いたかったのに……。
死してもなお、自分のお金だと言い張り、守り続けるか。
そして、なんたる執念。
その姿になってもまだこちら側に向かってくる凄まじい執念だ。
そして、彼女の周りに取り巻くあの凄まじい邪気は何なのだろう?
私は、見た目のグロさと、邪気に当てられ、気持ち悪くなった。
「うぐっ・・・・・・おえっ・・・・・・。」
何とか実際吐くことは押さえたが、イツキが「リコ!大丈夫か!?しっかりしろ!」と言ってくれなければ、彼女と再び向き合おうとはしなかっただろう。
イツキは、女の霊と戦い、かなり苦戦している。
私は、ヨロヨロと立ち上がり、こちらにせまってくる手や鼻を倒していった。
そして、手が残り一本となったところで反撃された女が発狂した。
「ぁぁああああ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛ぁあああ!」
真ん中辺りで一度低くなり、最後には、高い声で何かを体から解放させた。
大量の邪気だ。
私はもろに彼女の邪気にあたり、彼女の記憶を見た。
暗い、寒い・・・・・・ここはどこ?
お母さんは、どこ?
『おかあさぁん・・・・・・。』
葉子は、三歳になりました。
だから、遠い遠い街まで遊びにつれてきてくれたんじゃないのですか?
お母さんは、ここで待ってろと言ったけれど、いつまで葉子は、ここにいればいいのですか?
もう日が暮れました。
お母さん、どこにいるのですか?
寒い、寒いです。
お母さん。
『おかあさぁん・・・・・・。』
街の人、なんだか哀れそうに葉子を見ていきます。
どうしてでしょう?
『おかあさぁあん・・・・・・。』
『おや、お前、どうしたんだい?こんな時間に。子供が1人で出歩いてる時間じゃないだろ。』
知らない人・・・・・・綺麗な人・・・・・・あのね、お母さんが来ないんです。
待ってろ言われたから待ってるのに、来ないの。
『どうしたんだい。泣いてばかりじゃわからないよ。とりあえず、店においで。話はそれからだ。』
綺麗な人、親切にしてくれました。
着替えも用意してくれました。
お風呂もいれてくれました。
でも、お母さんがいません。
お母さんは、どこですか?
このお家は凄く女の人が多いし、お風呂もお家も大きいです。
女の人達はみんな綺麗で、綺麗な女の人達は、男性をつれてどこかにいなくなります。
みんな姉妹と言うより、みんな他人みたいです。
気のせいなのでしょうか?
やがて葉子は、大きくなり、女の意味と、売る意味、店、捨てられたといった意味を覚えた。
葉子が7歳の時だった。
『いいかい、葉子、お前はこの店の商品となるんだ。商品前は葉子でもいいかもしれないが、そろそろお前にも商品名があったって良い頃だろう。』
『しょうひん?ああ、売ることか?』
『おまえは、ここ4年ですっかり口が悪くなったね。』
葉子と呼ばれた少女は、フイッと顔を反らして吐き出した。
『奴らが虐めてくるのが悪い。あたしより年上のくせしてさ、よってたかってくるんだ。向こうは10歳なんだ。あと2年で成人とは到底思えないね。みっともない。』
『仕方ないさ。おまえは私が見込んじまってるからね。お前なら美人になるよ。お前の母さんも、元は商品だったんだろ?血を受け継いだね。』
『あたしゃあんな母親になんかなりたくない。捨てるくらいなら生むなってんだ、ちくしょう!』
穏やかな女性に比べ、葉子は気性が荒く、粗野になっていた。
