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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第6話 過去⑧

《side:璃音》


次は僕がナレーターに回るよ。


えっ、もう良いのかって?


…んー、いつまでも凹んでてもしょうがないし、それに八つ当…ゴホンゴホン、ストレス発散出来る所知ってるしね。


それに澪羽が言った事はきっと冗談だよ! だよね? …だといいなぁ…。


って、いけないいけない、また回想に耽ったら戻れなくなる。


というか、水簾はスルーされただけなのにあれだけ凹むとか…長くないかな?



「璃音も充分n」


「…父さん、何か言った?」


「イヤ、空耳デスヨ」



棒読みな気がするけど…まあ良いか。


って、話が進まないから最近多用してるけど閑話休題(またつかうよ?)


ただ今、レーファを庇った兄さ…ゴホンゴホン、ジークフリートが消滅しかけている所。


冷淡過ぎないかって?


…まぁ、人が死ぬ所散々見ているし、何よりこれは過去の映像だから感情入れずに見ているからかもね。


それに、気になる事は沢山あるからそっちに気が回ってるのもある。


例えば…父さんは昔暗殺者で、とあるグループに所属していたらしく、僕達が産まれた時を機に足を洗ったらしいんだけど、裏で有名だったらしく父さんを暗殺しようとしてくる輩が多い。


だから家に襲撃してくる奴から身を守ったり返り討ちにあわせる為、僕と兄さんは父さんと母さんに扱かれた。


そのお陰なのか、父さんは辞めた様で辞めて無い状態になっちゃっている訳なんだけど。


…今思えは、襲撃して来た暗殺者はもしかして天使だったりするんじゃないかと。


羽なんか生えてなかったし、確かめようが無いんだけど…普通に考えれば、人間では有り得ない身体能力していたからね。


今更疑問に思った僕も僕だけど、父さんと母さんがあんなの(・・・・)だからしょうがないと思う。


まあ、“ボクを狙っているのは天使や神です”よりも“昔暗殺者やってて辞めたら所属していた所やその他諸々から狙われちゃった~”の方が信憑性はある。


というか、良い歳して神とか天使とか言ったら…まず頭大丈夫かと思われるしね。


そもそも、母さんが勇者兼皇女で焔と水簾は上位神…父さんもそれ関係だったとしてもおかしくない。


ただの人間が天使と張り合える訳がないし。


これらの事から父さんの正体として考えられるのは…


1.天界人

2.異世界人

3.日本人

4.宇宙人


…ごめん、やっぱ4は無しで…。


自分で言ったのもアレだけど想像したら…有り得ないのが…。


ゴホンっ…まず、3はかなり低いね。


日本に居たら今に至るまでの条件が多過ぎる。


見た目年齢が昔から変わらないという事をクリアするには、まずこちらに召喚されるしかない。


魔力があると長期間18歳で止まり、そこからは普通に歳をとるらしい。


なら、父さんの見た目が二十代半ば辺りに見えるって事は過ぎた事になる。


それは一度こっちに来て魔力が手に入ると戻ったとしてもそのままの様で…父さんは昔から二十代半ばぐらいにしか見えないからおかしい。


写真と見比べてもそうなのだから記憶違いではなさそうだしね…。


それに、2と3は神達に命を狙われる理由が分からない。


これらの事から2と3は消去法で消える。


残るは1なんだけど…これだと、焔達神の存在を知っているし、歳に関しても水簾が言っていた様に産まれた時に決まるらしいから可能性はある。


矛盾も無くなるしね。


…まあ、かなり大まかで大雑把な推測だけど、これらの事から父さんは天界人という推測が可能な訳なんだけど…狙われている理由は焔達と同じなのかな…。


って…考えるのは後回しにしよう。


見てからでも遅くないだろうし。



『………消えて下さい』



そう思ってパソコンの画面に向き直るとレーファは翳した手から光を放った。


光は上空に飛んでいき、雨の様に分散し降り注いだ。



『そう簡単に上手くかない…ですか』



光速で降ってくる…が、2人倒れたけれど、他は急所を外した様で腕とかに刺さる程度だった。


それでも刺さったヶ所は麻痺する様で、腕を押さえていたり脚を引きずっている人もいた。


アレースも例外では無く、左腕に刺さっている。


右手で掴んで一気に引き抜くと、左腕全体を神力だと思われるので包み込んだ。


…なるほど、神力で痺れた腕を無理矢理操作して動かす事にしたみたいだね。


そうしている間にもいつの間にか行動していたシルファリオンが剣を両手に無双しだした。


…うん、宣言通り防御捨ててる。


というか、回避も捨てかけているね。


切り掛かる剣を受け止めようとせず、行動に支障が無い程度のギリギリで交わしている。


その分攻撃が素早い…僕なんかより普通に格上だし流石だねー。


多分、今の彼だと僕と兄さんと澪羽の3人がかりだとしても瞬殺される。


ただでさえミカエルとツァドキエルのどちらか1人でも負けるぐらいなのに…勝てる訳がない。


現に彼らは生き残っているけれど、かなり必死の形相。


僕の実力の無さが浮き彫りになったみたいで、悔しくなってくるぐらいの勢いだった。


…更に6人ほど倒れた所で、タルタロスが行動に出た。



『…ラスボスさんのお出ましかい?』



彼は駆け出すと同時に姿が掻き消えた。


シルファリオンはそれを見ると目を綴じる。


数秒綴じていたけれど目を開け、駆け出した。



キイィィィインッ…



『防御はしないと言っていたはずだが?』


『つい反射的に、ね』



レーファの胸辺り目掛けて振り下ろされた変わった形状の大斧を剣をクロスさせて受け止めていた。


レーファは気がつかなかった様で、驚愕の表情だったけれど、すぐに邪魔になると判断したのか遠くに離れ、他の奴らに向かって攻撃を始めた。


タルタロスが余裕そうにニヤリとしているのに対し、シルファリオンはかなり切羽詰まっている様子だった。


シルファリオンが劣勢気味で暫く拮抗していたけど、表情を変え、後にバックステップを踏む。


彼が居た位置に大斧が突き刺さった。


それだけでは飽き足らず、地面に八方の亀裂が走った。


その規模が尋常じゃなく、僅かばかり残っていた木々が総て地割れに吸い込まれて行った程。


…怖っ。



『…流石に感は働くな』


『年齢天界3位だし、伊達に長生きしてないよ…先輩をもう少し敬いなさい』



シルファリオンはえっへんと腰に手を当てようと腕を動かそうとして目を軽く見開くいた。


どうしたのかと思っていると腰痛かな…と言いながら額から流れる汗を拭い、引き攣った笑みを浮かべながら腰に手を当てるのではなく、押さえるという何とも歳より臭い行動をとった。


僕は思わず画面から顔を背けた。


……やっぱり似てないと思いたい…。

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