その後の話です
師匠であるバール・アスタリアに弟子入りし、3年が経った。
この3年間はまさに地獄であった。
気絶や傷なんて当たり前で授業が終わった後は掃除、
洗濯、料理と家政婦のようなこともさせられ、
師匠がいない時も師匠の友人達が剣術、魔術などさまざまな分野の知識を叩き込んできた。
気がつくと一人称も僕から俺へと変わり、そんな生活にも慣れてきたある日
「アーツ、王都に行くぞ!」
いきなりこんなことを言ってきた。
「な、なんで俺が行く必要があるんですか!?」
この人、今までこの街から連れ出してくれたことなんて1度もなかったのに…
「お前に頼みたい仕事があるんだよ。いいから行くぞ」
そんな、むちゃくちゃだ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんなことがあり今俺は王都行きの馬車に乗せられている。
王都アレンシアはこの国最大の都市であり人口もそれ故に多い。
なので王都には複数の学園があり辺境から王都に上京する者も多く幼馴染であるユウもその1人だ。
だが俺はそんな大都市に行ったこともなく緊張でガチガチに震えている。
「そろそろ王都につくよ〜」
御者のおじさんが気だるげに言う。
どうやら王都にはすんなり入れるわけではなく検問
があるようだ。
俺や師匠、ほかの乗客も怪しいところはなく時間はかかったが王都に入ることができた。
長い馬車の旅は終わり外へ出て体を伸ばしながら聞く
「師匠、俺に王都まで来させるなんてどんな仕事なんですか」
「ああ、その件だがある場所で話そうと思っている。
ついてこい」
そう言いながら慣れた足取りで進んでいく。
俺は王都の街並みに驚きながら師匠のあとをついていき師匠が足を止めた場所は…
「ついたぞ。ここが冒険者ギルドの本部であり話し合いの場だ」
数々の英雄達を生んだ場所であった。