王都
さーて、設定ガン盛り祭りの始まりですよー
かつての英雄サドソン・ソルトの故郷として名高い国、イロム
そのイロムの中心にあり、権力を誇示するかのようにそびえ立つ塔が目を惹く王都クラヤ
そびえ立つ塔は王城兼監視塔として機能しており、辺りには厳戒な警備網が敷かれている
その塔の頂上、王の間にある金色に輝く玉座には6代目イロム国王である、イブル・ランペはその肥えた腹と蓄えたヒゲを揺らしながら部下からの報告を聞いていた
「貴様、一体何を言っておる!」
「ですから、私は事実を報告したまでであります!!」
その報告内容にイブルは激怒していた
魔の森との呼ばれる特A級の危険地帯
その南西に位置し、イブルにとっては主に裏稼業的な意味で使い勝手のよかったマドリ村が一夜にして壊滅した
現場のあまりの凄惨さに救助活動はおろか、情報収集すらもままならず、中には発狂寸前の隊員もいたらしい
自らが持つ軍隊の不甲斐なさと便利な駒を失った怒りからイブルは激怒していたというわけである
「もういい!貴様の顔なぞ二度と見たくはないわ!わしの前から消え去れ!」
「はっ!失礼します!」
報告をしていた隊員は情報収集部隊の隊長であるが、彼自身もあの状況に耐えきれなくなった一人である
隊長が踵を返し歩いていくのを睨みつけるイブル
完全に姿を消すのを見るとイブルはパチンと指を鳴らす
「、、、」
どこからともなく現れた小柄な黒装束の男
国王と関係を密にする、暗殺団「ムイン」
そのムインのリーダーにして、王お抱えの清掃人である彼の名はリツドウ・キルネ
幼少期のとある事件から声を失ったのだが、その技術は他の追随を許さない
「使えぬ無能に用はない、最後くらい儂の命令通りにしてやろう、いいな?」
キルネは小さく頷くと音も無く姿を消した
「ふぅ、これでいい、邪魔者は排除すべきだ」
とゆうと、王は安心したようにお茶を一口すすると微睡みの中に落ちていった
翌日、先遣部隊の隊長であった男が遺体で見つかった
外傷は無く、血も出ていなかったが、彼の死に顔は悲壮に満ちていたという
検分の結果、毒殺である可能性も消えた
内臓も綺麗なままだったという
生きていてもおかしくない状態であった
鼓膜が破れていたこと以外は特にこれといった異常は無かった
しかし、この事件が明るみに出ることは無い
明るみに出るとき、それは王の失墜を意味するものである
狡猾で陰湿ながらも権力と自己顕示欲のみが表に出ている王に対して、誰も文句は言えなかった
下手なことを言えば彼のように消される
それのみがこの王都のみならず、国すらも支配していた
しかし、悪が栄えた試しはない
もうじきにこの国に一筋の風が吹くだろう
闇をかき消すような白銀の風が
ということで第2章王都騒乱、スタートです




