第8話 帰りとボート
下山は月夜が
「せっかくなので別の道から行こう」
と言い、来た道と別ルートで降りることになった。
こちらのルートはなんだかクネクネしてる。
下山すると川が見えてきた。
行きに象がいたお寺に言った時、
河原が見えたのでこの川を下って行けば帰れるのだが…
見ると橋がなく、代わりにコンクリートでできた飛び石がある。
これで渡るらしいが…
石と石の間に川の水が思いっきり流れてるんだが。
ちょっと怖い。
足を滑らせたら川にもろ落ちる。
ちょっとというか、かなりびびっていたら
「あき兄、これ楽しいねえ」
と言って、軽快に渡って行く。
仕方なく覚悟を決めて、
石の真ん中に着地するように一歩一歩渡って行ったのであった。
なんとか無事に渡りきったが月夜は
「あき兄心配しすぎ」
とこちらの心を読まれていた。
「月夜、これ川の勢いあるし仕方ないだろ」
「大丈夫だって。そう簡単に落ちないよ」
これ以上何か言ってもあれなんで、
「じゃあ帰ろうか」
と言い、川沿いの砂利道を歩いたのだった。
しばらく川沿いを歩けたのだが、途中で歩けなくなったので、
一般道を歩くことにした。
民家や畑などの景色を見ながら歩いていたのだが、
とある家の庭で不思議なものを見た。
「あき兄、あの家の庭のテーブルに不思議な実が」
大きな実らしきものが3つ置いてある。
2人でよく見ると逆さにしたパイナップルだった。
「あき兄、なんでパイナップルを逆さにしてるんだろ」
「なにかの儀式とか…」
「なわけないでしょ」
しかし、人の家の庭をジロジロみるわけにもいかず、
仕方なく駅を目指して歩いて行ったのだ。
どのくらい歩いただろうか。
30分いやもっとかな。
ようやく見覚えのある景色が見えてきた。
最初に登った山付近である。
なんとか生きてたどり着けたと思ったが、月夜は
「もう戻ってきちゃった」
と物足りない様子。
インディアカ部すごい(入部してないけど)。
このまま駅に向かおうとしたら、
「あき兄、極上バーム買って帰るんでしょ」
覚えていたかと思ったが、
自分もちょっとだけ興味あったので店に入って、自分はプレーンを。
月夜はチーズを選び買ったのだった。
駅に着いて電車に乗ると疲れがドッとでた。
月夜は
「あき兄、楽しかったねえ」
と笑っていた。
その笑顔をみると
「そうだな。楽しかったな」
行って良かったと思えたのである。
電車が駅に着いたので、バスに乗ろうとしたら、
「ねえあき兄、まだ帰るには早いし、公園に行こうよ」
と言ってきた。
確かにまだ4時にもなっていない。
公園というのはこの駅名にもなっている、池もあるところである。
正直疲れていた。
しかし月夜は行きたがっている。
仕方なく
「じゃあ少しだけな」
と言って公園へと歩いて行った。
車幅の狭い商店街を歩いていくと、角を曲がったところに、
趣味の菓子と書いてるお店があった。
「あき兄あき兄ここ入ってみようよ」
月夜が言ったが、自分も興味がわいたので
「よし、入ろうか」
と言って店内に入っていった。
店内は昔ながらのお菓子がたくさんあった。
なるほどこういう感じのお店か。
いろいろ見てみて、自分はカルメ焼き、
月夜は名前がかわいいと言いマコロンというのを買った。
月夜は
「公園で食べよう」
と言ったが、まだオムライスを食べたのが残っており
「帰ってからか、別の日で頼む」
と言って、勘弁してもらった。
どっちも量がそこそこあるし、ちょっと無理だと思ったのだ。
そして更に歩くと目的の公園というか、池に着いたのだ。
池を見ると月夜が
「ボートに乗ろう」
と言ってきた。
乗り場の案内を見ると、手漕ぎのローボート、
船型をしてるサイクルボート、そしてスワンボートの3種類ある。
受け付けは15時50分までと書いてあり、締め切り3分前であった。
「月夜もう時間で無理っぽいよ」
と断ろうとしたが
「まだギリギリ大丈夫。スワンボートに乗ろう」
と言ってきた。
断ろうとしたが、
月夜はもうスワンボートに乗る気マンマンなので受け付けの人に
「ボートまだ大丈夫ですかね」
と聞くと
「大丈夫ですよ。どれにします?」
とあっさりOKがでた。
月夜が
「スワンでお願いします」
「じゃあこちらへ」
と言って移動し、
「こちらのボートで。料金は30分毎です」
と言ってきたので
「わかりました」
と言い、2人でスワンボートに乗り込んだ。
スワンボートはペダルで漕ぎ、ハンドルで操作するのだが…
「月夜。乗ってるの俺達だけだぞ」
「いいじゃん。独占だよ」
「なんかまわりからめっちゃ見られてるような」
「注目浴びちゃってるね。気にしないでGO!だよ」
池をぶらつくとまわりに鳥たちが泳いで並走してきた。
カモだろうか?
鳥には詳しくないのでわからないが、月夜は大はしゃぎである。
「鳥さんかわいい」
手を伸ばせば触れそうな距離を並走している。
なんだか微笑ましいと思ったのだった。
池はそんなに広くないので端から色々運転していき、
時間が近づいてくると最初のボート乗り場に戻っていった。
乗り場に着いたがぴったり収めるのが難しい。
しかし案内の人が手伝ってくれて無事、陸へとあがったのだった。
「楽しかったねえ。鳥さんかわいかったし」
月夜が喜んでいるならなによりだ。
「月夜。そろそろ帰ろうか」
「うん。わかった」
来た道を戻り駅の逆側のロータリーに行きバスに乗って帰ったのであった。




