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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第2話 能力⑥

《side:璃音》


いつの間にかあっという間にお昼近くになっていた。


お腹も空いてきたし、ご飯にしようという事でピアスでポチを呼んだよ。


ポチは無事移行書類を提出し、ヴァルの側近になれたらしい。


…宣言通りヴァルの人形(分身?)に書類半分…普通にやると時間にして5時間をハイスピードで午前中ずっとやらされていたとか…


遠い目をしながら「移動するんじゃなかった…」と1人で真っ白になっていたよ(笑)


で、兄さんが持ってきた昼ご飯を食べる事にしたんだけど…



「「「何故重箱?」」」


「?」


「「…ジュウバコ??」」



…兄さんは重箱を鞄から出した。


普通、弁当として重箱持ってくる人いるのかな…?


というかやっぱりその鞄、質量無視してない?


カパッと開けてみると、色鮮やかな和風料理が並んでいた。



「ああ、重箱って言うのはこの箱の事。 箱が4段なのは春、夏、秋、冬をそれぞれ表してるんだよ」


「なるほど」


「そうなんですか?


外で食べる時は必ず現地で作りますから、箱に食事を入れるなんて考えた事無かったです」


「そっか~、それにしても材料よく揃ったね」


「いや、厨房には豊富にあったぞ?あれだけあれば和洋中何でも作れる」



料理長達にいくら概念が無かったとはいえ、不味いと思うのなら料理研究しろよっ!?と突っ込みたくなった僕は悪くないと思う!


箸が無かった様でフォークを使い、全員で重箱を囲んで食べる。


和食なのに違和感感じるな…よし、今度箸作ろう。



「…! 美味しい…!!」


「ん! これはっ…!?」



恐る恐る1口食べた後形相を変え、ヴァルとポチは争う様にぱくつきだした。


弁当(重箱だけど)なので、冷えても美味しい料理ばかり入っている。


一度兄さんや母さんの料理食べると他の物が食べれなくなるぐらい美味しい。


一部の人達には歩く台所(キッチン)(笑)という名で畏れられてたり、崇められていたりとか…


僕からしたら妬ましい限りだけどね…。


だって、僕が料理を作ると必ず黒k(以下略)



「これは何ですか?」


「それは沢庵だ。 寿司があるから本当はガリ入れたかったんだけどな…無かったから沢庵添えてみた」


「リュウ兄、よく沢庵作ったね?」


「いや、俺の鞄の中に。 他にも梅干、岩海苔、シーチキン、マカロニその他諸々が入ってるぞ?」



…鞄の中に何で入ってるの?


色々突っ込み処が…腐ってないよね?


賞味期限は切れてなかったらしく、普通に美味しかった。


全ての箱が空っぽになり片付け始める。


ヴァルとポチはまだ足りなかったのか名残惜しそうに(?)兄さんの鞄に収納されていく重箱を見つめていたよ(笑)



「さて、午後は何するのじゃ?」



「お腹いっぱいじゃ~」と満足そうにお腹をさすりながら焔が言った。



「確かに、どうしよう? …練習すると余計危険な気がするんだけど」


「…確かに」


「へ? 何で危険なんですか?」



ポチは現場を見てないからね~…


アレ、と山があった(・・・)場所に全員で指を差す。



「え?何にも無いじゃないですか。 あれっ?でも確かあそこにはやm…って、えぇぇぇっ!?」



始めは何言ってるのと笑っていたポチだったけど、言ってる途中から気がついたらしく顔を青ざめて絶叫した。



「……冗談ですよね?」


「いや、マジ」


「兄さんの操作ミスでね~」


「…通りで爆音と共に軽い地震が…」



ポチが頭を抱えてしゃがみ込んでしまったよ。


澪羽と焔が尻尾とかさwゴホンっ、慰めに行った…僕も行きたいな…。


…どうやら、あの山は岩山だった様で生物は住んでなかったらしいね。


国王辺りに何か言われるかなと思ったんだけど、そんな心配しなくても良かった。


本人どころか城内の人まで全く気がついてないらしいし。


…本当にやばいんじゃないの、この国…。



「…まあ、アレだけ破壊力があれば私が教える事はなさそうだから、午後は城下町あたりにでもいかないか?」


「あ、それ良いな!」


「うん! お買い物したい!!」


「わらわも~」


「それ、良いですね」


「お金とかどうするの?」


「私が出すから大丈夫だ」



上から順番にヴァル、劉夜、澪羽、焔、ポチ、僕、ヴァル。


反対意見はないし、お金はヴァルが出してくれるとか…


何買おうかな?


あ、今あの薬のスタックが少なくなってきてるから作りたいなー。


薬作る時に魔力とか込めると強力なモノとか出来るのかな?


あ、何か物凄く楽しm…ゴホンっ、また話が逸れたね…



『というのもあるんだが、合わせたい人達が居るんだ。 帰りに寄っても良いか?』


『…なるほどね、良いよ』



全員何に関係する人達か分かり、頷いて肯定する。


あんなマヌケ王様に気づかれたりする訳無いのだけど、この話題は一応念話で話した方が良いだろうしね。



「じゃあ、一旦戻ろう。


 あ、多分僕達は目の色を変えれば良いとして…ヴァルとポチは服変えてきて。 部屋で待ってるから」


「ああ」


「分かりました!」


「わらわは鳥になっていれば良いのじゃな?」


「うん、そうだね」



ポチは騎士の標準服で目立つし、ヴァルはいくら控えめだとしても貴族服だからね。


僕達の服装は多分このままでも大丈夫そうだし、目の色を変えるって言ってもコンタクト外すだけなんだけど(笑)



という訳で、僕達は城内に戻ったんだけど…



「…やっと見つけたましたよ、●●●●●様」



その城内から此方をを見ている人が居たなんて…



「さて、これから…どうなるんでしょうかね?」



僕達は後にとんでもない事に巻き込まれていくのに…この時点ではまだ気がつかなかった。

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