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ソルトファミリー〜少数精鋭の義賊団〜  作者: radada
白と紅〜赤い衝動を搔き消す白銀〜
5/26

父の真実

アイトーンは父に対して特別な感情を抱いていなかった



あの日目の前で父を殺された時も、父を殺されたというよりも、育ててきてくれた人を殺された気持ちだった



父の教えを守っていたのもそれ以外にやることがなかったから



それなのに



それなのに



(あの人はあなたのこと本当に愛していた、だからこそ、あなたがこの世に産まれると同時に私を使って、この国のすべての自分への記憶と縁を切った、いや斬ったの)



こんなあたいなんかのためにだ



無愛想で、特に感情表現もうまくないあたいなんかのために



『アイトーン、、、』



気付くとフェンちゃんが近くに寄り添ってくれていた



でも、フェンちゃんごめんね



涙が止まらないんだ



あたいは最低だ



父さんはそんなにまでしてあたいを愛してくれたのに



あたいはなにも返せてない



返したくても、もう返せない



「ひぐっ、、、あたいは、、、最低だ」



(はぁ、、、本当あなたってつくづく、、、まぁいいわ、このままだと埒が開かないみたいだし、今日は本当に特別よ?あの人からのたったひとつの伝言を伝えるわね)



父からの伝言は、録音されたものだった



久しぶりに聞く、もうなどと聞けないと思っていた優しい父の声、それだけで涙が止まらない理由には充分だった



そして、まるで父がそばで語りかけてくれるように



眠れなかった時に絵本を読み聞かせてくれたように



父は選びながら迷いながら言葉を紡いでいた



いずれ父にはこうなることがわかっていたんだと思う



だからあの時、ソルティドッグを私に託した



そして、優しい顔のまま、息を引き取ったのだと思う



そんな父からの伝言を聞いてあたいは、、、



「、、、あたい、あたい決めたよ、父さんの自慢の娘として、ソルトファミリーを復活させる!もう二度と私みたいに後悔する人間が出ないように、国だけじゃない、この世界まるごと救ってやる!だからさ、父さんの優しさはさ、しっかりあんたの自慢の娘に伝わってるから!ゆっくり休んでよね」



最後の一粒の涙が言葉とともにソルティドッグに落ちた



優しく光を帯びていた気がした

次回、父の伝言です

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