神託を受けます
初投稿です。よろしくお願いします
「アーツ、起きなさい。今日は早く起きるんでしょう!」
「母さん、あと5、いや10分・・・」
「バカなこと言ってないで起きなさい。あなた今日が何の日か忘れてるでしょう」
「今日・・・?そうか!今日は神託の日か!」
そう言って僕は布団から飛び上がる。
今日は神託の日だ。
神託とはこの世界では大切な行事で12歳になるとこの神託を受けることができて神様から[スキル]と[職業]を授かることができるんだ。
「もう外でユウちゃんが待ってるわよ。早くしなさい」
「そうか!待ち合わせしてたんだ!」
僕は急いで用意をする。
ユウというのは僕の幼馴染の女の子で一緒に神託を受けるという約束をしていたんだ。
「ごめん!どれくらい待たせたかな」
「いや、そんなに長い時間じゃなかったしアーツが早起きできないってわかってるから」
「あはは…」
さすが長い付き合いだからか僕をよく理解している。
僕の家から神託が行われている教会まではそこまで離れていない。
「おしゃべりしているからかすぐ着いたね」
「ああ。どんなスキルと職業がもらえるか楽しみだよ」
「アーツはどんなスキルと職業が欲しいの?」
「僕はみんなや母さんたちに貢献できるようなのが欲しいな」
「アーツは優しいね。わたしは戦闘職がほしいかなぁ」
「そうか、ユウのお父さんは騎士をしてるんだよね」
「うん。少しでもお父さんの手伝いがしたいからさ」
そんな話をしていると前で大きな声が聞こえてきた。
「すげぇ!特別職だ!」
「なんと[賢者]らしいぜ!」
特別職というと[勇者]や[賢者]といった普通の職業と異なる能力をもった貴重な職業のことだ。
「すごいね!アーツ、賢者だって!」
「うん…」
周りは賢者が出たことに興奮しているが僕は不安でしょうがない。もし自分に合わないスキルや職業を授かったらどうしようと考えてしまう。
そんなこと考えている間に僕の番がやってきた。
「ではこの水晶に触れてください」
教会の人にそう言われるれたので水晶を触ってみる。
すると僕は衝撃を受けたようなそんな感じがした。
「授かりましたね。ではステータスオープンと言ってください」
「わかりました。ステータスオープン」
すると僕の目の前に僕自身の情報が書かれていた。
名前:アーツ・ガヘル
レベル1
職業:武闘家
スキル:タメ技Lv1 [未覚醒]
ステータス
筋力:C
体力:D
魔力:E
速力:D
こんな風になっているのか。
「職業どうですか?」
「は、はい。[武闘家]と書かれています」
「わかりました。[武闘家]ですね、[武闘家]は拳が主体で戦う職業です。ステータスでは筋力や速力が上がりやすいですが魔力は上がりにくい傾向にあります。注意してください。スキルについてはステータスオープンで書かれている文字に触れると詳細が見れますので確認してください」
「ご丁寧にありがとうございます。失礼しました」
「いえいえ、では。あなたに神々の祝福あれ」
丁寧に説明されてとても嬉しい気分だ。
もっとそっけないものだと思っていたがこれからお祈りをするのもありだな
「アーツ、どうだった?」
ユウも嬉しそうな様子でこっちに来た
「ユウ、僕は[武闘家]だったよ。そっちは?」
「なんと私は[魔法剣士]だったのよ!」
[魔法剣士]は職業の中ではかなり当たりだ。魔法で回復や支援をしつつ近距離で戦闘ができる優秀な職業なので喜んでいるのだろう
「おめでとう!よかったじゃないか!」
「ありがとう!ところでスキルの確認はした?」
そういえばまだだったな。
そうして僕は[タメ技]と書かられた部分に触れてみる
タメ技Lv1 [未覚醒]
このスキルを使用すると武器、または体の一部に力を収束することができる。
収束した力を解放することで能力を上昇させ、放つことができる。
MAX10秒
このスキルは覚醒することにより新たな能力を獲得する
こう書かれている。
ユウに説明すると
「説明を聞くと戦闘職向けスキルのようだけど覚醒?そんなの聞いたことないわ」
「そうなの?教会の人の説明不足かな。ユウのスキルはどんなのだった?」
「私のスキルは[能力上昇]。魔法や武器の威力が上がるみたい」
「[魔法剣士]にはピッタリじゃないか!ところでスキルと職業の隣にあるLv1って何かな?」
「知らないの?コレは私達のレベルと同じでこの数値が上がるほど強く、応用性も上がるそうよ」
僕の説明をしてくれた人は忘れているところがあるようだ。
スキルは使えば使うほど強くなるのか。
レベルアップするとどうなるか楽しみだ!