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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第5話 誘拐⑤



《side:水簾》


数日前、姉さんからケータイにメールが届きました。


“聖さん達の御子族様を助けてやってほしい”という内容だったんッスよ。


聖さんには昔からお世話になってるし、用事が終わり次第直ぐに向かったんです。


と言ってもこちらの世界にある離れた所の大陸だったんで、渡ってはいないんッスけど。


4大陸に住んでる人は4大陸が全てと思っている人が多いんッスけど、普通に他にもあるんッスよね~。


移動手段は飛竜や移転魔法、船と中世よりは多い気がするんッスけど、何故か知られていないという…。


とりあえず、竜に変身して飛んだんッスけど…何であんな理不尽な目に!?


顔は腫れるわタンコブできるわで…姉さんに笑われてしまうッスよ!!


…まぁいつものことなんッスけど…はぁ…。


如何やらリカさんの方向音痴スキルが発動してしまったらしく、間逆方向に進んでしまったらしいッス。


なのでついでに彼らを乗せました。


…確かに彼らの息子さん達を助けに行きたいっていう理由は勿論なんッスけど…。


今回仕事って言っても独自に上にばれない様に他大陸調べてたんッスよ。


そしたらウェスタリアに理由は不明だけど天使が集まっているって事が分かったんッス。


と言うかそもそもあの国は別に調べなくても存在自体が怪しいですし(笑)


姉さんは何かある毎に俺を呼んで一緒に来いと言うんッスけど、普段は姉さんだけで別に済む事は断っているんッスよ。


だけど今回は俺が行くって言った為、姉さんも何か察してるのかもしれないッスね。


…というか聖さん達ツァドに襲われてたんすから薄々感づいているのかもしれないッス。


だから…



『…僕が向かうのは、姉さんに言われたっていうのもありますが…ウェスタリアに一部の奴等が集まってるらしいんスよ…』



そう言ったら、聖さんとリカさんは真剣に考え出しちゃって…重くなった空気戻すのに疲れましたよ。(汗)


それから喋っていると璃音さんから念話が入ったらしく、澪羽さんが拉致られたらしいッス…。


十中八九天使の仕業ッスね。


だって、姉さんがいるのに対処できないとか、かなりの上級天使しかあり得ないですし。



『…後1時間程度で着きそうッス』


「…本当か?」


「大丈夫だと良いけど…」



二人とも心配そうな表情ッス…。


俺は少しでも早く着ける様にスピードを上げ、急ぎました。


俺も無事でいますようにと祈りながら。(←神だろと突っ込んじゃだめッスよ!?)



―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―



《side:ジェイル》


「うわー土砂降りだよ、嫌だなぁ…」


「外出ないから良いじゃないですか?」


「いや、後で外出るし、別に濡れるのは良いんだよね~。


 俺ストレートなんだけど、猫っ毛でさぁ、湿度天敵なんだよねぇ~」


「なるほど~私もです」



彼女は俺の煎れた紅茶を飲んでいる。


やっぱり可愛い子が飲んでいる方が絵になるねぇ。


…あ、やっべ。


髪の毛はねてきた。


湿度高いとワックス無いとまとまらないんだよね…。


困ったなぁ…ポケットと亜空間繋がってるんだけど漁っても無いし…ま、いっか~どうせ動くから汗かくしね~♪


俺も紅茶を飲もうとポットに手を伸ばそうとした。



「…おっ?」



遠くでターゲットの魔力を感知した。


俺は腕輪とネックレスに付いている探索魔法に気が付いていたけど、あえて壊さなかった。


半分気まぐれなんだけど。


まだ慣れていないのか、気配消しは完璧なのに、魔力は若干漏れていたよ。


…まぁ、3日で此処までなら大したもんだねぇ。


思わず顔がニヤけた所を思いっ切り彼女に見られ、変な物を見る様な目をされ…凹んだ。


…嫌われたかなぁ?


自分にそんな訳無いと励ます。



「…あー、じゃそろそろ来そうだから行くね? 後、此処から出られないから~」


「そんな事…お兄ちゃん達が勝ちますから大丈夫です」



俺が出て行こうと思い無駄な事をしないように釘を刺すと、彼女はそう言ってニコッと笑った。


相当信頼しているらしい。


…やばい、何か俺…彼等をコテンパンにしたくなってきちゃった♡


多分残酷な表情をしているだろう顔を彼女に見せない様に扉に向かい、廊下に出た。



「ククッ…さあ、俺を楽しませてくれよ…?」



誰もいない廊下で(ノリで)そう呟くと俺は移転した。



―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―



《side:澪羽》


あーあ、行っちゃった。


大丈夫かな?ジェイルさん。


彼、気がついていないらしいけれど、暴力的な程強い魔力の持ち主が3人近づいて着てるんだよね~。


勿論お兄ちゃん達とは別で。


何で気が付いたかって?


実はこの腕輪、私の感知能力効果範囲上昇が掛かっているらしくって、遠くまで分かるんだ~。


意識しないと使えないからジェイルさんに捕まった時は使えなかったんだよね…。


要するに、感が的中していたって事だよ。


結界張られていてとても破れそうに無いけれど、別に魔法を制限されている訳じゃない。


…うん、暇だし…


私は目の前にスクリーンを創造し、机の上に鞄を召喚し、リュウ兄が前作ってくれて鞄に保存しておいたクッキーを取り出す。


スクリーンにはジェイルさんの後頭部が映っていた(笑)


と言っても禿げてないし、何にも面白くないよ?


別にザビエルさんだったら面白かったのにとか思ってないから。


彼見た目20台前半だからねー。


このスクリーン、視点切り替え可能で音声付だから臨場感たっぷり…って今はどーでも良いよね。


それは置いといて…Let’s 傍観っ!!

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