表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第2章 サウスノール商業都市国
76/77

第9話 会合①

更新遅れてしまい、すみませんlllorz

新学期に入ってから多忙で…書けなかったのです;

多分、慣れてきたので今後更新できる筈です。


まだまだ、前回から募集している"大会"についての募集はしていますので、是非気軽に参加してみて下さい。いつでもお待ちしています><*

《side:劉夜》


俺達は、例の遊び人風の男に半ば脅され、渋々後に着いていった。


…それを考えると焔達は良いタイミングでバイトに行ったよな。


というか璃音…スルーした方が良かったのに何故声をかけたんだ…。


俺の感がコイツに関わると面倒だって言ってるんだけどな…。


だが、目の前の件の人物は、最初の目的は何処吹く風という感じで…澪羽と母さんの間の席についてニヤニヤしてやがる。


…………。



…ぶん殴っても良いか?良いよな?こんな奴だから誰も文句いわんだろ」


「兄さん思考漏れてる!気持ちは分かるけど我慢した方が良いよ…ほら、深呼吸」


「…すーはー、すーはー」



オーケー、俺は冷静だ。ビークールだ。


そうだな。いきなり殴りかかったら幾らなんでも拙いよな…。



「澪羽ちゃんだッけ。ねーねー、どんな食べ物好き?今度俺と食事はどう?」


「遠慮しておきます」


「そんな事言わずにさー。ほら、俺が奢るから」


「遠慮しておきます」


「えー?甘い物好きそうだからケーキでも、と思ったんだぜ?」


「…遠慮しておきます」


「好きなんだな!おし、ス●パラ行かねェ?」



「………ちょっと()ってくる」


「り、璃音落ち着け!早まるなっ!」


「……ッ!そうだね、兄さんありがとう。


 兄さんが止めてくれなかったら、自粛出来ずに澪羽の前で死体の山を築く所だったよ…」



危ない…璃音は俺よりも(色んな意味で)思考回路が上だった様だ。


こんな所に死体置いといたら直ぐばれるだろうからな…一応敵地(?)だし。


ん?でも、死体の"山"って事は殲滅戦か?


それなら問題ないか。ついでにアジト潰せば良いだろうしな。


って、ダメだ俺…璃音と同調しかけてるぞ…。


…というか、ス●パラ知ってるのか。意外だな。



「そういえば、リィアちゃん久しいね。俺とどっかに遊びに行かねェか?」


「嫌よ。私にはひーくんっていう素敵な旦那様がいるんだから」


「えー!?そんな事言うなよー!」



「…黙って見てればボクの妻にまで…」


「止め役やらなきゃと我慢してたんですが…姫様にまで手出すんですかコイツは…」


「お、落ちつ…」


「「ける訳ない」」


「…ですよねー」



眼を吊り上げ、殺気をガンガン飛ばしている二人。


勿論、母さんと澪羽の間にいる男に向けてピンポイントに。


心なしか、父さんの眼が欝すら空いてる様な…気のせいだ、気のせいに決まってる…!


どうしよう…冷汗が凄い。


…そんな重い空気の中、当の本人はどこ吹く風。


涼しげな表情で此方に目を向ける。


俺達の反応に満足したのか、途中、勝ち誇った表情に変えて。


その表情を見た俺達、約一名を除く全員の表情が一瞬で掻き消え、眼は不穏な光を燈す。



((((((やっぱシメよう))))))



俺達の心が一つになった瞬間だった。


コイツマジで許せない。


正直言うと、俺はコイツが母さん達に話しかける事には問題ない。


ニヤニヤしているのも問題ない。


それじゃあ、何処に問題があるのか?


それはな…コイツ、本当はそこまで異性に興味ない筈なんだ。


何で断言出来るかって言うと、アイツの視線にはその類の光が無いからだ。


長年澪羽にくっ付いて来る奴らを璃音と秘密裏に処分してきたが、コイツの目はソレと同じ感じがしない。


となると、こいつはワザとそういう態度を見せ付けてるんだろう。


要するに…俺達のリアクションで楽しんでる。


普段なら璃音達も気づくだろうが、コイツの性格のウザさに冷静な判断が出来なくなってるんだろうな、きっと。


それに気がついててキレかかっている俺も人の事言えないけどな…。



「…ッぷ!ひゃハハハハ!!」



俺達の反応が面白いのか、終に耐え切れなくなったらしい。


笑い過ぎて辛いのか表情を歪め、机をバシバシ叩いている。



「んもー我慢出来ねェよ!お前らの反応面白すぎ!!特に陛下の反応、久しぶりにみたわ!!」



口の端をピクつかせている父さんに指を指しながら涙を浮かばせ、再度噴く。


コイツ、父さんの事を知ってるらしい。


それも"陛下"呼ばわりしているのに馴れ馴れしい態度を取るって事は、帝国で魔王やってた頃の位の高い家臣って所か?


神だったら耳尖ってないだろうからな。


となると、多分エルフじゃないか?エルフ見た事無いけど。


いるかどうか知らないが、獣人がいるぐらいだからいるんじゃないのか?



