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龍と獅子と猫の物語  作者: Neight
第1章 ウェスタリア王国
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第2話 能力②

《side:澪羽》


目の前の焔ちゃんは突然、封印解除するって言ってきた。



「え…どういう事なの?」


「お主達には前のあの世界には必要じゃない能力に枷がかかっている。それをわらわが外すのじゃ!」



焔ちゃん無茶苦茶張り切ってる。


へぇ~なるほどね…って…はい?



「その言い方…まるで俺達には能力あるみたいじゃないか?」


「身体能力や澪羽の超能力の強化だけじゃないのかい?」



リュウ兄とルー兄が驚愕の表情をしている。


そうだよね? あっちに普通に暮らしてたのに能力あるとか言われたら普通びっくりするし。



「それはな、違うのじゃ。


 むこうに比べてこちらは重力が1/10じゃから龍玉の重力修行を軽くやった様な状態なのじゃ。


 "超能力"は…分からないのじゃがな…大体想像はついとるが」



なるほどね。 あのフ●ーザの前の修行のプチバージョンなのね。


"超能力"の方は結構アバウトな気もするけれど…教えてくれそうもないし、後でルー兄に調べておいてもらおうかな。



「あ、枷が掛かっているのはお主達の父上と母上が掛けたんじゃよ、あっちにはない能力じゃからな」



向こうでは使わない能力か…大体想像つくけど、何だろう?


少しわくわくしていると焔ちゃんは再度私達を見回した。



「では、よいか?」



私達はとりあえず異議はないので頷く。


多分デメリットはなさそうだもんね。



「【消却の唄】」



綺麗なソプラノの声が響き、辺りが真っ白に光った。


あまりの眩しさに思わず目を閉じてしまう。


…何処からかパリィンという音が聞こえ、何かが自分の体の中を巡っているのを感じた。


目をゆっくり開けると、兄さん達も自分達の中の違和感に気づいているみたい。



「これでオッケーじゃよ!」



焔ちゃんは満面の笑みでリュウ兄の鞄に手を突っ込み、今度はヨーグルトとスプーンを取り出しぱくついている。


リュウ兄はもう諦めたみたい…というか、何で鞄の中に入ってるの?腐るよ?



「この…良くわからないけど違和感は…?」


「ああ、それがお主達が元々持っている能力じゃ。 本来は違うものなのじゃが、世界に合わせられておるな…魔力と気かの?」


「…気?魔法?」


「気は龍玉とかにあるアレ、魔力は想像通り魔法じゃな。


 創造魔法や空間魔法なども使えるかの?」



…それってチートすぎなんじゃ…?



「さて、能力開放したところで、わらわは此処で待ってるからさっさと着替えて訓練場に向かうぞっ!」



と言われたので各個室に入り服を着替えにいった。


衣装棚を開けるとドレスとかが大量に…


端の方に動きやすそうな服があったのでそれに着替える。


裾や襟にレースのついた7部の白いブラウスと薄いピンク色のショートパンツと白いロングブーツ。


部屋から出ると着替え終わっていたみたいで、既に集まっていた。


ルー兄は焔ちゃんにピアスを渡し、1人増えた事を怪しむ人がいるかもしれないから変化の術や魔法があるのなら使ってほしいといった。


焔ちゃんは2つ返事をしてぶつぶつ呪文を唱えた後…光に包まれ体長20センチ、尾羽を入れると40センチぐらいの紅い鳥に変わった。


…余計目立つ気がするけど(笑)


使うかもしれないから鞄を持って4人+1羽(?)で訓練場に向かうと騎士や魔道士達の視線が一斉にこちらに集まった。


値踏みをする様な視線が痛いぐらい突き刺さる。


今まで驚きの連続で声が出なくて思いっきり空気になっていたヴァルが私達の事を説明しようと思ったのか、一歩前にでた。


何か言おうとして口を開いたとき、大柄な男の人が遮った。



「総隊長、彼らが例の?」


「ああ、そうだ」


「私は近衛騎士隊長シュタイナー・クロレンスだ」



あれ?ヴァルが総隊長って呼ばれている…。


という事は魔法も武術も凄いって事だよね? 強いのかな?


ヴァルの説明によると、シュタイナーというおじさんは、クロレンス公爵家の長男らしい。


ちらっと彼の目を見ると濁っていて欲に盲目になってしまっているのが分かる。


あまりにも酷すぎる目で…慌てて逸らした。


彼は兄さん達を軽く見て、最後に私を舐める様に見た。


…キモイから俯いて耐えようとするけれど、悪寒がヤバイっ…



「…本当にこんなの(・・・・)が強いのですかねぇ?」


「シュタイナー!」



私から視線を離すと兄さん達を交互に見ながら嘲笑った。



「…そんなに気になるのなら俺と死合い、してみますか?」


「是非お手合わせをしたいものですなぁ」



リュウ兄がダークな微笑を浮かべ近衛隊長に近づく。


眉間がピクピクしているから多分相当切れてるし…何より字間違ってる気が…?



『…兄さん』


『ああ、このオッサン殺ってやるよ』


『リュウ兄、それは流石にまずいと思うんだけど…』



リュウ兄…だから字が間違ってるって(笑)


ルー兄も抑えてはいるけれど、切れてるっぽい。


…私もなんだけどね?


心の中でため息をついた後…一応釘を刺しておく。



『…殺すのだけは駄目だよ? 死なない程度にね、リュウ兄』


『…了解っと』



これで多分近衛隊長は死ぬことは無いかな。


…あくまで多分だけど。


あまりにも注目を浴びすぎて辺りは人だらけでとてもじゃないけれど死合…コホンッ、試合いなんて出来そうになかったし、見たいという人が多発したため折角だからという事で、私達は訓練場の敷地内にある闘技場に向かったのでした…。

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