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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第6話 過去②

《side:璃音》


早速探ってみよう!


…ん、どうやるのかって?


これを使うんだよ。



「え、パソコン…? …と何それ」


「魔導球だよ」


「…何に使うんだよソレ」



もの凄く怪訝な顔をされた。



「…いや、簡単に言うと人の脳内をハッキングもどきをするんだよ」


「「青狸?」」


「プライバシーの欠片も無いな」


「お母さん、そんな失礼な事して良いといってないわよ…?」



別に僕はそこまで便利じゃないと思うんだけど…。


それに、母さんの悪ノリ酷い…。


と、とりあえず、この2つを使って準備をする。


魔導球とパソコンを接続させる。


パソコンはちょっと改造を施していて、空気中の静電気や、光を集めて起動するようにしたから普通に動く。


変換効率も良いし、パソコンを媒体に電化製品なら何でも使える様になってるよ。


…まあ、それは置いといて、パソコンを立ち上げる。



「魔導球はちょっと改造がしてあって、澪羽が触れると、その人の脳内が遠隔で覗ける様になってるんだよ。


 あまりにも情報量が多いと澪羽に負担が掛かるから、僕がパソコンでサポートするし。


 焔と水簾と海藻(アホ)、父さんや母さんから少々データを取ったから、神や天使、規格外すら気がつけない様にしてあるから安心してね?」


「璃音…それ神すら超えてないか…?」


「…幾ら創造魔法持ちだとしても、神=魔王>>>天使=魔族>>│越えられない壁│>>人間だった筈なのじゃが…」


「そうねぇ…私、そんな子になる様に育てた記憶無いのだけど…」


「…リカ、璃音が幼稚園の時以降の誕生日プレゼントは全て学問に関する典籍(てんじゃく)にしたからじゃないかい…?」



うん、そうだね、あれは未だに持ってるよ。


一応全部頭に入っているつもりだけど、たまに読み返すのも楽しいしね。


それを誕生日にくれるのは嬉しいんだけど、僕の部屋の1つが市営図書館並の書斎になってるのはどうかと思うよ…。


まぁ、それをきっかけに僕は科学とか雑学にのめり込んだんだけどね。



「じゃ、触れてみて?」



…というか中々先に進まない為、そう言って促すと、澪羽は目を綴じてそっと魔導球に触れた。


ほんのり発光し、繋がれたパソコンに映像が浮かび上がる。



「北側の窓沿いの…あ、行き過ぎた。 戻って…そこだね」



始めは上空から城を見下ろしているような視界が広がっていたけど、下降して、目的の部屋までたどり着いた。


部屋の中に、父さんの言った通りの老けが…ゴホンゴホンッ、宰相がいた。



「…よし、澪羽、彼に意識を向けて…」


「…うん」



澪羽が意識を向けた瞬間パソコンの画面が映像で埋め尽くされる。


瞬時に必要な映像を選択しながら、それ以外のご飯食べているやつ等どうでも良いのは消す。


本当はもうちょっとハイスペックなのを使えば処理しなくても良いかもしれないんだけど、何せ人間の一生分の記憶でさえ覚えてないのまで出てくる訳だし、こちらの人は寿命が長いどころか、相手は人間じゃない可能性が高い。


創造魔法って言っても万能って訳じゃないみたいで、物は作れても、原理を知らないと出来ない。


だから、ゲームに出てくる魔法だったり、杖や刀は材料が少ないし、効果を付け足すだけだから簡単に出来るけれど、複雑な物を作る時は膨大な知識が必要になる。


つまり、此方にある様な物は簡単だけど、様々な化学が進歩しているあっちの物は作りにくいという事だね。


ある程度なら参考書とか読んでいるから作れるけど。


時間があったらスペック上げれるんだけど、動力確保しないと動かない訳で、まだそこまで手が回らなかっただけなんだけど…。


何処と無く某錬金術的なイメージが近いかもしれないね。


あ、反れた…閑話休題(はなしをもどすね)


だから、相手は人間じゃない可能性がある訳でそのまま取り込んでいると許容量越えでパソコンが壊れて、澪羽に全部負担が回っちゃうんだよね…。


普通の人でもこっちだと約200年分の記憶だからメモリー量が半端ないのに、老け…あ、もう訂正しなくても良いや、老け顔さんの記憶は2倍どころじゃなかった。



「最後…」


「…疲れた~」



長時間掛かり、一部の人が睡魔で寝ちゃった頃…やっと終わった。


始終気がついた気配がなさそうだったし、多分成功なのかな?


いつの間にか、使用人の人が来ていたらしく暖かい紅茶がテーブルの上に置かれていた。


失礼かもしれないけれど、念の為に紅茶や陶器まで毒や呪の類が掛かってないか調べる。


問題は無かったので人数分注ぎ、全員を起こす為に…。



『起きて~終わったよ~!?』



澪羽を除いた全員に大音量(?)で念話で叫んだ。


普通に叫んだら変人扱い受けそうだしね。


皆飛び起きて耳を押さえた。


…いや、耳押さえても念話だから意味が無いんだけど…!!


ヤバイ、お腹痛い…!


お、ヴァルの顔が…!


これは撮っておかないと…!


…よし、バッチリ撮れた…フフッ、後で兄さんとからかおうかな?(笑)


…ん?僕は眠くないのかって?


前に1週間寝ずに1日1食で研究していた事があるから全然平気だよ。


皆が起きた頃、必要そうな部分のみ残した映像を再生させる。



「うん…こいつ黒だね。 しかも神と来た」


「父さんの、当たってるな…こうなるとヴァルの父さんが全てでは無いだろうな。まぁ今までの事があるけど」


「だな…」



国民の意志を背いて利益ばかり望んだ訳だから確かに今までやった事が決して赦される訳ではない。


…操られたといっても自分の母親を殺した本人だから殺し…ゴホン、複雑そう(・・・・)だけど。



「所で、こいつの真名は…?」


「アレース、ッスね…」


「アレース…ねぇ…。 あのギリシア神話の戦の神だっけ…?」


「あっちではそう呼ばれておる。“城壁の破壊者(とっしんバカ)”とも呼ばれておるがな」


「…さいですか」


「猪かよ…」



…うん、猪だね。


如何考えても猪だね。


突進大好きな様だしね…。



「…こ…これはっ…!」



暫く流しながら見ていたんだけど…


記憶の一つを見た時、衝撃が走った。



「な…何で…?」


「………!!」


「…えっ…」



今見ているのは老け顔(アレース)記憶(・・)を見ている筈…なのに…。



「兄さんと澪羽と…僕……?」



そこには、過去には有り得ない(・・・・・)映像が映し出されていた…。

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