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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第2話 能力⑤

《side:劉夜》


「うわぁ…! ここ、ピクニックに最適そう!」



澪羽は感嘆の声を上げている。


早速裏の草原に着たんだが、澪羽の言う通り、ピクニックが出来そうだった。


若草色の芝生がびっしり生えていて何処かの公園の様だった。


広さも想像以上で東京ドームが何個も入りそうなぐらい広い。


天気も晴天で暑くも寒くも無く、運動するには絶好日和。



「ってか、ヴァル…此処に居ても良いのか?」


「先程ポチに移行書類を持たせて行かせただろう? これからは半分ほどやってもらう予定だ。


それに魔法具に私の記憶を移した人形に重要ではない書類を頼んであるから、2時間もあれば終わる量だろうな」



…魔法便利だな。


というか鬼畜だな、おい…



「それは置いておいて、魔法について教える」



ヴァルが手を軽く伸ばし、ぶつぶつと唱えた。


手に光が終結し、ボウッと15センチほどの火の玉が出来る。



「魔法を行使する方法は幾つかある。


 今、私がした様に詠唱するのが最も一般的な方法だ。


 他にも魔方陣を魔力を込めながら地面に刻んだりする方法など、人それぞれ方法が存在する。


 また、少数しかいないのだが、詠唱破棄で発動させる者もいる。


 生まれつき出来る者や長年に渡って魔法を熟知した者は低クラスなら使えるだろう。


 この世界では、全ての人が魔力を持っているが個人差があり、当然魔力量が少ない者もいる。


 そういった者達は魔力を込めて呪文や魔方陣が書かれた呪符や魔道書、武器などに微量の魔力を込めて事前に書かれた魔法を発動させる。


 これらは総称魔法具と呼ばれているな。」


「なるほど、要するに自分で方法を見つけなくっちゃいけないのか」


「そういう事だ」


「まあ、僕達は“創造魔法”だから深く考えずに想像(・・)すれば良いんじゃないかな?」


「確かにの。 昨日、劉夜にこちらの治癒魔法教えたのじゃが一向に効果が現れなかったしな」



確かに、こちらの呪文を教えて貰って唱えたが何にも効果が出なかった。


結局、焔に回復してもらう事になったし。


それに璃音の言ってる方法は一理あるし、もし使えるならそっちの方が楽だと思う。


目を瞑り、傷がすーっと跡形も無く消えるのを想像しながら某有名RPGの回復魔法を言ってみる。



「…【ケアル】」



すると、暖かい心地よい感覚が手のひらに集まった気がした。


そっと目を開けると、淡い色の光が手に集まっていた。



「うわ…本当に使えちゃったよ…」



璃音はまさか自分が言った事で、俺が魔法を使える様にになった事に驚いているらしく、一瞬唖然としたが、すぐさま自分が知っている回復魔法を言った。



「【ケアル】…【ヒール】…【ホイミ】…」



それぞれ光の色や輝き方、多少の効果の違いはあったが全て使え、璃音の手は光った。



「うわ…使える…」



璃音は感動したらしく自分の手をキラキラした瞳で見つめていたな…。


ちょっと引いたが…。


澪羽は…【ケアル】というと、俺や璃音と比べて何倍も強く光った。


焔は魔力量が無限に近いためだと解説してくれた。



「【メラガイア】!【メテオ】! 【こおるせかい】!【おわるせかい】!」



澪羽は楽しそうに次々と知っている呪文を詠唱破棄の様に使う。


地上でやるのは危険だから、地上100メートルぐらい離れた所に効果を出している。


どうやら場所指定できるらしい…。


というか言った魔法、ゲームやマンガの中で見たのよりも規模がデカイ気がするのは…気のせいだろう、いや、そうだと良いな~。


此処までくると1時間ぐらいで1つの国を地図から消せる…いやこの世界を一人で乗っ取れる勢いなんだけど…ヴァルの顔が引き攣っているし。


ちらりと璃音の方を見ると、璃音は印を組んでいた。


どうやら、魔法を使って好きな漫画のNA●UTOの忍術を具現化させているらしい。


科学や機械以外に興味を持ったのは、俺や澪羽の影響でマンガとゲームだけど、中でも1番だったのはNA●UTOだった。


前、録画し忘れたら殺されかけたしな…


あの時の璃音は…思い出しただけで背筋が凍りそうだ…(汗)



「【火遁・豪龍火の術】」



ゴウッと璃音の口から龍の形をした炎が空中に向かって舞った。


ただ…色が原作と違った。


白く半透明でたまにかすんでいる…



「璃音、絶対改造しただろ?」



璃音はあははと頭を描きながら苦笑いして…



「作る時に細かく設定するとどうなるかなと思ってね」


「で?失敗なのか?」


「いや、成功だと思うよ?コロナを想像したんだけど」


「コロナ…コロナって太陽のアレ?」


「そうそう、アレアレ…まさか本当に出来るとは思わなかったね」



…どうやら、火遁・豪龍火の術を使う時に、術のイメージをしながら太陽のコロナを凝縮するイメージをしたらしい。


璃音曰く、周囲を消したいと思わない限りは触れなければ何も起きないとか。


コロナって確か100万度以上だった様な…最強じゃないか…?


というか澪羽も璃音もチートというか規格外な気がする。


これを見て落ち込まない人は多分居ないだろうし。


思わず、地面にのの字を書きそうになるのを堪る。


「俺にも出来るはずだ」と言い聞かせ、焔に気は膨大にあると言われたので某アニメを想像しながら両手を右斜め後ろに持っていく。



「かーめーはーめー…」



全身を駆け巡る気らしきエネルギーが手と手の間に集まっている感覚を感じ…



「波ぁぁあっ!!!」



空中に向かって両手を突き出した。


マンガ通りの青白い光線が放たれ…



「あっ、しまっ…!」



上に向かって放てばよかったが斜め前に突き出したから…



ドカァァァァアン!!!!



前方方向ににあった遠くの山が、跡形も無く消え去った。



「「「「「……えええええっ!?」」」」」



無闇に打たない様にしよう…


十分自分も規格外という事を自覚した…。

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