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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第2.5話 とある兵士①

前に出てきた(忘れ去られた気がする)兵士さん視点です。

オッサンではないです。

2.5話で良いのか謎ですが…。

《side:???》


またか…と思いました。


この国の王や貴族は、利益ばかり気にして、国民の事は一切考えてないんですよ。


僕は…こんな王国が大っ嫌いで前から変えたいと思っていました。


だけど、僕一人じゃどうにもならないし、協力は必須です。


日頃訓練をしていない国民を巻き込むのもどうかと思いますし、守りながらというのも…どうしようかと考えていた頃です。


そこで僕は王族の中で唯一、良心を持っている第二王子のヴァルハート様に会おうと思いました。


裏の情報によると、彼も国を変えたいらしいですしね。


利害が一致しますから、丁度良いなと思いました。


彼は文武両道で国民から絶大な人気を誇り、更に指導も上手いのです。


民の意見を親身になって聞いて下さる優しい方らしいので、きっと彼が呼びかければ国民も結束力が固まるでしょうし。


そんな訳でヴァルハート様に接触する為にはどうすれば良いかと考えていたのですが…



「おいっ、新入りっ! さっさと磨けっ!!」


「はっ、はいっ!!」



何故こうなったんですか!?


僕はヴァルハート様はこの国の総隊長をやっているので、騎士になれば会えると思っていたんです。


しかし、ヴァルハート様は訓練場にくると、すぐ様階級を上げたい欲ボケ貴族に囲まれてしまい…接触できません。


それどころか 、雑用係をやらされて忙しいという…。


既に3ヶ月もやっているのにもかかわらず、未だに入った時と同じ扱いとは…。


流石、身分社会ですね…。


こんなんじゃ、接触するのに何年かかるか分からないと思って頭を抱えている時でした。


如何やら昨日異世界から20年ぶりに人間を召喚したらしいです。


この王国の問題だっていうのに、他国どころか異世界の人まで巻き込む事を考える王様や上の人達の思考に頭が痛くなりましたよ。


人を何だと思っているのですか。


いい加減…変えないと犠牲者が増えますね…あの方の様に。


今回召喚は3人の兄弟が召喚されたらしく、本来召喚は1人しか呼ばれないとかで魔導師達が驚愕していました。


僕は…悲しくなるばかりですよ。


だって、召喚された人は…全員悲惨な運命にあっているのですよ…?


鎧を磨いていると、ふと外が騒がしくなりました。


怒られるのは嫌だったのですが…何となく気になって作業を止め、そちらの方に向かいました。


人だかりが凄い事になっていますが、僕は小柄なので比較的楽に先頭に抜ける事ができました。


そこには、今まで接触できなかったヴァルハート王子と…


3人の知らない人物がいました。


多分この3人が例の召喚されてしまった兄妹なのでしょうね…。


軽く外にはねている黒髪とやや釣り目気味の意思の強そうな漆黒の瞳の少年…


風にさらさらと揺れる明るい茶色の髪と先ほどの少年と同じ黒目で甘い微笑をしている少年…


15歳ぐらいでしょうか。


年齢が分りにくいですね、あの方と同じく。


…二人を見た時は、「美形なんて死ねばいいのに」と思ってしまった自分は悪くないでしょう。


それほどまでにこの二人の容姿は良かったんですよ。


数少ない女性騎士や魔道士の顔が赤く染まっていますしね。


これまで女性達の話題はヴァルハート様しか上がってこなかったんですが、今後はこの2人も出てきそうだなと思いましたよ。


そんな2人に挟まれているのは…紅い鳥を抱きしめている12歳ぐらいの可愛らしい少女でした。


思わず撫でたくなる様な毛先に緩やかなウェーブのかかった濡羽色の髪に同色の長い睫に縁取られた、吸い込まれそうになる大きな漆黒の瞳。


小さくちょこんとした小鼻に淡いピンク色の小さな唇。


人形よりも巧妙な容姿に思わず惹かれて顔が赤くなってしまいました。


……。


あ、いや、別に僕はロリコンではありませんよ!?


…周囲の男性陣も如何やら同じだったらしく、顔赤かったですしね!?


近衛隊長が何かを言って彼女をジロジロと舐めるように見始め…彼女が嫌がり俯きました。


その様子を見ていた美形二人の辺りの気温が一気に下がります。


黒髪の少年は無表情になり、茶髪の少年は微笑が引きつり2人はこの僕が(・・・・)震える程の殺気を放ち始めました。


冷気出してません!?


何故か、茶髪の人から「コオオォォォォォ…」って聞えるんですけど!?


周囲の人は自分がふらついた原因がこの二人の放った殺気とは気がついてないです。


ある意味羨ましく感じました。


多分この殺気にふらつかなかったのは僕とヴァルハート様と…女の子だけだと思いますよ?


下手したら僕よりも強いかもしれない…それほど凄まじい冷k…もとい、殺気でした。


彼等と協力すれば、この国を変えられるしれない…そう思った僕は、彼らにも後で話しかけようと思いました。


…如何やら話の流れからしてこれから闘技場で試合いをするらしいですね。


勝敗なんて分かりきった事でしたが、近衛隊長は良い人だという思い出はないし、何より気晴らしになりそうです。


そう思った僕は良い席を取る為に一足先に闘技場に向かいました。

補足?

兄達は3歳、澪羽は4歳勘違いされてます。

親がアレなのでそれはしょうがないかもしれません。

というか、上の彼も童顔+身長が低い+長寿命族なので歳と見た目が全く合ってないのですが…。

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