第7話 登山
店を出ると目的の山に向かうのだが…
「あき兄、あそこの洋菓子店の極上バームってのすごく美味しそうだよ」
「まだ食うか」
「え~いいじゃん。山で食べようよ」
「俺は無理だ…なんなら夕飯もいらん」
「じゃあ帰りに買ってかえろうか」
「だから俺はいらん」
と話しながらお店を通過。
そしてしばらく歩くとお寺が見えてきた。
ちらっと中を除くと白い象の像が。
「あき兄、象さんがいるよ」
「なんで寺にあるんだ」
寺の中に入って見てみる。
うん、象だ。
謎に思いながら記念撮影をして、再び歩き始めた。
しばらくすると幼稚園らしきものが見えてきて、
園内の広場をみると…思わず二度見した。
「ヤギがいる」
月夜も気づき
「かわいい~」
と柵ごしに見つめている。
「なんで幼稚園にヤギがいるんだろう。てかこの街なんかすごい」
と言って月夜を見ると
月夜はリードいっぱいに伸ばし柵に近づいてきたヤギにすっかり夢中だ。
「これが自然と触れ合う教育なのか」
と勝手な事を言い高坂もヤギを見つめる。
しばらくすると丸太ぽいのの上に乗り、ジッっと動かなくなった。
あそこが落ち着くんだろうなと思いながら月夜に
「そろそろ行こう」
と言ってもうすぐ近くに見えている、目的の山へと歩きだした。
ここにもお寺みたいのがあり、その横に登り口とかかれた立札が。
道はコンクリートなのだが、なんだか急勾配じゃないかと思った。
月夜は
「あき兄行くよ」
といって先に登りだした。
高坂は登りながら思った。
やっぱ角度きつくねと。
途中までコンクリートだった道も途中から土へと変わる。
すれ違う人から
「こんにちわ」
と声をかけられたので、こちらも慌てて
「こんにちわ」
と返す。
山でのマナーだ。
10分ちょいの山だけどそこはしっかりしなくては。
月夜が
「あき兄遅いよ」
と言ってくる。
無理だ。
普段運動なんてまるでしないのに、さっきの食べ過ぎで、歩くのがきつい。
ようやく平なとこに出たがここが折り返し地点らしい。
つまりまだ半分しか登っていないのである。
「月夜休ま…」
「あき兄早く早く」
流石インディアカ部に誘われるだけあるなあと思いながら、
仕方なく鞭打ち登り始めた。
すると分かれ道に出た。
右がなだらかで、左は少しだけハードとのこと。
高坂は男らしく
「右行こ。右」
当然少しでも楽な方を選んだ。
登り道が細い丸太のような木が等間隔で置かれており、
それが階段の役目をしている。
しかし歩幅が合わないのか、かえって歩きづらい。
なんとかなんとか登って行くと、ついに視界が開け山頂に到着した。
「あき兄お疲れ。てかバテすぎじゃない。
普段から運動しなよ。わたし付き合うよ」
と言ってから月夜はテンション高くまわりを見始めた。
展望台からはこの街の景色にスカイツリーに富士山も見える。
なんだかんだあったが来てよかったと思った。
思わず
「いい景色だ」
と声がでた。
「そうでしょうそうでしょう」
と月夜は言うが、月夜さんあなたもここ来たの初めてだよね?
と思ったが、口に出すのは我慢した。
椅子があるのでそこに2人で座り、休憩をした。
10分弱だけど、山を舐めちゃいけないと思うのであった。
街の景色をバッグに記念撮影をして
「さて月夜帰ろうか」
と言うと月夜は
「うん?ここまだ半分だよ」
と言う。
「えっだってここ山頂って書いてあるぞ」
「そうだけど、隣の山も行くから」
「聞いていないぞ」
「まさか10分ちょっと登っただけど登山終了とは思ってないよね。
その為にあれだけ昼食べたんだし」
たしかに立札に○○〇山→とはあるけど、聞いていない。
「月夜さん勘弁して下さい」
「ダメダメさあ行くよ。登山登山」
こうなったら月夜はなにを言っても行くだろう。
高坂は仕方なく月夜に着いていくのであった。
隣りの山は271メートルとのこと。
ここが200メートル弱で10分とちょっとだから15分ちょっとってところかと。
高坂はすっかり忘れてることがあった。
まず下山しなきゃいけないことを…。
「せっかく登ったのに一旦下りてまた昇るのか」
「はいはい文句言わない」
それでも自分に、次も低山だ大したことないと言い聞かせながら、
先導する月夜に着いて下山していく。
歩きにくい階段の道をなんとか降りきると次の山までの平らな道が続く。
途中マムシ注意の看板が。
「マムシとかヘビとかいるのか」
「そりゃいるんじゃない。あき兄気をつけてね」
「ヘビーだな」
「…」
「月夜さんすいません」
そうこうしてるうちに新たな登り道の階段が見えた。
「長い」
さっきの山と違って結構先まで見える
「これを登るのか」
そして高坂はさっきの山との違いに気づいた。
登りが緩やかだ。
と言うことは急勾配じゃない分楽だが、その分時間が長くなる。
「月夜今から帰ろう」
「あき兄まだ言ってる。観念しなさい」
そして登ったと思ったら今度は平らな道。
そして登り、緩やかという感じになった。
時間かかるな。
途中すれ違う人も多く、ぶざまなかっこはみせられない。
自分を鼓舞して登って行く。
落石注意・スズメバチ注意。
立て続けに看板が。
山怖い。
そしてようやく山頂付近に到達した。
最後は鎖を伝って登るか石段を登るか、選べる仕様だ。
せっかくなので鎖を伝ってゴールイン。
1時間ちょいかかった。
ヘロヘロである。
低山といえど山舐めるな。
山頂は狭いが椅子とテーブルがある。
月夜と椅子に座り、休憩タイム。
月夜が
「はい。チョコ」
と言って差し出してきたのでありがたく頂く。
甘いものが美味しい。
こちらも木が多いが景色がよい。
チョコの後月夜がタンブラーを出して、紙コップに紅茶を注ぐ。
「はいあき兄」
ありがたく頂いて紅茶を飲む。
山頂で頂く紅茶は美味しい。
271メートルだけど。