過去も過去なので前から店にいた葉子は物覚えが早く、その言葉の意味を知るたびに卑屈になり、7歳とは思えないほどにたくさんの言葉を使いこなし、暴言を吐いたりした。
『おもしろいこと言うじゃないか。じゃあお前の腹に赤ん坊ができた時はどうするんだい?』
『絞め殺す。情けなんかいらねぇよ、生かされた月日が長いだけ惨めになる。ああ、自分は捨てられたんだってな。』
『言ってくれるね。』
女性は笑ったが、また月日が流れると、自分は最初から商品にするためにここにつれてこられたのだと知る。
自分は言われたとおり、周りの男たちに綺麗だと持て囃されるようになったが、自分の顔は、見れば見るほどに母親に似てきてつくづく恨みがましかった。
それでも自分を拾ってくれたトップをしたっていた。
商品にするために連れてこられたのだとしても、優しくしてくれたことに変わりは無かったからだ。
客あげをする前の年齢に葉子はなり、商品名は、夏奈子と名付けられていた。
葉子には、赤や黄色といった重ね着物が似合っていて、その色彩が夏のようだったから夏奈子。
ある日トップは殺された。
トップを好いていた男の手によって。
そして、トップの支えを失い、疎まれていた葉子もまた、散々に蹴落とされ、人が信じられなくなった。
葉子、13歳のことだった。
『絶対あたしは、好きなように生きてやるんだ。誰の思惑になんかはまるもんか。どうせ全部いなくなるなら、こっちが利用してやる!』
それから、葉子が二十歳になると、もう40近い飲んだくれ親父を見つけた。
美弥子の父だった。
冗談半分に家に行ってみると大きな家を持っていたので、親父を酔っ払っている隙に名ばかりの婚約と、自分を自由にする約束を結ばせた。
葉子は、美弥子をそこら辺の小間使いや、女中程度にしか考えていなかった。
『美弥子は、使える。とことん死ぬまで使って、どっちもあたしより先に死ぬだろうからその時はここのお宝全部うっぱらってそれでも足りないときゃこの家を貸家にしたり、土地を売っちまうのも悪くはない。』
ようやくそこで記憶は途切れた。
捨てられて、愛が得られなかったばかりに体を売り、金にすがりついたかわいそうで、哀れな女・・・・・・ああ、なんと哀れなのだろう。
だからより一層美弥子が憎かったのかもしれない。
父親からも、母親からも、愛されたあの少女が。
すると、女がクルリとこちらを向いた。
「お前に何がわかる・・・・・・わかってたまるものか・・・・・・わかってたまるものか・・・・・・同情なんか、するなぁぁああああああ!」
どうやら神経を逆撫でしたようだ。
叫びながら邪気を放ってくる。
「きゃっ!?」
私は何とか直撃を免れたが、イツキは手で防御したために腕に傷ができてしまった。
イツキのような霊に取りつかれると生気を吸われてしまう人間にとって、この邪気に満ちあふれた空間はいるだけで危険だ。
イツキを救い出さなくては。
女を見ると、その女は、「そんな目であたしを見るなぁあああ!」と叫んで邪気を放っている。
ついにイツキは、木刀に寄り掛かる用にして腰を折った。
かなり衰弱しているのだろう。
私でさえ邪気にあてられるくらいなのだから。
邪気を避けながら、一気に10枚お札を握り締めると女の霊に貼りつけた。
「ギャアアアアアアアアアッ!」
背中にお札を貼りつけたせいだろうか。
女は仰け反ったように背中に手を伸ばして、邪気を放った。
邪気を放つスピードが早くなったようだ。
どうしたらあの霊に近付けるだろうか?
