1/8
プロローグ
小さい頃から諦めやすい子だったと思う。
でも、たくさん夢を持っていた。
子役、モデル、パティシエ、小説家、俳優、声優……。
夢が出来て、諦めて、その理由を正当化して、違う夢が出来て、諦めて、その繰り返し。
目立ちたがりだった。目立ちたくなかった。
大学に行きたかった。勉強をしたくなかった。
夢を諦めていた。諦めてなかった。
矛盾ばかりの人生を送っていた。
そんな夢を持つななどと言う厳しい家庭で育ったわけでは無い。ただ堅実に、平穏にという家だった。
そんな私は勉強したくないという思いが勝ち、高卒で就職。いや、就職先が内定し、高校を卒業したところで階段を転げ落ちて死んだ。
転げ落ちながら私はこう思った。
「転生して次こそは夢を叶えたい‼️」
誰かが近づいてきている。聞いたことある声だ。友だちかな?バイバイ。楽しかった。
来世で会えたらいいな。
あぁ、後悔ばかりの人生だったけど、悪くなかったなぁー。