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第6話 登山へ

ある日輸入食品店を閉めた後、2人はハンバーガーを食べていた。


ここは日本発祥のハンバーガーチェーンの1号店である。


高坂(たかさか)はテリヤキバーガーにバニラシェイク。


月夜(つきよ)はフィッシュバーガーにカフェラテ。


2人はポテトをシェアして食べている。


「あき兄、今度の休みどうするの?」


「そうだなあ。本でも読みながら家でゴロゴロと…」


「山!」


「うん?」


「あき兄、山登ろう!」


「遠慮しておきます」


「わたし〇〇山がいいな」


「あそこは山ってよりもはや観光スポットだろ」


「いいじゃんいいじゃん」


「俺は無理。遠いし、きつい」


「じゃあ〇〇山」


「何処だそれ?」


「〇〇線で下って行ったとこにあるの。そしてわずか195メートル。

10分ちょっとで登れる」


「それって山なのか?疲れなさそうだし、

すぐ登れそうだから、まあそこなら」


「やったあ!お弁当作っていくよ」


「遠慮しておく。ジャム塗っただけのパンは、朝食で充分だ」


「今度こそは…」


「現地で食べればいい。微妙に遠いし、旅感でるだろ」


「わかった。それでいいよ」


「じゃあ今度の土曜日、10時頃に出ようか」


「うん。あき兄。一応歩きやすい格好で来てね。出来ればスニーカーで」


「わかった」

というわけで今度の土曜日の定休日に、プチ登山をすることになったのである。



月夜は朝起きると、ドキドキしていた。


いってみれば今日はあき兄とデートである。


服はどうしよう。


あれにしようか、これにしようか。


香水ちょっとかけていこうかどうしよう。


昨日寝る前に決めたはずなのに、寝て起きると考えがかわったりする。


「あ~んもう、どうしよう」

月夜は時間まで考え込んでいた。



10時に駅前のロータリーで待ち合わせたが、月夜はまだ来てない。


ちょっと早いかなと思ったが、時間は10時ジャスト。


珍しく月夜が遅れるとは。


5分後に月夜はやってきた。


白のスニーカーに濃紺のパンツで、

上は胸元に大きなリボンがある黒とグレーのチェックのブラウスである。


パンツと合わせたのか濃紺のバッグを持っている。


高坂は黒のスニーカーに黒のジーンズ。


ワインと青のチェックのシャツに黒のバケットハットに黒のトートバッグ。


山ガチ勢から怒られそうであるが、低山だからゆるしてという感じだ。


○○線に乗るため、バスで○○駅に向かう。


「今日は楽しみだね」

と月夜が言う。


「10分ちょっとの山登りが?」


「一緒に出掛けるってのがいいんだよ」


「そうだな」


30分弱でバスは駅に着いた。


ここから電車に乗り換えだ。


目的地までは約40分。


外の景色が住宅街から自然豊かな光景や農地へと変わっていく。


2人はネットでみた出来事やSNSの話、

近場にできたベトナム料理店の話、高坂の大学時代の話などをしていた。


そうこうしていると、目的の駅に着いた。


着いたら右と左のどちらに行けばいいか分からず、

逆方向の階段を下りて、なんか殺風景だなと思った。


途中で気づき駅に引き返し、ロータリーへ着いたのだった。


「まずは食べるところを決めよう」

と高坂が言う。


居酒屋のランチに町中華、ラーメン屋にハンバーガー屋。


商店街に出るとパン屋に団子屋に蕎麦屋。


「月夜。どうする?なにがいい?」


「う~ん、迷うねえ。あき兄は?」


「俺は月夜に合わせるよ。食べたいの選んでいいよ」


「だったら蕎麦屋とか、久しぶりに行ってみたいかも」


という訳で、蕎麦屋に入ることにしたのであった。


店内は座敷とテーブルがあるけど、テーブルの方へ。


そして2人してメーニューとにらめっこ。


「月夜は野菜3倍肉汁せいろにしよっと。あき兄は?」


「朝ほんのちょっとしか食べてないから、

オムライスでも食べようかな。しかも大盛り」


「攻めるねえ」


「お互い蕎麦屋で蕎麦を食べない…。いいんだろうか」


「メニューにあるんだからいいじゃない。すいませ~ん」

と店員を呼んで注文をした。


待つこと少し

「お待たせしました」

と料理が届いたのだが…


でかい。


特にオムライスがでかい。


まるでラグビーボールだ。


聞いたところオムライス大盛りはご飯3合半とのこと。


高坂はたじろいだ。


月夜の野菜3倍せいろも量が多いが、オムライスの比ではない。


「あき兄がんば」


それだけ言うと月夜はせいろを食べ始めた。


高坂も覚悟を決め、スプーンでラグビーボールもとい、

オムライスを食べ始めたのであった。


月夜は食べながら時折(ときおり)

「どう?美味しい?」

とか


「わたしこっち食べるのがやっとだよ。加勢できないよ」

とか


「残しちゃだめだよ」

とか言ってくる。


美味しい。


とても美味しい。


だが食が太くない高坂にとって、この量はかなりきつい。


特攻精神でなんとかなんとか完食できたのである。


「あき兄すごい。あっスープも飲まなきゃだめだよ」


一緒についてきた特大スープも完食を求めた。


月夜め…。


ちょっとだけ恨みながらこちらもなんとか完食したのである。


そして2人はお会計へと向かった。


安い!


この量でこの値段なら我が街にも欲しいかもと、少しだけ思ったのだった。


2人は満足感をへて、お店を出たのであった。

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