どうやら物体の所はあの邪気の周波にあてられないらしい。
走って机の下に潜ると葉子の足に札を叩きつけた。
「ウギャアアアアァアアア!」
机の下から這い出そうとするといきなり目の前に葉子が現われた。
「・・・・・・えっ!?」
「触るなぁあああ!誰にも渡さない!ここの財産も全てあたしのものだっ!」
どうやら私がこの机に置いてあるものを取りにきたのだと思ったらしい。
こんな至近距離で邪気をあてられては、避けようがない。
私は必死になってお札を数十枚叩きつけ、正面を突っ切って葉子さん?から逃げた。
相手が幽霊でよかった。
そうじゃなきゃ逃げられずに引っ繰り返っていたかもしれない。
「葉子さん!」
「その名で・・・・・・あたしを呼ぶなぁあああ!」
またもや神経を逆撫でしたらしく、どんどん邪気を放つスピードが早くなってきている。
もはや連続邪気ビーム状態だ。
私は持っていた札全てを霊に向かって投げ付けた。
勿体ないような気がしたが、それしかもう方法がないように思えたのだ。
それは見事に私に近づいてくる葉子さんにあたり、彼女は、「ギャアアアアアアアアアッ!」と言って倒れた。
その瞬間、家が消え、荒れ地に私とイツキは立っていた。
空は朝焼けに薄紫色に変化していた。
人生で一番綺麗な空模様のように見えた。
「イツキ、大丈夫?」
イツキに近寄ろうとすると、足元で何か音がした。
チリン・・・・・・。
どうやら鈴を蹴ったらしい。
私がその随分と錆びれた鈴を拾うと、どこからか、「ありがとう」という声がしたような気がした。
美弥子が持っていた鈴だったのだろう。
私は鈴を握り締めると、「どういたしまして、次こそちゃんと成仏してね・・・・・・。」と呟いた。
それより問題は、邪気を食らっていたイツキだ。
イツキは、顔面蒼白になっていた。
「イツキ!しっかりして!もう終わったよ、だからっ・・・・・・!」
イツキをつれてイツキの家に帰るのは一苦労だった。
イツキは、一晩うなされると、次の朝には自分で自分を洗礼し、けろりとした顔つきに戻っていた。
「いやー、悪かった。結界を貼ったら戦えないからさ。そしたらもろに邪気を食らったみたいで・・・・・・地獄絵のような夢をみたよ。」
こっちの気も知らずにいい気なものだ。
私は不貞腐れながら美弥子ちゃんの日記を読み返していた。
どうやらあの鈴は母親から貰ったお守りだったらしい。
母親もその前の母、つまりは祖母から受け継いだのだという。
日記には、「きっと私に何かあっても、これが美弥子を守ってくれますよ。」と言われたと書いてあった。
だから最後の最後まで肌身離さず持っていたのかもしれない。
そんな大事なもの、私が持ってしまっていいのだろうか?
やはり、あの荒れ地に返しに行くべきではないのだろうか・・・・・・。
「何、不貞腐れてるんだよ?」
「別に・・・・・・。」
「不貞腐れてるじゃねーか・・・・・・。」
「それよりっ!事はまだ、終わってないんだよね・・・・・・もともとの始まりが一つの村なんだから・・・・・そこに行かなきゃ、何も解決したことにはならないんだよね。」
「・・・・・・次は、本当に戻れなくなるかも知れねぇぞ?それでも行くのか?」
「・・・・・・行かなきゃ、いけないような気がする。ここまで来た以上、もう戻れない気がするし、戻る気もない。私、初めて自分が生きてるって今、実感できるの。」
「そりゃ、アレだけの死人を目の前にすりゃ、誰だって自分は生きてるって思うよ。」
私はイツキをにらんだ。
「そういう事じゃなくて!人に頼られるって、こういうことなんだ、とか・・・・・・とにかく、って・・・・・・からかったなぁ!?」
今にも笑いそうなイツキを見て、怒りがふつふつと湧き出てきた。
「いや、悪い悪い。変わったよ、お前。最初は、自分は生きてません、みたいな亡霊同然の顔してたのに。」
私がそっぽを向いたまま取り合わないでいると、イツキが真面目な声で告げた。
「次の廃村もあの家と同じ現象が起きてる。厄介なことに、空間や時間までもとどまったままだから、一度足を踏み入れたら戻れないどころの話じゃなくなるぞ。それでも行くのか?」
「・・・・・・本当は、あまり行きたくない。怖い。死ぬことが怖いと思ったのは初めて。だけど、行かなきゃ行かなきゃいけないような気がするの。」
「わかった。とりあえずいろいろ用意して行くぞ。」
「・・・・・・うん。」
チリンと、鈴が机から落ちて転がった。
怨霊に塗れた廃村を見て、私は、やはり私が来るべきところではなかったのかもしれないと思った。
イツキは、結界の縄に手を掛けた。
「・・・・・・戻れないかもしれない。」
呟いた言葉に私は頷いた。
「それでも行くんだよな。渡しておく。」
イツキが言うに、以前よりずっと強い効果を持つお札を前回の比ではないほど、どっさりと貰った。
私はそれをカバンにしまい込むと、ライトを手に、結界の中へと入った。
入ってすぐ、後ろを見たが、私達が来た道は、そこには既になかった。
「何してんだよ?離れたら、マジでもう二度と会えねぇかもしんねぇんだから、離れるなよ?」
「わかってる・・・・・・でも、現在地はどこなんだろうとか、思ったりして。」
「そんなこと、考えたって仕方ねえだろ、行くぞ。」
何もない道をひたすらに歩くこと数分、楔とか何とかと呼ばれそうな大きな石が目の前に現われた。
ここがあの美弥子ちゃんが書いていた大きな石のある場所ではないのだろうか?
