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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第6話 過去⑦

《side:焔》


本来ならリオンなのじゃが、今だに死んでおるのでポチに引き続きわらわが代理をする事になったのじゃ!


ん? 病み上がりだし、ポチにそのままやらせれば良いんじゃ…?じゃと?


ポチは慣れない解説で死んだんじゃと。


「…どーせ僕なんて(ry」と言いながらわらわに渡し、2人とは別の隅の壁に頭と左手をつけて反省(?)の様なポーズをしておる。


時々「呪ってやる…」って聞こえるのじゃが、怖いのぅ…誰に対してかの?


…話が進まないので閑話休題(むしするぞ?)



「…タルタロス」


「へ? タルタルソース?」


「違うっ! あの灰色男はタルタロスといって、地獄を支配している神じゃ」


「要するに閻魔って事か?」


「似たようなものかの」


「えーっと、閻魔さんは長さんの“人間を見守る”っていう考えが気に食わなくて、“人間を消す”考えの神や天使達を集め、戦争してやるーって所?」


「そうじゃの」


「で、総攻撃(?)と見せ掛けて弱いのを特攻させて、実は死んだ奴の神力を吸収してパワーアップしちゃおう!ってやつか」


「そうじゃ」


「…で、何でホムラとスイレン…黒外套は捕まってるんだ?」


「それはな…さっき、御主等が推理した様に、油断させる為じゃよ」



……まぁ…見ていれば判るしな。


ここから先はわらわの記憶を織り交ぜるかの?


映像だけでは状況が判らなくなりそうじゃしな。



『…ふっ』



タルタルソ…タルタロスは、神力の固まりを上空に打ち上げて、四散させた。


それによって、奴の総量は3人よりもやや多い程度になった。


ジーク達はその行動の意図が判らず眉を潜めておる。



「何であいつは態々神力四散したんだ? それによるメリットが分からないし、そのまま殴り込んだ方が良くないか?」



劉夜はどうやらジークと同じ疑問を感じた様じゃな。


…この時の行動の意図に早めに気が付いておれば、今みたいな事には…。


って、いかん。


自己嫌悪スパイラルに巻き込まれる所じゃった。


とにかく、タルタロスはニヤリと笑い、攻撃を始めおった。


今度は(わらわ達3人を除く)全員が攻撃を仕掛ける。


ジーク達はあちこちからふってくる斬撃やらをかわしながら反撃しだした。


相変わらず、ジークは無表情、シルファは黒い笑み、レーファはにこにこなのじゃが先程と違う点……ぱっと見気付かんが、若干顔が引き攣り冷汗が出ているという事じゃ。


本当に気付かないほど些細な変化じゃが…わらわはこの時以外こんな表情見た事が無いんじゃよ。



『…流石にこの人数相手+格上約1名はキツイ…』


『ですね…きゃぁっ!!』


『…! レーファっ!!』



レーファが次の行動を起こそうとした瞬間足元に鞭が走り、上からの攻撃ばかりに気をとられていた様でバランスが崩れたのじゃ。


これを機とばかりにレーファに攻撃が仕掛けられそうになるのを間一髪でジークが割り込み受け止める………が。



『横が空いていますよ?』



グサッッ!!!



『…っ…かはっ!』


『…お兄様っ!!』



武器を受け止めたほんの刹那の間に、アレースがジークから見て後方左下から斜め上に剣を貫いた。


刺した武器を引き抜くと後に跳躍し、見せ付けるかのように血を払う。


ジークは口から血を流しておる。


身体に力が入らない様で片膝をついた。


傷口に手を当て、治癒を施そうとするのじゃが…



「成る程…そう…いう事…か………」



ジークは苦しそうに顔を歪め、手を降ろした。



「……“そういう事”?」


「ジークが言った“そういう事”と言うのは、水晶を媒体に吸収した神力は原理はわからんが、“神殺し”の能力を持つ様になるのじゃよ。


 それを一部四散させて、その場に残っている全員に“神殺し”を持たせたようなのじゃ。


 ジーク達のは“人や生物と同様の弱点を突くと殺せる”という“神殺し”なんじゃよ」


「道理で首とか心臓狙ってたのか」


「じゃあ、何で私そっくりさんはあんな大規模魔法(神力ver.)ばかり…」


「あれでも殺せるぞ? 要するに頭、首、心臓等、無いと困る様な所を消せば良いのじゃよ」


「…ある意味、武器よりもグロそうだな…」


「…まぁ、それは置いておいて…焔ちゃん、閻魔さん達はどういうのなの?」


「そ、そうじゃな…タルタロス達のは言わば“回復不可能効果付きの猛毒”って言えば良いかの?」


「…なるほどね~」


「あれ、璃音戻って来れたのか」


「まあねー、開き直ったよ」



…璃音…物凄く爽やかな微笑みをしておる…何か怖いのぅ…。


まぁ、ともかく、話を進めるぞ?


ジークは片膝を付く事すら辛くなった様で、崩れた。


あまりのショックに放心状態だったレーファが治癒を施そうと駆け寄る。


シルファも駆け寄り、2人を守る為に近付いて来た奴を蹴散らす。


治癒をしようと先程言った様に治癒不可能じゃから…。



『何で………嫌っ…』


『っ…!』



何度も傷を塞ごうとするが、一向に効果が現れる事は無かったのじゃ…。


レーファの目から涙が溢れ、止まらない。


更に神力を注いで治そうと手を伸ばしたのをジークは手を掴んで止めた。



『………レーファ…もう…良い』


『いや…喋っちゃダメ!』


『俺は…助…からな、い…』


『嘘っ…』


『…緩効…性だ…気を、つけ…ろ…掠った…だけでも…死ぬ…』


『………天界専用の“猛毒”…って事かい』


『そ、うだ……だから…逃げ、ろ』



ジークの目から光が徐々に失われていっておる…視点があっとらん。


シルファはジークの言葉を聞くと敵を殺すのではなく、遠くに飛ばし、振り返ると、首を振り否と答えた。



『逃げようと扉開いている間に攻撃されて、どの道死ぬのは決定だよ。


 …僕達には“転生”が有るからまた逢えるし死ぬ事は正直どうでも良いね。 離れる事が堪えるけど…。


 …どうせバットエンドになるなら出来るだけ敵を蹴散らせておきたい』


『…そう…か………』



ジークは更に何かを言おうと言葉を紡ぎかけたのじゃが…声にはならず………最期まで聞き取る事が出来なかった。



『…………お兄様っ…!』


『……兄さん…』



シルファは悲しそうに微笑むと徐々に体温が失われつつあるジークの身体にそっと触れ、神力を注いだのじゃ。


ジークの身体は光となって…消散した。



「……リュウ兄ソックリさんが……っ!!」


「ここまで似てると…気味悪いな…」(ボソッ)


「…何か後半、僕似の人…良い人になってない? 前半のアレは何??」


「さ…さあな…」


「………御主等が喋るとシリアスムードぶっ壊れじゃな」


「全く…“シリアス? なにそれ美味しいの?”状態ね」


「ボク達は見てて哀感してるっていうのに…」



全く、困った息子達だ…と苦笑しておる聖は悲しそうな表情の中に安堵感が見えた。



『…………さて、覚悟は良いかい…? どうせ死ぬんだし、好きなだけ暴れさせてもらうよ?』



シルファは振り返り再度黒い笑みを浮かべた。



『…その変わり総てを攻撃に回して………道連れにしてやります』



レーファはすくっと立ち上がると…手を前に翳したのじゃ…。

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