ボーイッシュ君な美人は身体能力抜群
4人くらいの靴音と、ボールのドリブル音が体育館に響き渡る。
「ごめんボール取られた、すぐ戻る」
そう言ってすごい速度で、自陣に戻る十山さん。
「おっけ、とりあえず守りながらボール狙うよ!」
それに呼応するように、十山さんの仲間の人が指示を出す。
現在得点十山さんのチームが優勢ではあるが80-79とギリギリな戦いである。そんな試合を見るのは、体育館にいる生徒約8割。もうひとつのコートで男子が試合していても女子コートに人気が行くのは、白熱しているとゆうのもあるのだろうけれど、女子人気と男子人気を獲得している十山さんが試合をしているとゆうのが強いだろう。
「ごめん抜かれた」
十山さん側のディフェンスの選手が言うと、相手選手のツーポイントゴールが決まる。残り時間わすがで80-81と、1点差が着いてしまった。
「残り時間少ないから、あとはもうガンガン攻めていこ」
十山さんが、喝を入れるとすごい速度で少し流れかけていた諦めムードが晴れ全員最後の力を出す。
「翠々花!任せた」
そう言ってボールを十山さんに、パスし十山さんものすごい身のこなしと仲間との連携で一気にスリーポイントラインまで到達する。
「あと、15秒翠々花スリーポイントシュート決めてやって!」
「わかった、左手は添えるだけ!」
そう言って、手からボールが離れると綺麗な弧を描いてゴールに入る。それと同時に試合終了の音と、プロの試合並に体育館が一気に盛り上がる。
「やった!入った」
「翠々花凄すぎるよあそこで入れるなんて」
そう言うのは、相手チームの主力1年バスケ部のエースなんだとか…それに勝つとは、いやはや恐ろしい。
「いやー、あそこで決めるとはやっぱり凄いな十山さん。なあ白木」
「しかもあの身体能力を持ってるのにもかかわらず、部活に入ってないんでしょ」
以外にも十山さんは、天才的な運動の際を持っていて帰宅部らしい。中学の頃は、陸上部に入っていたとか。
「お、男子の方も終わったな行くぞ白木」
「わかった。でも少し鬱だ」
僕は、葉月や周りに比べて運動は普通それ以下くらいなので運動は好きかと言われるとあまり好きでは無い。運動は、ゲームの中で十分だと思う。
「さーて相手は誰かな。頑張るぞ白木」
「できるだけ足引っ張らないように頑張るよ」
意気揚々とコートに入っていく、葉月とは対照的に僕はとぼとぼとゆっくり入っていく。
運動とは、力の差が出やすいもので僕のいくつかの足の引っ張りのおかげで僕達は108-67で負けた。そんな僕は、気分がめちゃくちゃ凹んだ状態で元いた場所に戻る。
「ほんとにごめんね、僕の足の引っ張りがなければもうちょっと点差縮められたかもしれないのに」
「それでも勝てないんだな。まあ、でも面白かったし良かったと思うぞ俺は。特にあの敵チームの人が言ったパスに引っかかったとこは結構面白かったな」
「もう、掘り返さないでよ。泣きたくなってきた」
そんなことを言われ更に気分が落ち下を向いていると、葉月が横で急にうるさくなった。
「おい!避けろ」
「なんだよもう…て、マジ!ぶふぉ」
急に顔の前に来たボール避けろと言われていたが時すでに遅し、まだ身体能力高い十山さんとかなら良けれたかもしれないが僕みたいな凡才には、無理だった。
「お、おう。だ、大丈夫か白木」
「いてて、多分大丈夫。やべ鼻血」
そこそこの威力でボールが突っ込んできたからだろう、そこそこの量の鼻血が出てきていた。
「ごめんね!私のパスの威力強すぎちゃったみたいで」
そう言っているのは十山さん。恐らくパスミスと思われるボールを投げたのは、彼女だったらしい。
「いえ、僕も不注意でしたので」
「おい、そんなことより鼻血保健室行くぞ。誰か次の試合俺たちの空き入っておいて。あと先生白木保健室に連れていきますね」
迅速な対応で僕を保健室に連れていってくれる葉月、こうゆうやつがモテるのだろうか。
「よし、いい感じだな。とりあえず鼻血止まるまで鼻冷やしながらここにいろよ。俺は、バスケを楽しんでくる」
保健室に行ったは、いいもののたまたま先生がおらずとりあえずの処置をして葉月は去っていった。
それから約15分後鼻血が治まり絶妙に鼻が痛むところで、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。そんなとこで僕がとりあえず教室に戻る準備をしていると、急にドアが開く。
「お、葉月ちょうどさっき鼻血が治まって絶妙に鼻が…て、十山さんかどうしました?怪我でもしましたか?」
勢いよく開いたドアの前に立っていたのは、葉月ではなく十山さんだった。
「いや、さっき思いっきりぶつけちゃったことちゃんと謝っておこうと思って」
「いやいや、さっき言った通り僕の不注意でしたし悪気があった訳じゃないなら別にいいんですけど」
逆にそのおかげで少しだけ凹んでいた気持ちが治まったので、僕から見たら少し助かっていた。
「でも当てちゃったのは、事実だしもし変なことになってたらちゃんとした形で責任とらなきゃだし」
そう言って近ずいて僕の顔の前で止まる、彼女を見た感じ周りの女子よりも身長が高いと言った感じでショートの髪にイケメン系の美人といった感じだ。
「鼻とか曲がってないよね、うんだいじょぶそ」
十山さんの顔が目と鼻の先にあり、絶妙に十山さんの息を肌で感じる。
「あ、あの十山さんそろそろ戻った方がいいのでは?」
「あ、ほんとだ。そ、それじゃ本当ごめんね白木くん」
謝りながら出ていく十山さん。絶妙顔が赤くなって出ていった気がする彼女の人気の理由は、やはりボーイッシュ気味で誰にでもあの距離感で話しやすいとこなのだろうか。
何かが引っかかる翠々花ちゃん
(あれーなんか変だないつもは、男子でももう少し距離あるはずなのに。)
彼女にとっても、先程の顔を近ずけるのは少し違ったらしい。
「あ、翠々花急に居なくなったから少しびっくりしたけど保健室行ってたんだね。怪我でもした?」
そんなことを思っていたら、彼女の友達の花鶏千夏が歩いてきた。
「い、いやさっきボール当てちゃった子にちゃんと謝りに行っただけ」
「へー、でもなんで顔赤いの?」
「いや、私もわかんないんだけどその子と話してたら予想以上に落ち着いちゃって。思ったよりも攻めたことしちゃって」
意外と翠々花も、純情で一定距離はいいけれど男子と近すぎるのは距離は苦手らしい。
「え、もしかして乗り換え?ホワイトさんから」
喜び混じりの声で千夏が翠々花に聞く。
「いや、それは無い絶対に。私がホワイト君から乗換えることは無い。でも今日のはなんか、ホワイト君と話してる時の感覚みたいになっちゃって。それでも偶然だから!」
必死の弁明をする翠々花を横目に、何やら少しニヤニヤしている千夏。
「ほんとに?」
「ほんと、私がホワイト君から乗り換えることは絶対にないから!」
この話を手に取って頂きありがとうございます。もしかしたら少しばかりキャラ崩壊していたかも知れないですが、その場合はお知らせください。ちなみに作者は全くバスケのルールは、知りません。
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