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第5話 高坂とコーヒー

月夜が自分用のカフェオレを口につけるとお店にお客がやってきた。


「レイヤーケーキですね。インドネシアのお菓子で、

パンダン風味というものです。パンダンとは東南アジアのバニラと言われる、

甘く心地よい香りがします」


「なんだか美味しそうね。これいただくわ」


高坂はレジに行き会計をして

「ありがとうございました」

と言ってから月夜のいる奥に戻ってきた。


「ミルクティー置いておくね」


月夜はテーブルにミルクティーの入った紙コップ置いた。


「ありがとう」

そう言ってからやはりお菓子を増やそうかなと考え始めた。


手を伸ばし紙コップを持ち飲み始めたのだが…


「あき兄、それわたしのカフェオレ!コーヒーだよ!」


月夜は高坂に言ったが遅かった。


高坂はカフェオレを飲んでしまったのである。


すると高坂の表情が変わった。


目つきが鋭くなり、唇を噛みしめ

「月夜、考え事はなんだ?」

と言った。


「えっ、優衣姉がなんで炭酸買ったかだけど」


「なんか貰ったって言ってたな」


「リング2つ」


「材質は?」


「さっきシルバーって言ったけど」


「ふむ。わかった」


高坂は眼鏡に右手をやり

「炭酸はシルバーの黒ずみを落とすためだ。

シルバーを炭酸水に入れて一晩放置しておけば黒ずみがとれるんだ。

優衣はこまめな性格じゃないんだろ。ならこの簡単な方法を使うはず」


月夜は驚きながら

「なんで黒ずみだと」


「アクセサリー作りの友達がいるんだろ。

確か中学の時から作ってるって言ってた。昔なら売れ残りや失敗作が多いだろ。

それを放置してたら黒ずんだから優衣にあげた。そもそも売れ残りだし」


月夜はなるほどと思った。


これが真相だと。


「あき兄すごいね…」

と言った途端、高坂が倒れかけた。


月夜は急いで高坂に駆け寄り、体を支えてそっと寝かせた。


「ああ…また…」


高坂はコーヒーを飲むのを避けていた。


コーヒーを飲むとコーヒーのカフェインで脳が活性化され、

頭がものすごく冴えるのだが、すぐに数分だが倒れこむのだ。


そして気持ち悪くなる。


月夜は高坂がケガをしてないかみて、

大丈夫と思ったのでスクールバッグを高坂の頭の下に入れて、

店のシャッターを下ろした。


数分後高坂が目を覚まして起きた。


「う~ん。頭が痛いし気持ち悪い」


「あき兄大丈夫?」


「ああなんとか。久しぶりにコーヒーを飲んでしまった」


「わたしも久しぶりに見た。そして流石あき兄。

さっきのが当たりだと思うよ」


「そうか」


高坂はうっすらとした記憶しかないが、月夜の疑問に答えたのは覚えている。


「あとあき兄が倒れたので店のシャッター下ろしちゃった」


高坂は時計に目をやり

「閉店時間だから問題ない。俺は問題だけどね」

と言ってため息をついた。



数日後月夜は再び優衣と会った。


そこで思い切って炭酸水を何故買ったか聞いてみると、

高坂の予想した通りだったのである。


流石あき兄と思ったけど、体質が治ってないのにがっかりやら実は嬉しいやら。


まだ一緒にコーヒー飲んでくれないのかと思うのであった。

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