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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第7話 改革⑩

《side:璃音》


ジリジリと近づいてくる王妃様と王女様。


僕は目を離さずに後退しながら、思考を巡らせる。


脱出不可、念話不可、助けが来る可能性はゼロにほぼ等しい…。


詰んだ様にしか見えないね…。


………。


いや、考えろ、考えるんだ僕!!


まだ何かあるかもしれない!


そんな焦る僕を余所に近付いてくる。


ふと、彼女達の手が視界に入った。


…そういえば、僕がこっちに閉じ込められる前、彼女達は何処にいたんだろう?


僕が意識を取り戻す時点は此処にいたよね…。


こっちから干渉出来るなら…でも、脱出不可だし、さっき否定された事だよねー…。


…いや、ちょっと待て。


脱出するのは不可能だとして、その逆は?



「鞄よ、来い」



手を前に掲げながら呟くと、鞄が現れた。


重さもちゃんとあり、中身は入っているみたい。


試しに亜空間も使えるかなと思ってやってみると、普通に開いた。


呼んだは良いけれど…邪魔になるから、鞄を亜空間に投げ入れる。


これって、もしかして“僕”が出ていく目的じゃなければ普通に使えるっぽい?


………。


……フフフッ…少しは先が見えてきたよ…!


僕が出て行こうとすると魔法は発動しない。


逆に“出る気”が無ければ何でも使える。


…だったら“誰かを呼び寄せて巻き込んじゃえ作戦”!!


そうすれば一人で戦うより勝機は上がる。


人数が上がれは、戦力はただの足し算で出る訳じゃない。


自分と相手の相性によって足し算にも掛け算にも指数が増えたりもする。


逆を言えば引き算にも割り算にもマイナスにもなるって言う事なんだけど。


RE●ORN!の跳●馬さんなんて良い例だよね。


部下がいれば雲●と渡り合えるのにいなかったらはた迷惑なだけっていう…。


また話が…閑話休題(もどすね)


まぁ、突然呼び出された相手にとっては迷惑極まりないだろうけどね~。


………ゴホンッ!!


…だとして、誰にするかが問題なんだよね。


どうせ呼ぶなら気の合う人の方が勝機が上がるから良いんだけど…


息が合そうなのは…今まで一緒に行動した事がある人かな。


だとしたらサラさん辺りは駄目かな。


彼女達、元騎士や元魔導師は兵士とか相手にしてもらう手筈だし、何より、彼女達の戦い方が分らない。


合わせられる自信はあるけど…一定以上は出来ないと思うし。


無限回路にいた辺りから気配探り出来なくなったから情報としては古いけど…焔や水簾、父さん達は何処にいるか判らない。


澪羽、ヴァル、ポチの三人は、気配が王子様と一緒にいたから…呼べないか。


…ん?


そう考えると一人だけ暇人に心あたりが…。


長年一緒にいるから息合うし、何と言っても…戦闘方法も相性が良い。


よし、道連れしよう!


きっと、愚痴りながら手伝ってくれるだろうし。


魔力を糸状にして魔法陣を組む。


本当は口寄せでやってみたいんだけど、契約なんてしてないしね…。


魔法陣を組み終わり、発動する様に仕上げの魔力を流す。


糸は光り出し、地面に印を刻み込み始めた。


そして…黒い光を放ちだした。


魔法陣から飛び出した黒い光は、魔法陣に覆いかぶさる様に集束し始め…やがて人型になった。



「………」



あ、どうしよう…コレ。


ピクリとも動かないソレを見て僕は…



つんつん



落ちていた杖でつついてみた。



「つつくなぁっ!?」


「…わお」



意識があるのは分っててやったんだけど、流石に耳元で叫ばれたら…鼓膜破れるよ?


鼓膜は強化しようが無いから、敗れたら自動修復するまで、変な風に聞こえるから大変なんだけど…。



「お前がやったんだろうが、璃音っ!!」


「まぁまぁ、落ち着いてよ」


「落ち着けるかぁ!!」



兄さんに怒られちゃったよ。


予想の範囲内だけどね。



「とにかく、僕は例の猪に亜空間に閉じ込められちゃって…。


 この空間、外から一方通行みたいだから、兄さんを道連れに…」


「…良い迷惑だ…」



兄さんは、頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。


ごめんね…でも、1人だとどう足掻いてもきついんだよ。



「はぁ…こうなったらしょうがない。俺も手伝うわ…」



何だかんだ言って、結局は手伝ってくれる兄さん。


優しいよね…。



「都合の良い時だけ褒めるとか…要するに俺は璃音のパシリなだけじゃないか」


「あれ、自覚あったの」


「そりゃあ、長年良い様に使われてたら嫌でも気づくぞ。 …というか今の状況を簡素に教えてくれ」


「王妃様達に拉致られた→薬を盛って捕獲成功→無限回路に閉じ込められる→手に捕まる→猪の亜空間に閉じ込められる→強化された王妃様達と対峙中…って所かな」


「ごめん、全く理解できないし、ツッコミ所多すぎて何処にツッコメば良いか分らない」



…いや、ツッコまなくても良いって。


言ってる僕自身、状況分ってないからね?



「とにかく…できれば殺さずに捕まえれば良いんだな?


 人形と同じく神改造されているみたいだし、手加減は…出来なさそうか」



兄さんは溜息をつきながら手を横に出す。


前使っていた剣とは違うモノが出てきた。


…ん?それってテン・コマンドメンツ?


それってRA●Eのあの剣だよね?



「【封印の剣(ルーン・セイブ)】」



兄さんがそういうと剣の形状が変形した。


確か、それって、様々なものを封印する武器だよね?


…ナイスだよ、兄さん!


それなら切っても怪我しないしね。


それなら僕は…鋼鉄糸を使おうかな。


一応お父さんから習っているし、兄さんの剣の補助をしないといけないからね。


切れ味悪いのを使おう。


僕は創造魔法で糸を作った。



…って、今更だし、どうでも良い事なんだけど…。


僕の前世の名前らしい“シルファリオン”って…確か、音速の剣の別名だよね…?


僕は、頭が痛くなった…。

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