
「そんなこと言ってたら明日以降持たないよ」
「そうだけどさ。てゆうか良く千夏は大丈夫だね」
「まあ、本当は私ホワイトさんにだけ言いたいんだけど。練習と割り切ってやればね」
「何その頭のいい方法」
千夏も多少なり恥ずかしいけれど、これは練習と言うのを頭で繰り返し唱えることで普通に魔法を唱えていた。
「そうでしょ、人間想いの力が強いからね」
「それなら私もいけるかな」
「多分いけるよ、だから翠々花も頑張って。明日はメイド服着てもらうんだから」
「え、着るの?」
メイド服を着ると言われた瞬間千夏の方を向いて、信じられないと言いたそうな顔をする。
「だってメイド喫茶なのに執事はね」
「やだ!着たくないそれは無理!」
「何があろうと、明日強制的に着てもらうから今は駄々こねとくんだね」
そう言って千夏は、休憩スペースから出て接客へと戻っていった。
等の翠々花は、メイド服が嫌すぎて軽い恐怖に震えていた。