地図をカバンから取り出そうと掻き回していると、美弥子日記、一冊目を落としてしまった。
・・・・・・また何かヒントがかかれているかもしれない。
私は日記にライトをあて、しゃがみ込んだ。
日記には、やはり石の事が書いてあった。
「あの石が五つならんでいるばしょは、くさびというばしょなのだそうです。あそこでたっちゃんとおにごっこをしてあそんでいたら、となりむかいのげんさんにおこられてしまいました。美弥子達が近づいてはいけないばしょなのだそうです。どうしてなのでしょうか?」
やはり、ここは儀式をするための場所・・・・・・。
楔と呼ばれる場所なのだ。
「・・・・・・切れてやがる。」
なんの事だろうかと、私が顔をあげると、イツキは、岩にまき付けられているしめ縄を手に取っていた。
どうやらしめ縄が切れているらしい。
美弥子ちゃんの母親がここで楔となり損ねてからこの村に何が起こったのだろう?
私は日記を手に取り、鞄にしまい込むと、地図を取り出した。
“そんちょーさん家”と書かれた場所に向かうことにした。
村は、驚くほど静かで、不気味だった。
途中、怨霊が襲い掛かってくるなんて事もなかった。
範囲が範囲なだけに、あんまり現われないのかもしれない。
それならそれで、このまま何事もなく終わってほしいが、そうも行かないのが事実なのだろう。
長老と呼ばれる人の家はさすがに長と呼ばれるだけあり、大きかった。
「おじゃまします・・・・・・。」
そろりと私が入り込むと、玄関からすぐ近くに応接間があることがわかった。
縁側の向こう側にはトイレが、応接間の斜め向かいには何か機械があった。
「何、これ?」
触れた瞬間、ジジッという音がした。
「ひっ!?」
すぐに手を引っ込めると、それはすぐに何の反応もしめさなくなった。
本当に、何だったんだろう?
「リコ!おいてくぞ?」
「それは困る・・・・・・。」
ここまで来て放置されては私は何をしでかすかわかったもんじゃない。
にしても・・・・・・私は、ここに来て、一体何ができるだろう?
私には、何ができるんだろう?
ただ、この怨霊を晴らしたかっただけなのか?
いや、違う気がする。
しいて言えば、呼ばれたような気がしたのだ。
体が、感覚的に告げたのだ。
ここへ来いと。
ここに来れば、何かがわかる気がした。
でも何がわかるのだろう?
この村が儀式に失敗して、この状態に至までの途中経過?
そんなもの、私には関係ないと投げ出してしまえればよかったものを、私は投げ出せなかった。
どうしてなのだろう?
