発育戦隊ゴランドセル
■まえがき
黒板司令がコンプライアンスを言われる時代の流れに背き
「とにかく女を増やせばいいんだろ?」
と、低俗な政府への当てつけに女四人男一人の編成で怪人退治を託した小学六年生の、アイ・マイ・ミー・ユウ・ユアの五人のゴランドセル。
発育戦隊の中で唯一人の男の子ユウはナニを想い、リーダーのアイは皆と勝利を掴む事が出来るのか、最後に みんな が見るのは……
■本文
小六のリーダー、赤ランドセルのアイは、今朝自分で切り揃えた前髪が気になり、鏡怪人・ミラーとの戦いに集中出来ずにいた。
『ミラミラミラ、このコンプレックス増大ミラーの魔の手にかかったミラね!』
「馬鹿言わないで! アイはコンプレックスなんか無いもん!」
〈レッド、意外と図々しいな……〉
と、横目にアイを見て思う青ランドセルのマイは、最近周りの子達が成長する中、自分だけはとランドセルを胸の前にした。
「ブルー、何してんの?」
下っ端と戦っていた黄ランドセルのミーは、下っ腹を気にしてランドセルを横に、肩ベルトを腹にかけている。
「おいっ! イエロー、それじゃランドセルの中身出ちまうぞ!」
と、ミーを注意する唯一の男子、黒ランドセルのユウは、几帳面な性格から身なりを気にして起立し、規律に反していないか校則を読んで動かない。
「ブラック! ナニ本読んでんの! 戦ってよね!」
ユウに協調性を求める桃ランドセルのユアは、自身の役目を気にして、戦いながらも秘策を打っていた。
ふと、アイは自身の前髪の辺りを左手で隠しながらユアを見て驚いた!
「ピンク!? 何で、そんなビリビリに破けて……」
強化スーツが破れ、ユアは素肌が剥き出しになっている。
仮面姿で見えない前髪を気にして、戦いに集中していなかった自分のせいでユアがヤラれた。
反省したアイは自身の前髪問題を払拭する!
「ごめん、ピンク! でももう大丈夫!」
〈え、何が?〉
と、思ったユアは、自身のピンクたる役目、お色気担当を熟しただけだ。
「ングホォッ!」
何が起きたか、突然ブラックが倒れ踞る。
「ブラック、ナニが起きたの?」
マイが訊ねるが、ユウは踞り肯くばかり。
『ミラミラミラ、コンプレックス増大ミラーの前では貴様等も赤子同然ミラね!』
「誰の腹が妊婦だって?」
勝手な勘違いで下っ腹を無理矢理引っ込めるイエロー。
――DOGOOONN――
と、同時に黄ランドセルがズレ落ち変身が解けたミー。
「ヤバっ! ランドセールッ!」
慌てて持ち上げ変身し直すミーを見て、アイが声を上げる。
「みんな! こうなったらアレしかない!」
五人皆が頷き、ランドセルからえんぴつを取り出し胸に掲げる。
「発育戦隊ゴランドセル、必殺! えんぴつサイコローッ!!」
皆のえんぴつが転がり怪人に近付き、止まると出目数に合わせた爆発が怪人ミラーを襲う!
――BAKABAKABAKABAKABAKA――
『こ、心のミラー……』
――PARIIIINN――
■あとがき
こうしてゴランドセルが倒した鏡怪人・ミラーだが、ゴランドセルに向け最後に放った『心のミラー』は、コレを読んだ みんな の心さえも映し捕らえてしまいました。
さあ、懺悔なさい!
あなたは戦隊モノを読んでいながら、怪人との戦闘に見る子供の心の教養という観点以外に、大人視点でナニを想って読んでいたのかを!!(笑)
・ブルーの胸のサイズ?
・ブラックの強化スーツはナニを強化したのか?
・ピンクのビリビリ度合いに見える箇所?
・イエローのぽっちゃり度?
・レッドの顔やスタイルの点数?
他にも、人それぞれに様々なモノを想って読んでいたのでしょう?
構いません、作者はあなた達の想像をきっとお許しになるでしょう。
ですから、告白なさい!
人と被っていても構いません。
いえ、被っている可能性を想っていたなら、それすらも告白なさい!
感想欄で告白すれば、あなたにかけられた心のミラーも解ける筈です。
なので作者は、ここの感想には返事をする事を控えます。
ただ、あまりに非道い告白に降臨してお告げをするかもしれません。
それは許しの○か、逆鱗に触れ✘罰を与えるか……
祇っぺらな御加護が苛ん事を……