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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第6話 過去③

《side:劉夜》


「…嘘だろ…?」



何で過去の記憶に俺達が居るんだ?


…しかも、俺(?)は肌以外全身真っ黒で長髪、前髪で左目が隠れてる。


璃音(?)は同じく肌以外全身真っ白で後ろの1房のみを長く伸ばして纏めてある。


澪羽(?)は肌以外全身金色で纏めてあり、編みこみでくくっていた。


…ってどんなんだよ…髪の毛とか目とか色違うし…。


そんな彼ら(?)は傷1つ無い磨き抜かれた木製の机を囲む様に白い革張りの椅子に座っていた。


如何やら宮殿の様な場所に居るらしい。


調度品が見えるが、どれもシンプルなのにかえって神秘的な品が感じられた。


そんな場所に居る所為か、3人の後ろには何処と無く高貴な…


いやいやいや、意味が分からんし。


俺にそんなもの無いから! …2人はまぁ、ある気がするけれど。


…ともかく、顔は俺達だが、別人の様な気配を纏った人が映っていた。


視界が地面に近づき、地に膝をついた。


ああ…(アレース)が膝を折ったのか。



『お久しぶりでございます。 …ジークフリート様、シルファリオン様、レーファ様』


『良く戻ったな、アレース』



…えーっと誰ですか?それ…


はははっ、最近登場人物が多くて困ってるんだよな~覚え切れなくて…



「…名前…捻ってはあるけれど僕達のと似て…」


「無いからな、璃音っ!!」



そうだったら困るっ!


少なくとも“劉夜”と“ジークフリート”とか全く接点無いだろ!!


むしろ俺が殺されてるよ、“リュウ”だけに!!


でも…顔似てるよな、やっぱり……はぁ…。


…世界には3人似た顔の人がいると言うけれど…3人固まってることは有り得ないよなぁ…。



『それで…どうだったんだい、“オリファス”は?』


『何者かが瘴気を放った様で、人の心が闇に蝕まれ、染まりつつあります。


 このままでは…何れ“オリファス”の世界自体が消滅しかねません』


『そうか…』



瘴気というのは璃音曰く、魔法を使うには2種類の魔力があり、生物の中にあるものと空中に漂っているものがある。


魔力は使うと循環できる為、新しくきれいな魔力になるらしい。


逆に使わないとその場に留まってしまうので水が腐ったりする様に魔力自体に毒の様な効果が付加され、生物にとって猛毒で、瘴気と呼ばれる様だ。


“オリファス”っていうのは聞く限りだと、どうやら何処かの世界名の可能性が高そうだな…。



『“オリファス”は消滅してしまうのですか? …少しでも阻止できるのならしたいですわ、お兄様』


『そうだね、僕等が創造したといっても命が関っているしね』


『…父上に報告しておいた方が良さそうだ』


『ではフェルを呼んでおきますわ』


『ありがとう、レーファ』



…うん、澪羽(?)(レーファ)が見た目も仕草も優雅だな。


将来あんな風になるのかな…?



『…アレース、1つ問良いか』



俺(?)(ジークフリート)は微笑しながら此方を向いた。


ん?…目が笑っていない…?



これ(・・)はどういう事だ?』



パチンっと指を鳴らすと…空間がぐにゃりと曲がり…



『…やはり気付かれましたか…』


「「「「「……!?」」」」」


「「「「………」」」」



さっきまでの白い空間は消え、緑が生い茂る森の中に変化した。


3人は白い椅子の変わりに、切り株の上に座っていた…。


周りは神と上級天使が囲んでいた。


良く見るとミカエルやツァドキエルもいる。



『幻覚ねぇ……今回の奴も、君達の仕業でしょ?』


『過激派…やはり貴様等が…』


『何故貴方達は消滅させずに済む可能性は有るというのに其方を選択しないのです?』



3人は大して驚きもせず冷静に問い、ゆっくりと立ち上がった。



『人間なんて物は何度チャンスを与えても無視し続け何時まで経っても争いばかり。


 …もう、絶望しました…。 醜い生き物なんですよ…1度滅ぼした方が良いんです』


『ひゃはっっ!! 世界ごとぶっ壊しちまえ!! きっとスッキリするぜぇ~?』


『世界なんて幾らでも創り直せるじゃない?』



(アレース)の後に続いて隣に居た赤い短髪の男と褐色肌の女が返した。


明らかに約1名頭の残念そうなのがいるし…。



『で、貴方達は私達を囲んで如何するつもりなのです?』



澪羽(?)(レーファ)が辺りを見回しながら再度問いかける。


その表情は…無表情で偶に小首を傾げていたが…映像を見ているだけなのに冷や汗が出そうな殺気を感じた。


…澪羽は絶対あんな表情はしないだろうな…黒いけど。



『…貴様等が俺達に勝てると思うか?』


『いや、普通なら勝てんじゃろうな…だが、之は如何かね?』



そう言った老人の後ろから出てきたのは…。



「仲良かった友達を操って戦わせる…うん、ある意味王道パターンだね。兄さん」


「いや、そうなんだが…この時点で知り合いなのか? 俺達のソックリさん」


「あ…認めたんだ、リュウ兄」


「…むー」


「兄さんきもい」


「……」lllorz


「…知り合いではあるッスね~」


「…まぁ、“育て親”じゃしの?」


「「「「「は!?」」」」」



きもいのは自覚していたが…言われて凹んだよ…。


じゃなくて、知り合い通り越して“育て親”だとっ!?


“育て親”って事は焔達が幼い時って事だろ!?


焔は10万歳って言ってたし、水簾は弟だから良いとして…何歳からだ…?


…って、軽い現実逃避してる場合じゃないな…最近多いけど…閑話休題(はなしをもどすな?)



『『『…!』』』



不敵に顔を歪めた爺さんの後ろから出てきたのは虚ろな目をした焔と水簾と…黒い外套を羽織ったフード男だった。

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