幼馴染が突然教室で、結婚しようと言ってきたんだが
ある日、教室で幼なじみが俺に告げた。
「そういえばなんだけどさ。結婚しようか」
「いいけど俺たちまだ16歳だし、高校生だし、そもそも付き合ってすらないよね!?」
「えー。あんまり彼氏とかにはしたくないタイプなんだよね。ちょっと付き合ってるとかいう噂立つと恥ずかしいし……」
「まさかこの流れで振られることある!?嘘でしょ!?」
「ごめんね幼なじみだけど、彼氏としては無いかなぁ……毎日おうちまで遊びに行っていちゃいちゃソフトタッチまでなら許すけど」
「そこまで許してカップル名乗れないのどういうことですか???」
「だってこの打てば響くレスポンスだよ?この響きの音色を私は大切にしたいんだよね」
「おっと俺のことを楽器か何かと勘違いしておられる?」
「人間オルガンだと思ってる。ダーク系のアニメで出てくる肉体改造されちゃったようなやつ」
「思った以上に猟奇的な扱いですね?悪いけどそんなスプラッタなものの犠牲にされた記憶は無いよ!?」
「彼ピ……記憶が……もう……」
「わあい知らない間に彼ピに昇格してた!記憶は失ってないけどなにがあったのかなぁ!?」
「今のレスポンスの間に10年の時が経ちました」
「俺の知っている時の流れと違う!?時間を操れる能力者か!?」
「いいえ、異世界転生です!私と異世界で大冒険した記憶を覚えてない!?」
「知らない展開ですわよ!?なに?俺が知らない間に異世界転生して世界救っちゃってた~!?」
「いいえ、君の前世は金魚が食べるペレットですし、来世はミミズだから転生したところで活躍できないね」
「酷い前世と来世だ!いったい俺が何をした!」
「私を振ったことかな〜?」
「振ってないよ!?さっき結婚しようって言われたあとに、彼氏としては不合格判定貰って振られた側だよ!?」
「じゃあ結婚しようよ」
「まだ高校生!」
「ほら振ってるじゃん」
「これ告白振ってる判定!?!?厳しくない!?」
「じゃあ永遠の愛を誓ってよ」
「そういえばなんだけどさ、から始まる会話の流れで重い誓いを要求されたな。あのね?知ってる?ここ教室」
「知ってる知ってる。ほら証人がいっぱいいるよ」
「あまりの内容にクラスメイト全員が聞いてるんだけど、流石に恥ずかしいわ」
「うわ……恥ずかしがってるの本当にキモい……」
「常識的に恥ずかしい状況でしょうが!?なんでドン引きしてるんだよ、こっちがドン引きしてるわ!」
「私引かれた〜やっぱり振られるんだ〜えーん」
「やる気の無い嘘泣きやめなさい!お前の情緒が分からないよ!」
「おっと本気の嘘泣きをご所望?演技派女優になってやるぜ」
「涙の演技なんか要求してねぇよ!時と場合を選べって言いたいんだよ!」
「時は今!場所はここ!返答を求む!」
「なんだよその雄々しい言い回しは!女の子らしくしなさい!」
「え?この時代に女の子らしくとか古臭い」
「どの時代であろうが女の子に益荒男であれと要求されることはないと思ってるんだけど!?」
「私は腹を括っている!死なば諸共!」
「相打ち覚悟!?」
「貴方を殺して私は生きるわ!」
「おっと、マーダーでした???一方的に生き残るつもりだな!」
「これであなたは永遠に私のモノ……」
「ヤンデレやめぇや!髪咥えて目のハイライト消さない!」
「やだー。私の瞳見つめてどうするの?えっちなんだから」
「いっさいそんな要素無かったと思いますがね!?」
「さて」
「おう」
「どうする?」
「状況最悪過ぎるし、人生の選択肢が一気に狭まっているので逃げたい」
「おっ。チキンか?」
「こんな衆人環視の中で告白要求されるのは羞恥心の極みだよ」
「だって、逃げるじゃん」
「逃げたくなるような状況作るなよ」
「私はクラスメイトを巻き込んで告白した。後戻りは出来ないぞ〜?」
「すごくつらい。でも逃げるのも最早これまで……」
「よし、結婚してください」
「おう、20歳になってからな!」
「振られた〜!」
「なぜそうなる!」
「でも4年後の確定勝利を得たので両片思い継続で行けるな!」
「両片思いってなんだっけ???」
「ほら、ラブでコメディがそわそわでむずむずだよ」
「もっとちゃんと言語化できるでしょ?」
「やだ……私の口からそんな恥ずかしいこと……」
「俺そんな変な要求してる???」
「私を部屋に連れ込んでゲヘヘするんでしょ!?」
「この会話の何処にそんな話がありました!?」
「毎日おうちまで行ってソフトタッチまでなら許す」
「あなたが言い出したことですねぇ!?」
「しないの?」
「します!」
「「わはははは!」」
「仕方がない。彼氏を名乗ることを許そう」
「おっ、彼女を名乗ることを許すよ」
「なにその上から目線。何様のつもり?」
「彼氏様ですねぇ!?」
「彼氏だったら何してもいいと思ってるの!?やっていいのは異性不純交遊までだよ!」
「おいここ学校!」
「バージンロード歩けなくなっちゃうよ……」
「下ネタ強すぎませんか!?」
「もっとえげつないネタだせるけど」
「お願いしますやめてください。僕たちピュアな男子なんです」
「ふん。童貞め。処女に逆らうとはいい度胸だ」
「そーいうはしたないこと言うのやめません!?!?」
「ふふふ、私は黙らない!黙らせるのならば分かっているな!?」
「えええ、マジかよぉ。なんでこんな状況で……」
「いいじゃん。勇気出せよ彼ぴっぴ様」
「くそう……俺の負けだ……殺せよ……」
「なら遠慮なく」
「アー!」
幸せなキスをして終了。
世にバカップルが一組誕生した。
「これがあのような悲劇を作り出すとは誰も思わなかったのです……そう……バカップルの犠牲……その犠牲にな……」
「不穏なナレーション入ったけど、何も起きねぇよ!?」
「いいや、起こさせてもらう!問答無用のハッピーエンドをな!」
特に何も起きない、ハッピーエンドはそのまま続いたのでした。まる。