「うわ・・・・・・また鍵を捜せ的なアレか?」
「え?」
顔を上げた瞬間、書籍が目に入った。
が、中に入るには鍵が必要らしいのだ。
「なんでここの扉だけまるで牢屋みたいに開いてるんだろう?」
「知るかよ・・・・・・。」
私が後ろを向いた瞬間、廊下を横切っていく霊を見た。
「ひゃっ!?」
私は息を潜めてその霊の後をついていった。
よく聞くと、「書籍の見張りは厳重にしなければならん・・・・・・見張りをつけなければ・・・・・・いくらよかれと思って閲覧に応じても、よからぬ事を企む物にあそこにある書物を持っていかれては・・・・・・」とかなんたらかんたら言っている。
どうやら、あの書籍には、長老に認められた人しか入れず、入った人は書物を盗まないように監視下に置かれるというものらしい。
というか、そんな貴重な書物ばかり置いているのだろうか?
それは、いったいどんな書物なのだろう。
気になってしまう。
その霊はどこかの部屋に消えた。
えっと・・・・・・確か、ここだったような・・・・・・。
「リコ、走るな。見失うだろ。」
「ああ、ごめん・・・・・・でも、どうしても気になっちゃって・・・・・・。」
襖を開けて、入ると、そこにはこざっぱりとした部屋があった。
仕切りに、火の灯っていない灯籠、その奥には小さな机と、筆や硯、木炭などがある。
どれも黒くすすけて薄汚れていたが、特に荒れ果てたような姿は見せていない。
「鍵を隠すとしたら、タンスの中?また美弥子ちゃんの義理のお母さん・・・・・・葉子さんだっけ・・・・・・葉子さんみたいに鍵を求めて、いろんな場所を巡るのはごめんこうむりたいんだけど・・・・・・。」
「あれはやたら執着してたからな。あそこまで酷いのはもうねぇだろ。」
「だと・・・・・・いいな。」
タンスを全て開けてみて、一番下の段に鍵らしき何かを見つけた。
私が手をのばそうとした時、美弥子ちゃんの鈴がチリンと鳴った。
「へ?何で今鈴が・・・・・・。」
「うぉっ!?」
イツキの声がしたので、そちらを見ると、こちらに猛スピードで近寄ってくるすごい形相の村長さんらしきおじさんがよってきた。
「書物を盗もうとしている輩か!させんぞぉおおおお!」
「ぎゃぁああああああ!?」
私は驚いて札を一枚村長に叩きつけると、村長が遠退いた。
どうやらダメージを食らわせることができたらしい。
「兵!何をしておる!捕らえよ!」
今度は鈴がチリチリチリと小刻みに鳴った。
・・・・・・もしかして、これは、霊が近づいてきてくることを教えてくれてる?
私が長老に札をもう一枚叩きつけ、倒して鍵を掴んだときにはイツキが1人で三人いや・・・・・・三幽霊?よくわからないが、三対一の戦いになっていた。
鈴は、長老が来たときに一回鳴った。
その次に三回鳴った。
兵士らしき幽霊は三人いる。
これは、関係しているのではないだろうか。
いや、関係しているとしか思えない。
とりあえず私は、こちらに背を向けている霊にお札を三枚ほど貼りつけた。
一人いなくなったことで動きを押さえ付けられそうになっていたイツキは、あっという間に二人を切った。
「サンキュー。」
「いえいえ、それより私は書斎の鍵がこんなにあっけなく手に入って驚きなんだけど。」
「よかったじゃねぇか。簡単に見つかって。」
「そりゃぁ、そうですが・・・・・・ねぇ?」
イツキは特に気にした様子も見せずに歩きだした。
「待ってよ!もうっ・・・・・・。」
書斎に入ると、沢山の書物の題を見た。
主に儀式や村の歴史について書かれた本が多かった。
「うへぇ・・・・・・こん中から探すわけ?儀式が失敗してどうなったかってのを?」
「うん・・・・・・まずは、儀式が失敗したらどうなるのかを調べよう。」
私が言い終わった後、鈴がチリンと鳴ったので私は身構えた。