「やべェ、動画撮ッて投稿するべきか迷──」


「…いっぺん死んで来い」


「う…ッてギャぁァああ!!!?」



直後、男の足元に穴(?)が開いて、消えた。一瞬で。



「…これで五月蝿(うるさ)いのが消えたね。


 奴のせいで説明事項が増えたから、ソレを片付けようか」



「あんな奴と知り合いだったなんて知られたくなかった」と溜息を吐く父さん。


五月蝿(うるさ)いのって…。


確かにアイツはウザイし色々とムカつくけどさ…此処ってアイツのアジトだよな??


家主(?)追い出す権利が俺達にあるのか?


………。


…深く考えない方が身の為なんだろうな、色々と。



「といっても大したモノじゃないのだがね…。まず、さっきのアホの説明でもしておこうかな。


 彼の名はヴァレリー・ローランド…昔からの腐れ縁でね、一緒に働いていたんだ」


「働いていた?」


「うん、帝国でバイトをね」


「帝国…?父さん皇帝やってたって言ってたよね。バイトする暇はあるの?


 …というか、皇帝してたのにバイトする必要あるの?」


「うん?皇帝職はバイト制だよ」


「「「「…はい?」」」」



「何言ってるの?」的な視線を受けた俺達とポチから間の抜けた声が上がる。


正直、こっちが「何言ってるの?」なんだが…!


母さんは元から知っていたらしく、ニコニコと微笑んでいた。


ちょっと待て、何で皇帝職がバイトなんだよ!?


仮にも一国の主なんだからバイトで済ませても良いのか?


場合によっては市民の運命を左右する仕事だと思うけどな…。


それに給料貰えるからって良い仕事とは思えない。


貴族を牽制したり、四六時中書類と格闘したり、命狙われたり…更には最高責任者だしな。


如何考えても色々と荷が重過ぎる。



「ボク、天界ではジーク様達と長様の4人が作った世界の管理をしていたから、ソレに比べたら国主なんて寝ながらでも出来るのだよ。楽勝楽勝」


「…手伝わなかったの?僕達の前世」


「うん。彼らは世界を創るのはカリスマ的だったのだがね、管理するのは苦手だったよ。


 本来、自分の創った世界は自分で管理するのが規則なんだけど、彼らに任せると色々と危険だから、ボクがその役割を引き取ったんだ。彼らも自覚があったのだろうね、内心的には自分の世界ぐらい管理したかっただろうけど、大半の事は素直に任せてくれたよ」



人間は勿論、世界や生態系バランスも管理してたんだよ、と懐かしそうに語る父さん。


…父さんは昔から矢鱈書類を纏めるのが上手かったけど、まさかコレが原因だとは思わなかったな。


というか、何やってるんだよ俺の前世。


いくら管理出来ないとしても4人分の世界を1人に押し付けてるぞ…?


それに"天界の長"は何してるんだ?最高神なのに…。



「あ、いけないいけない。話が脱線してしまった。


 ともかく、ヴァレリーは表向きには帝国の竜騎士団一番隊隊長に就いていたから、良く顔を合わせていたのだよ」


「…表向き?」


「ああ。彼はね、魔神の一人だよ」


「ふーんそうなのか…って、は!?」



エルフじゃなくて魔神なのかよ!?



「天使と対の魔族は蝙蝠の様な翼と尖った耳があって、天神と対の魔神はエルフより短い斜め上に尖る耳を持ってるのだよ」


「そうだぜ?良く見りゃあエルフと同じじゃねェのは分かるはずだからな。


 …俺はあんま見てくれ気にしてねェが、他のには気をつけろよ?無駄にプライド高くてキレる奴もいるからよォ」



そうなのか…今後会うかもしれないから気をつけないとな…って、ちょっと待て。


声のした方に視線を向けるとマンホール大の大きさの黒い穴の側面を、右手だけで器用に攀じ登るヴァレリー。


何か数メートル先が闇色で何にも見えないし、恐ろしく深そうだ。


絶対落ちたらひとたまりもないな。


それに、穴から黒い靄(?)が出ている。…怖っ!



「よッ!さっき紹介を受けたヴァレリーだ。よろしく!」


「…相変わらずボクの亜空間から這い出てくるのは早いね?」


「まぁ、罠抜けと逃走が自慢だからな」



身軽に跳躍して穴から抜け出たヴァレリーは見事な着地をみせる。



「んでも久々だったから、ちーっとばかし骨が折れたわ。疲れたー」



「疲れたー」と言う割には表情が明るいんだけどな?


そのまま伸びをして首をゴキゴキ鳴らしていたが、何か思い出したのか、小さく「あッ」と声を上げるヴァレリー。


今度は何なんだよ…コイツといると矢鱈徒労感に襲われるんだが…。


無駄に周囲の注目を集めたヴァレリーは開口して…



「陛下、そういやぁさぁ…」


「?」


「コレってお宅の?」



さっと前に出されたヴァレリーの左手に注目が集まる。


そのモノを見て全員の思考が固まった。


……あ、そっか。ヴァレリーが右手だけで上ってきたのはコレが理由か。


納得だな。大いに!


そう、そこにあったのは…



「……………」



口から白い何かを出している…ボロ雑巾だった。


ソレを見た俺達は一瞬顔を見合わせ…



「「「「「「違います」」」」」」



全力で即答した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