ポンコツヒーラー
まさか僕がぼっち卒業するなんて!?
「大丈夫ですか??」
僕は目を覚ました、あ、あの時のダンジョンに一緒にいたもう1人のヒーラーの子だ
左目は黄色く 右目は赤い
オッドアイで、ショートカットのかわいい女の子が言う
「私はティア、もう大丈夫」
ティアさんの話によると気絶した僕をギリギリでヒールしてくれたらしく、リーダーの判断で外まで運んでくれたらしい。
そんなこんなで最初に戻るけど
「お前は解雇だ、このポンコツめ」
うん、そうなるよな。ヒーラーが自分をヒールできないし、何も無いところでコケるし
避ける体術もない、自分のヒールもできないじゃ、ただでさえヒールすれば敵視をとるようなヒーラーなんてポンコツ以外にありえない。
「はい…」
僕は初日でギルドから追い出された。
その噂はすぐさまに広がりどこにも入れて貰えない。
そりゃそうだ、僕が転生者なのは冒険者協会に行った時に、そこにいたみんなに知れ渡りかなりみんなが喜んで歓迎してくれたからこそ、まさかの強いと言われてる転生者が、ポンコツなんてすぐに街中に広がるに決まってる。
人数合わせで入れてもらっても、やらかして解雇
その繰り返しだ
そりゃもうぼっち。元の世界でも居場所なんてゲーム内だった。僕はここでもぼっちなのか…なんか変に笑えてくる。
「オワコンだよーこの人生ナイトメアモードだよー」
あのロコってやつを恨む
ただでさえ勇者にしてくれなかった上にポンコツヒーラーとはどんなこったい!
普通転生って強くないか?
てかこの街で転生者強いってなってんだからさ!!!
転生者が多分ほかにもいるんだろうけど出会ったこともないからわかんないけどさ!!
だけどなんで僕をこの世界でもポンコツにしたんだよ!!!
ただでさえ元の世界、学校でもポンコツ、日常生活だって忘れ物多いし、バイトだってコミュ障のせいで解雇だし!
なんなんだよ!!!
せっかく転生できたんだからメチャクチャ最強が鉄板じゃねーか?
小説でも、漫画でも、アニメでもそういうの多かったぞ!?
クソめ
まぁーそれでも食っていくためには金が必要だ。
人数合わせでもいい、そう思ってたところ
「おいっ」
振り向きたくない…なんかすげーオーラを感じる
「聞こえてんのかぁー?」
仕方なく振り向く
「あ、あの…ナ、ナ、ンノゴヨウデ?」
「ちっとボス倒しに行くからお前ヒーラーだろ?着いてこい俺はロウお前は?」
こ、こいつしらないのか!?僕があの噂のポンコツヒーラーだということを
てか、ロウってどっかで聞いた名前って…
まぁいいか!
「僕は、ハルキです」
「よろしく、邪魔すんなよ?俺の自由な時間を」
「は、はい」
そんなこんなで突拍子もなく誘われた僕
人選ミスだよ
今度こそ死んじゃうよ!!!?
そう思ったつかの間
シャキンシャキンシャキン
シュッ
俊敏な動きで、切り裂いていく
二刀流だ
…二刀流…ロウ…
「あぁぁぁぁあ!?」
「うっせーなー気が散るだろ、俺は楽しんでんだからお前はヒールだけしとけ」
「す、すみません。」
二刀流使い最強と言われている一匹狼のロウだ。道理で動きが俊敏で柔軟性もある。ピョンピョンとはねこっちがヒールしなくてもいいんじゃないかと言うくらい回避もうまい。
あっという間に終わった。
僕生きてる。
「お前さ、俺と組まね?」
「はい?」
「俺は自由が好きだ、お前は何も指図しない、ヒールもちょうどいい具合でできている、気に入った」
いやいやいや、ポンコツヒーラー知らないんですか!?あなたは!?
僕自分のことヒールできないんですよ!?
「あの僕のこと知らないんですか?」
「ポンコツヒーラーだろ?」
「え?じゃあなんで…」
「え?俺邪魔されなければいいから自由にさせてくれれば、だからギルドとか苦手なんだよな」
そういえばこの人はソロプレイヤーだと聞いている。そういう理由だったのか
「まぁ、俺は自分の目で見たもの聞いたものしか信じねぇーから、試したまでよ、んで、ペアになんの?ならねーの?」
ここここここんなチャンス滅多に来ないよね!?やっぱり僕は単純だった
「ペアにしてください!!!」
そうやってやっとぼっちを卒業した僕でした。
「いやー君と違ってロウはかっこいいねー!?」
「てめぇのせいだろ!くそロコ!」
「いやーぼっち卒業おめでとう!!」
«くそロコめ»