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偽作 恋愛論

作者: 雪狼

恋愛とは悲喜交々な実に奇妙な物である。その前提で話させて頂く。

まず問おう。皆さんが思い浮かべる定番の伝え方とは?例えば「愛してる、付き合おう」うん実に定番な決まり文句だ。シンプルに「好きだ!」うんうんこれもまた歯が浮くような紋切り型だ。じゃあ1歩踏み込んで聞こう。その言葉の意味は?日本語とは同音異義語が非常に多い。今回は好きと愛してるについて考えてみよう。意味は似てはいないではないだろうか。どちらも相手に好意を伝える点については申し分無い。愛してるはロマンチック。好きは愛いらしくて可愛い。人によって何となく決めてるのではないかと私は思っているがね。じゃあその言葉の重さは?それこそ個人差になる。何となくそれとなく揺蕩う風のように流れる水の様に変わってく。

ここまでを踏まえていざ自分が告白すると仮定して、貴方はどんな言葉を相手に送る?一つ一つ言葉を精査して考えると終わらない迷路!結構結構。存外自分の気持ちとジャストミートする言葉は場外ホームランかファーボール。困ったもんです。では我々よりも言葉を巧に操る文豪の言葉を見てみよう。

夏目漱石は「月が綺麗ですね」等が有名では無いだろうか。正直これに関しては様々な説解釈が飛び交ってはいるが、私が進める解釈方法は自分がそれを言いたくなる瞬間を想像してくれ。自分は何気ない一瞬を好んでる人に共有出来る。これが一番幸せだと感ずる。ならばそれに感謝を伝えたい、君とこれからも見ていたい。そう思ったら「月が綺麗ですね」なんて寄り添う愛の言葉が生まれるのではと結論する。

だが私は坂口安吾が記した、「大切に思う」この言葉が一番好きだ。英語みたいにlikeやLoveの様に分けられない日本語。「好き」と言うとなんだか軽い。歯につく。「愛してる」は重いキザったらしい。なら好きな人に一つ言えること、確約出来ること。それは「大切にする」これが私の答えだ。

曖昧な恋愛の言葉を精査し、区分しラベルを貼る。そんな誠実な事をしてもいいかも知れない。そうすれば自分の気持ちを伝える時も実に清廉な刀のような言葉になるだろう。しかしそれは面白くない。これ以上の解釈の余地も無い。悲しい話逃げ道も無い。好きな人に贈るならそんな薄い言葉は贈りたくない。そう思うからこそ私は「大切にする」曖昧は曖昧のままにその言葉を複雑怪奇さを飲み込み抱え込む。如何様にも解釈できるこの言葉こそ如何様にも論争が生まれる言葉に寄り添える。そう思ってはいる。まぁ変な話何かやらかしても1回は生きられるだろう。自分自身も想い人に贈る言葉をもう2年も考えた。色んな本も読んだ、色んな人にも話を聞いた。その上で私はこの言葉を少し大袈裟に言うかもしれん。

「君を大切に思っている。如何様な事が起こってもこれだけは約束する。守り通すよ」と。

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