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「れっくん聞いてよー今日大変だったんだよ」
「奇遇だな俺もだ」
バイクに乗って帰る帰り道。
私とれっくんはダラダラと今日あったことを話す。
「クラスの怖い女子が未来ちゃんを呼び出してさーその原因はクラスの馬鹿男子なんだけどね」
「……俺んとこは女子が海人の体操着盗んでその濡れ衣を俺が着せられそうになった」
「なんでさ」
あまりにもおかしな出来事だったので、つい本音が。
そうしたら顔を下にさげて、れっくんは悲しい声で答えた。
「俺が聞きてぇよ、なんとかビデオカメラを設置してた教室に助けられたけどさ」
「なんで、ビデオカメラが教室にあるんですか」
「それも問題になってよー英語の男教師が仕掛けたらしくて男子の着替えを撮影してたらしいんだな。クソうける」
「うけちゃダメだよ! 笑ってる場合じゃないよそれ!」
「俺はいつもトイレで着替えてるから大丈夫だ!」
そんなことで、大丈夫と言われても……
変態に覗かれてると思ったらとても心配です、襲われて貞操を奪われたらどうするんですか。
れっくんならボコボコにしちゃいそうですが。
「よし着いたぞ、早速やろうぜ!魔法の練習!」
目を輝かせながら私にぐっとサインを送るれっくん。この人本当は魔法使って暴れたいだけなんじゃ。
「そういやよ、俺たちの目的って諸悪の根源を倒すことと負の魔法道具の浄化って言ってたよな?」
「うん、そうだよ」
「けどよ、お前だって作るだろそれ」
「うっ! たまにね! たまーに! でも大丈夫。私のは弱い道具だから。諸悪の根源が作った道具は強力な物で人の負の感情と同化して人を化け物にしてしまうの、でも私が作ったものはそんなことにはならないで人にちょっと怪我をさせるくらいのものなんだ。全治2ヶ月くらいのやつね」
「ダメじゃねーか全治2ヶ月」
「言っとくけどれっくんもやってるからねそれ」
ジト目で見つめ返す。
「はいはい、早くやろうぜ」
自分の言ったことをもみ消そうとして、私の頭をくちゃくちゃにしてそう言う。
もうせっかくセットしたのに。
「じゃあ、自分が使いたいものをイメージして」
「……」
「そのまま、念を込めて手を振る!」
言われた通りにれっくんが手を振ると……
「おおー!出来たぞ!金属バットだ!」
手には不良っぽいアイテムが握られてた
「飲み込み早いねれっくん、そんな感じ!凄いね!」
そういうと照れながら、私に次だ次と催促してくる。
「じゃあ、お前がやったあれ教えてくれよ。南国のやつ」
「あれ見えてたの!? 恥ずかしいな……ごめんれっくんあの浄化魔法は私でも教えられないんだ師匠に受け渡されたものだからその人しか使えないの」
「……おーそうか、なら見て覚えるまでだな頑張るわ!」
なんかまた凄いこと言ってる。多少の事じゃ諦めないれっくん流石。そういうのかっこいいなぁ私もこんなんだったらいいのにな。
「腹減ったし、コンビニよって帰ろうぜ」
「あっ私焼き鳥食べたい!れっくん買って!」