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魔大陸の中心地

新章開始です!

ただ、章のタイトルが思い浮かばず……


修正しました。


そして、イチオシフードのページを穴が開くほど堪能した。

そして、イチオシグルメのページを穴が開くほど堪能した。(20.10.7)


 ――バンカーサイド


 魔大陸に於いて、魔王アーノルド・ルートリンゲンが居城を構える大陸の中心地である。


 魔王の居城、そして、その城下町と言えば禍々しいオーラに包まれ、人の立ち入りを拒絶するかのような、まさにラスボスが待ち構えるダンジョン的な印象を受けるが、実際にこれを目の当たりにした者は、良い意味で裏切られる事になる。


 魔王アーノルド・ルートリンゲンの居城、その名も【地獄城】。


 それは、エメラルドグリーンに輝く透明感のある硝子のような光沢を放つ特殊な石材がふんだんに使われ、その名前とは裏腹に幻想的なその外観は、見る者すべての心を奪うかの様に美しいと言われている。

 

 そもそも地獄城や城下町は、現魔王であるアーノルド・ルートリンゲンがその座につくまで、ラスボスのダンジョンに相応しい禍々しさに包まれていたという。


 現魔王アーノルド・ルートリンゲンは己の根城に対しての呼称を忌み嫌っていた。

 しかし、始まりの魔王である、始祖アーノルド・ルートリンゲンが地獄城と名付けて以降、受け継がれてきた伝統であるため、いくら現魔王であってもおいそれと変える事が出来なかった。


 そこで、現魔王はその佇まいだけでも華やかな物にしたいと望み、出来上がったのが現在の居城である。


 次は城下町の話をしよう。


 クリスタルパレスと言っても過言ではない華やかさな地獄城の足元に広がる華やかな城下町。


 以前のバンカーサイドは、あまり生活感の感じられないそんな閉鎖的な街だった。


 それもそのはず、魔大陸の最期の砦であるこの場所は城下町というよりは、軍事施設と言わんばかりの造りをしており、そして、そこに住んでいる住民の殆どは魔王軍に関連のある者達だけだったのだ。

 

 現魔王は、そんな重々しい街並みを良しとしなかった。

 

 各方面で魔大陸一を誇る、王妃達の実家の力をフル活用し、この街を最先端の街に作り変えたのだ。地獄城を山の頂と例えるにふさわしく、町全体が区画分けされ高層建造物がひしめいており、街道は綺麗に整備され、ゴミ一つ見当たらない清潔感が漂うこの街には様々な種族の様々な職種の住民達の活気で溢れている。


 ――外観だけではない。


 この世界では、子供は労働力としてカウントするため、ある程度生活に余裕のある家庭ではないと学校に通う事は出来ないのだが、このバンカーサイドでは、五歳から十二歳までの子供達を対象に誰でも義務教育として、無償で学校に通う事も出来る。貧しい家庭であれば、その間、国から助成金が支払われるため、子供を労働力にするよりも遥かに高いお金を貰う事が出来る。


 そして、十二歳までの課程を終えた学生の中で優秀な学生は、国の補助を受け更に高度な教育を受けられる、国立高等教育院に進学する事ができ、そこを卒業すれば将来は確約されているため、皆が皆、狭き門をくぐるため必死に勉学に励んでいるのだ。国立高等教育院に入れない者も八年間の義務教育を経ている。言ってみれば、他国の貴族が受ける様な教育を受けているのだ、食うに困るという事はない。 


 因みにこの制度は、ユーヘミア王国の英雄であり、魔王アーノルド・ルートリンゲンの友人でもあるカケル・タマキが自国で行った教育改革を元にした物だと魔王は語る。


 代表事例として教育を上げたのだが、この街の魅力はもっと沢山あるのだが……あり過ぎて全てを語るには時間が足りないため、実際その足で、その目で体験して欲しい。


「……ここに載っている内容って本当なのか?」


 レウィが目覚めて三日後、俺達はバンカーサイドに向かう飛竜の背の上にいた。


 飛竜の背といっても、そこには馬車の客車の様な物が設置されており、その中で俺達四人—―俺とワタル、レウィとララといった感じで向き合って座っていた。


 レウィはまだ完全復活とはいかないのか、ララの膝の上でスヤスヤと寝息を立てており、レウィの輝く白金色の美しい髪をララはまるで我が子の様に優しく撫でていた。


 暇つぶしと言ってララから手渡されたる〇ぶの様なバンカーサイトの情報誌を読んでいたのだが、この世界の水準では考えられないほど発展している事に疑念を感じ、しかも、これを全てこれから会いに行く現魔王アーノルド・ルートリンゲンが手掛けた物だという事に驚きを感じずにはいられなかった。

 

「本当だよ~。うふふ、凄いでしょ? ミーの旦那様は!」

 

 誇らしげに胸を張るララの頭上には、可愛らしい二つの猫耳は見当たらず、その代り鋭い二本の角が生えている。俺達の前ではもう姿を偽る必要が無いため、本来の姿に戻っているのだ。


「まさに目から鱗だね。確かに、お爺様は、平民であっても学べる機会を設けたが、それはあくまで魔法の才能がある者だけなんだ。これ程思い切った政策の施行はそう簡単には出来ないよ」


 まぁ、あっちの大陸であれば貴族様達が黙っていないだろう、自分達の居場所を奪われる可能性があるからな。ワタルのじいさんの時だって、反発が凄かったらしいし。


「そこは、アー君の圧倒的な力あればこそかな。魔大陸にいる全魔族が束になってもアー君を倒す事は出来ないからね。下手に逆らって命を失うより、従った方が身のためなのさ。しかも、アー君の施策は全てうまくいってるから、みんな感謝しているのさ。そんでもって、バンカーサイドでの実績を元に魔大陸全土に様々な制度を設けるためにアー君をはじめ、ミー達は多忙を極めているんだよ」


 聞けば聞くほど、凄い男だな魔王って。

 それにしても……。


「多忙ね。そんな魔王がなぜ俺達の世界に拘っているのか……」

「それは、本人に聞いてみないと分からないかな? ミーも何も聞いていないからね」


 案ずるより産むが易し。

 今悩んでもどうしようもないと思った俺は、「そうだな」と軽く頷き、る〇ぶモドキを再度開く。


 そして、イチオシグルメのページを穴が開くほど堪能した。 

いつも、ありがとうございます!


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