迎えるは翌日
「おはよ、白木」
「葉月」
花鶏さんの写真を見てから次の日今日は、花鶏さんとそのことについて話に行く予定だ。正直憂鬱、僕が写真の人だとばれてないしこのまま放置でバックレたい。
「葉月今日別に花鶏さんのとこ行かなくても…」
「だめだ、一応行っとけよ。花鶏さんと密接に話せる機会なんてそうそうないだろうし」
「別に僕そこはどうでもいよ」
僕の中では、花鶏さん十山さんどうこうとかは今はどうでもいい。なんなら、ギャルゲーとかはごくたまにやる割に恋だとかあんまりわかんないし。
「まあまとりあえず話すだけ話して来いよ、手によっては保険になるだろうしさ」
「そんなもんかな?」
「保険は大事だからな」
僕も保険はだいじだと思うし、時間が見つかれば一応花鶏さんに話に行こう。
「よ〜しお昼の時間だし、早速いつも通り中庭へレッツゴー」
話に行くとは行ったけど、午前は特に時間がなかったためほとんど何もせずにおひるのじかんになった。
「てゆうかさ、花鶏さん彼氏疑惑あるししばらくの間は、十山さんの告白ラッシュになるんじゃない?」
「いや、俺の予想だと今日はちょっと違うと思う」
「ちょっとって?」
「まあ、ちょっとな」
なんかいい感じにはぐらかされてるな。でも、彼氏持ちに告白する人なんているのかな。まあ、彼氏ではないんだけど多分…
「今日は、早めに着いたな。席取って告白でも見物しようぜ」
「見物ね…」
ずっと思ってたけど、人の告白でふられるとこ見て楽しいのだろうか。
「ほら見ろよ、2人が来たぞ」
十山さんと花鶏さんが中庭に来ると、賑やかだった空気が一旦静まり返る。
「花鶏さん!」
「え、私!?」
何故か、告白で呼ばれたのは十山さんではなく花鶏さん。
「俺は、花鶏さんのことが1年の頃から好きでした。でも、花鶏さんに彼氏がいるって聞いて…でも、この思いだけは伝えておきたくて。だから!好きです」
結構珍しいと言った感じで、花鶏さんに対する熱烈なら思いを伝えている。
「ごめんなさい。でも、私彼氏いな…」
「ありがとうございました!」
そう言って、花鶏さんに礼をして走り去っていく。今回は感性とかではなく、拍手が中庭を包み込んだ。
「今日はいつもと一味違うね」
「ただし、俺の予想だともっと人が来る」
「そんなことあんの?」
「場合によってはな、人によりけりって感じだけど好きって気持ちを整理したい人がいたりするからな」
「へ〜」
とりあえず伝えるだけ伝えたいって事か…でもそれってなかなかできることじゃない気がするけど。
「千夏さん!」
「また!?」
葉月の読み通り、また花鶏さんに対してまた1人名乗りを上げた。
その後も3人告白する人が出てきて、花鶏さんは凄い困ったような顔をしていた。
「今日は怒涛の告白ラッシュだったね」
「それだけ、花鶏さんのことが好きって人が多いんだろうな」
「さすが、学校の人気者って感じだね」
てか、今なら花鶏さんとあのことについて話せるのではないだろうか。でも、ここで出ていったら何言われるかわかんないかも。
「ダメだ、結局何もアクション起こせなかった」
お昼を食べたあとも、結局何も出来ず泣く泣く教室に戻ってきた。
「あとは、下校の時に話しかけるくらいか…」
「ねえ!花鶏さん嘘だよね」
自分の不甲斐なさに落ち込んでいると、花鶏さんの机の方向から嫉妬交じりのような声が聞こえた。
「嘘ってなのんのことですか…」
「彼氏だよ、この写真」
そう言って、僕の中では危険物並の写真を花鶏さんに見せつける細身の男。
「だから、私彼氏いな…」
「嘘だ!こんないい顔で見つめてるのに、彼氏じゃないわけが無い!」
何だこの人、彼氏が居ると信じてるのか、信じたくないのか支離滅裂なこと言ってる。
「ねえ、花鶏さん嘘って言ってよ。だって…俺が君の彼氏なんだからさ」
そう、男の放った一言に花鶏さんの困り顔が絶句という言葉が1番あっている、引いてるような顔に変わった。
「そ、それはどういう…」
