花が散る頃カクテルと

とある星のとある大陸。
その8割を占める帝国、デュエペリウム帝国。
宝石の名前で区切られた地区、都市、自然。
地区によって違う人の色。
閉鎖的な帝国の中で知らぬ間に繋がる少年少女の物語。
壊れたアスリート、周囲の秘密に苦しむ芸術家、自分本位な貴族、歪みに歪んだものを殺したい秀才。
他なんてまとめられないほど、沢山の人が生きている。
誰も知らない彼らの人生は、機械仕掛けの時計のように一定に進んで、ぱたりと止まる。
そんな彼らの人生を眺めるためのお話。
誰に同情するのも、哀れむのも、共感するのも自由。
ただ、彼らは確かにそこで生きていた。