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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第7話 改革①

《side:劉夜》


お披露目会という名のパーティ兼パレード…作戦開始当日になった。


うん?


それまで何をしていたかって?


いや、特に書くべき事が無かったな…。


あえて言うなら、璃音が何か作っていた事と、父さん達はサラさん達と魔法陣で来る事に決まったぐらいだ。



「リュウ兄~はい、これ」


「ありがとな…って、着れるかー!!!」



いやいやいや、これはないだろっ!?


何できつっいショッキングピンクにレースたっぷりな燕尾服だよ!?


しかもおそろいのハットにステッキって…何処の道化師…って道化師すら引く様な服だぞコレ!?


受け取った瞬間余りにも禍々しくて投げた。窓の外に。


何処かで悲鳴が聞こえたが、気のせいだろう。



「璃音…お前の仕業かっ…」



…チッ



舌打ちがモロに聞こえたぞ…。



「…今回は、僕だけじゃなくて、澪羽もだよ。ね~?」


「ね~。リュウ兄のリアクション面白すぎ(笑)」



なっ!? 酷っ!?


…って澪羽がどんどん素を出してきている気がするんだけど…気のせいか?



「気のせいだよ~」



…目が泳いでるぞ。



「まあ、そんな事はおいといて、はい、こっち」



璃音が渡してきたのは今度はちゃんとした服だった。


黒いコートの様なデザインに、金糸で縁取られ、細かい模様が所々に施されているシンプルだけど、豪華さを失ってない。


ズボンも中の白いシャツもおそろいのデザインの様だ。


おお、もっとすごいのが出てきたら拒否ろうかと思ったが、コレならいいな。


自分部屋に行き着替え、戻ってくると璃音も俺と色違いの白いのを着ていた。


…あの映像のもあってかやけに白似合うな…。


茶色の髪と認識阻害で眼が黒であっても、だ。


俺は澪羽にその場のノリで金色のドレスを進めたが、拒否られ、悩んだ挙句淡い水色のドレスにした様だ。


アップにした髪の毛に同色の花の髪留め。


薄っすらとメイクを施した顔。


普段見る事がないドレス姿は家族とかの贔屓やお世辞抜きで綺麗で可愛かった。


隣で璃音が「可愛いすぎる…!ヤバイ、誰にも見せたくない!特に、こ(以下略」と鼻を押さえながら悶絶している…。


…結局隠さない事にしたのかよ。


…まぁ、同感だけど。


お願いだから、鼻血は出すなよ?折角の服が汚れるぞ?


ハンカチを渡しながらとりあえず生暖かい眼差しを送っておいた。



「失礼します、皆さん用意は…」


「3人とも、準備でき…」



ノック音がして、俺が返事をすると、ポチとヴァルが入ってきた。


2人ともちゃんと正装していた。


流石、ヴァルと言うべきか…服に着られてない。


そして、意外な事にポチも慣れている様だった。


ポチって俺達よりも年下っぽいのにすごいな。


…あ、こっちって1年が2倍なんだっけな。


見た目が14、15ぐらいだから初めて見た時新米兵だと思ったが、そうでもないのか…?


まぁ、あの実力で新米兵だったら世界が崩壊するな、確実に。


って、それは今は如何でもいいな。


閑話休題(それはおいとくぞ?)


…あの耳と尻尾は認識阻害で上手く隠し、髪と目の色も変えていた。


パッと見、兄弟みたいだな。


…そして、その2人は俺を見て、璃音を見て、澪羽を見た所で固まった。


そして顔を赤面させる。


それを見逃す俺達じゃなかった。



「あれ、如何したの?顔が赤いよ?」


「熱があるんじゃないか?今日は欠席して休んだ方がいいだろう?そうだろう」


「ほら、2人共他の人に風邪がうつるからね。回れー右、退場します、前進~進め」


「いち、に…え、えっ!?いや、熱なんてありません、ありませんから!」


「そ、そうだ、熱なんて無い。き、きっとアレだ、唐辛子が…」


「そ、そうです!きっとそれですよ!!」



テンパって訳分からない事を言い出した2人。


面白すぎる…!



「…面白いからこのままでも良いけど…早くしないと始まるから、会場まで案内してくれる?」


「「は、はいっ!!」」



…本当に大丈夫か?この2人…。



─☆─★─☆─★─☆─★─☆─★─☆─★─☆─



という訳で、控え室についた。


如何やら、国王はまだ会場にはいないらしい。


が、パーティは午前中までに何とか終わらせたいらしく、王不在のまま始めるそうだ。


…良いのかそれ。


というか、このまま1回も出ずに終わったらチャンス逃すんだが。


その場合…作戦は暗殺に変更するのか?


それなら璃音の得意分野だろうな。


何せ、薬物、毒物はお手の物だし、こっちは学問があまり発達してないみたいだからな。


証拠すら残さずに人を殺すぐらい容易い事だろうな。


…普通に刺殺でも行けそうだけど。


あ、悪い。…そういえば殺さずに生け捕りだった。


いつの間にか思考がブラックに…。



「父上が来るまでは自由だ」

『一応念の為、固まって行動しよう。酒は進められるだろうが程ほどに頼む。酔ったら動けないだろうからな』


「うん、わかったよ」

『いや、大丈夫だよ。さっき、ポケットの中に強力なアルコール中和剤…まぁ、酔わなくなる薬を入れておいたから。飲んでおいて?』


『何時の間にだよ?まぁ、効果は俺が保障するけどな。璃音が作ったヤツだし』


『…便利すぎますよ』



2人に呆れ半分、驚き半分の顔をされ、璃音は苦笑する。



「皆様、会場の準備が整いました。どうぞこちらへ」



メイ…ゲフンゲフン、侍女さんが丁寧にお辞儀をして、控え室の扉を開けた。


ヴァルの後についていき、前に来た事がある扉の前に来た。


如何やら謁見の間で行うらしい。


ヴァルは振り返り、見回す。


頷くと、ヴァルは扉に手をかざし…扉をあけた。


…あれ? 前回の時は4人で精一杯じゃなかったっけ?

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