「だって、俺の事好きなんでしょ?去年あんなに俺に優しくしてくれたってことは」
何となくわかった、この人は俗に言う勘違い男と言うやつかもしれない。
「なのに…なのになのになのになのに。彼氏だなんて、あ、そうか花鶏さん俺を試してたんだね。俺が嫉妬するのを引き出したくて…だから、いいよ早くこんな奴とは別れて…」
「ちょっとまった!」
男が自分の世界に入ってる途中で、僕が止めに入った。この後どうなるか少し気になるけど、そろそろ止めに入らないとまずい気がした。
「なんだよお前」
「花鶏さんに彼氏はいないです」
「はぁ?じゃあこの写真はどう説明するんだよ」
ここにきて、大声で割に入った欠陥が出てきた。別にやましい事じゃないけど、あれをクラスの中で発表するのか…
「その写真の男は僕だ!」
その時今クラスにいる全員から「は?」の一言が飛んでくる。
「え、千夏ちゃん。それほんと?」
花鶏さんと仲のいいと思われる女子が花鶏さんに聞くと、縦に頭をふってそれを肯定する。
「じゃあ、お前がかれ…」
「じゃない!勘違いしないで欲しいのは、その写真僕が脱水症状で倒れた時のやつってこと。僕は軟弱だから!信ぴょう性に欠けるなら、十山さんに聞けばわかると思うし」
正直ここが1番言いたくなかった。でも、困ってる花鶏さんを見てたらいつぞやのローレルとヘリオスを思い出して、と目に入るしか無かった。
「てか、嘘でも勘違いでもお前彼氏なんだったら。好きな人の事困らせないでしょ」
「でもそれは、勘違いさせる方が…」
「じゃあ、信じてやればいいじゃん嘘でも勘違いでも大事な彼女なんだから。てか、ほんとに花鶏さんは付き合ってんの?」
ここにきて、1番の話の主題である花鶏さんに真実を聞いてみる。
「ずっと言ってる通り、私年齢=なので彼氏いませんし。あと…あなた誰ですか?」
ここにきて、花鶏さんがものすごいダメージの出る攻撃をくりだしてきた。
「俺が…覚えられてすらなかった…くっそ!覚えてろよ!」
今までのムーブが嘘みたいに小物感ある、逃げ方を見せた細身の男。それと同時にクラスで拍手が起こった。
「白木さんありがとうございます」
「いや、僕もどこかでこのことについて話そうと思ってたので」
一刻も早く自席に戻ってさっきまでの自分の動きの反省会をしたい。全員の前で大声を出すのが不慣れすぎて、精神が潰れそう。
「いやーお前凄かったな、保険作れとは言ったけど全員の前でしかも間違いを訂正するとは」
「それはいいけど、もうその話は出さないで」
写真について弁明したあとは、特段何にも巻き込まれることはなく時間は進んだ。
「でも、びっくりだなお前があんないいこと言えるだなんて」
「いくつかは、ギャルゲー知識」
あんな言葉普通に生活してても、僕から出るはずがないしたまたま脳裏に出てきたギャルゲーの言葉を軽く引用して話していた。
「そう聞くとゲームもバカに出来ないな」
「ゲームは偉大なる神だからね」
今日はどっと疲れたけど、ギャルゲーの有用性もわかったし儲けもんかな。
一方帰宅中の2人
「千夏今日は凄かったね。告白ラッシュに勘違い男襲撃、漫画みたいな展開だね」
「でも、最後は白木さんが助けてくれたし」
そういう千夏は、少し頬を赤らめているような気がする。
「え、なに?もしかして、鞍替えですか?」
「ち、違うよ!でも…白木さんの優しさとホワイトさんの優しさは、何か近いものが感じられると言うか…」
「お嬢さんそれを世間では恋というのでは?」
「だから、違うって。私はホワイトさん一筋なんだから」
今日は珍しく、翠々花が千夏のことをいじる役回りになっている。
「でも、良かったね。クラスだけでも、あの噂が晴れて。これもひとえに白木君のおかげだね」
「もう、だまって!」
そういう中で、2人の中での白木豊と言う男の好感度は少しずつ上がっていた。
なんかこの作品には珍しく、恋多めな内容になりましたね。白木君が、いつもからは信じられないくらい頼れる人になりましたし。




