今の私の精一杯
「では、お題を見てみましょう。『泣く演技』です。ちなみにこれは季楽ちゃんのお母さん、早坂明依さんからのお題です。どう?いける?」
やられた。1番苦手なのに。どうする?
このまま行けますといってもいい。でもここは私の素を出しながら言ったほうがいいかも。
「なくえんぎはにがてっていったのにー。ムー。」
「え、かわいい。」
「新樹さん、すっかり季楽ちゃんの虜ですね。」
「もちろん‼」
「以前共演した時とは全く印象が変わりました。新樹さんってそんな方だったんですね。」
「すべて季楽ちゃんの力です。季楽ちゃんにかかわった場合のみこうなります。多分。」
「皆さん落ち着いてください。季楽ちゃんの演技見なくていいんですか?」
「ダメです。季楽ちゃんごめんね。」
「季楽ちゃん、いける?」
覚悟を決めるか。3歳という今の特性を生かして、ただ泣くだけでなく、怒りながら泣くということにする。実際に私(恵華のとき)はただ泣くだけよりも怒って泣くことのほうが多かった。
「はい、いけます‼」
スゥー、ハァー
『なんで⁈約束したでしょ?いっつも私には約束は守りましょうって言うのに‼大人はいいの?私っ、私、楽しみにしてたんだよ?久しぶりっ、に一緒にっ…、泣いてない‼私は怒ってるの!っ‼ほんと?絶対の絶対だよ‼小指出して!ゆーびきーりげんまんうそついたらはりせんぼーんのーます、指切った‼約束だよ!』
「いじょうです。」
パチパチパチパチ
どーよ‼きちんと泣けたし、話もまとまってたでしょ?反応もいい感じ!やったね‼
「何でこういう演技にしたのか聞いてもいい?」
あ、来た。聞かれると思ってたから大丈夫!
「なくだけのえんぎはにがてで、おこりながらのほうがなけるとおもったからです。だめでしたか?」
はい、ここでのポイントは上目遣いをすることです。上目遣いをしたら大体は許されます。ただし、ママには無理でした。残念。
まぁ、こんな感じで進んでいき、私の初バラエティは成功で終わった。