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星の見えない空  作者: yui
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1つ。

私はこれが本職じゃない。


本職は美容師。

忙しい。稼げない。

兎に角、大変で有名な職業。


2つ。

私には彼氏ができたことがない。


恋愛の最後がカラダの関係ならそれだけでいい。

好きな人とは付き合えないって思ってる。


3つ。

生活がカツカツ。


都内の一人暮らし。

美容師でお金があるわけがない。



それで、この生活。

泣き喚いたって仕方ない。

美容師を選んだ自分を憎んだって遅い。


煌びやかな世界には影も深く。

これは世界の常識でしょ?



「クレハちゃん指名しちゃおうかなー?」


「えー!もっと一緒にいてくれるの嬉しい!」


はい。電気代ありがとうございます。

そんなもん。


この人は私とエロいことが出来て嬉しい。

私はお金がもらえればそれでいい。


良く出来た世界だよ。

天才だよ。考えた人。



「クレハちゃん何歳?」


私の肩を抱きながら会話をするこの人は30歳ちょいぐらいだろうか?まぁ、若い方か。


「24歳だよ。」


そこはね、嘘つかないよ。


「若いねー!」


「そうかなー?」


私からしたら24歳ってまぁまぁいい年だけど。

でもいい歳だねって言われるよりは気分いい。



ふと思う。

どんな気持ちなのかな?

若い女の子をお金で買うって。


私には一生分かんないんだろうな。



男とくっついたまま会話を続けているとボーイさんが私の前に来る。


あー。この人1時間延長したのに。

かわいそうに。


「クレハさんちょっと。すいません女の子借りますね。」


その意味が私にもきっとこの男にもなんとなく分かってるんだろうな。


「ごめんねー。すぐ戻ってくるからいい子にしててね」


なんて言いながらスッと立ち上がる。

振り返って寂しいフリまでして待機室に戻った私にボーイさんは後半お願いします。とだけ伝える。


私もはいとだけ返事をして香水をつけ直しタブレットを2つ。


深呼吸をして他のお客さんの所へ。

愛想笑いの準備を忘れずに。







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