共闘
エイト視点での話。
⚠️前作をお読みでない方は続きなので読んだ方がいいです。
闘技大会組side
エイト視点
«東の方に大きな魔力2つ発見。私のいる場所から北東の魔法石あたりの場所に魔力発見»
エミからの伝達だ。僕の予測としては、東に魔道士と、狙撃手。北東にもう1人の攻撃もしくは、もうひとつの守りとしての魔道士。魔法石の辺りということはマナも溜まりやすい。それを考えるとクリスタルを遠距離から壊す係、つまり攻撃担当と予測できる。
ん?この気配?
サッと身を隠す。木の上にジャンプして登り、気配を隠す。近接か。
南東に確か、ロウ達が向かってるはず。あの魔道士に見つかれば直ぐにテレパシーで、狙撃手もう1人の魔道士に伝わる。危険。
«エミさん。南東を離れるよう指示。近接発見そちらを先に潰すように。»
«了解致しましたわ»
まだ動きがない、迂闊に東の方向に近付けない。いくら、気配を隠しても、姿を隠せても、魔道士だからもしかしたら僕の魔力を感知して、隠密もバレる可能性がある。だが、相当の感知能力。エミさんのような人じゃないと厳しいとも考えられる。
厄介なのは狙撃手。考えられるパターンは2つ。狙撃手とクリスタルを同時に守っている魔道士。
つまり、2人が1緒にいる可能性。
2つ目は魔道士はクリスタルだけを守り、狙撃手は同じ東にいるが、離れている可能性。
後者の方が都合がいいけど…。前者でも後者でも、きっとクリスタル。もしくはクリスタルと狙撃手を守るためになにか策を魔道士が打つはずだ。それを防ぐためには、狙撃手の居場所を割り出す必要がある。
そして、もし、一緒にいない場合、狙撃手の気をそらすことが一瞬でも出来れば…。
スパーン
赤色のレーザー!よく見るとその先にはロウが高く跳躍してるのが見えた。一瞬だが。
「分かってんじゃん、ロウ」
今を逃すな。狙撃手が打った方向で、魔道士と一緒にいない居場所にいることが割れた。でも、それは狙撃手も想定内と考えた方がいい。移動すると考えた方がいい。でも移動している今こそチャンスだ。
「あっ…」
カクンッ…
膝を着いて倒れる魔道士。
「ごめんな、君の魔力じゃ僕の隠密行動は分からなかったみたいだね。ちょっとした裏技使わせてもらったよ。おかげで、気絶させるだけですんだ。」
勝負は一瞬。チャンスも一瞬。その一瞬を逃すな。
赤色のレーザーが飛んできた。
「やっぱり2人いっぺんになんて、なかなか傲慢だったな」
僕は相手のクリスタルの後ろに隠れる。
すると、相手は打ってこなくなった。
「そうだよな、自分のクリスタルが人質に取られてるようなもんだもんな。打てないよな。迂闊に…。」
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ロウ視点
「赤色のレーザーが向こうに?」
«エイトさんが東の魔導師を気絶させましたわ»
そういう事か、じゃあ、俺がすることは1つ。
レーザーから割り出した、狙撃手の位置に素早くたどり着き戦闘不能にさせる。
«ツルギはエミの元へ戻せ。俺は狙撃手やりに行く»
«いや、囮に使いましょ。もう1人の魔道士は、多分気絶させてないツルギさんと共にいる方と交信しているはずですわ。適当な場所でこちらの情報を隠し、困惑させましょ»
«俺が!嘘つけばいいってことだな!後輩に嘘つくのは嫌だがやるぜ!»
«そうですわね»
本当にエミのテレパシーはすごい。走りながらでも、情報共有できるからな。
多分エイトはクリスタルの位置にいるだろう。じゃないと狙撃手が打つのを辞めるはずがない。
近づけば気配、匂いで分かる。俺だってな、索敵できんだよ!
「やぁ、狙撃手さん?」
「ちっ。迂闊に打つもんじゃねーな。」
「遠距離が近距離に勝てるとでも!!!」
俺は直ぐに距離をつめた。
すると目の前に炎の壁が。
「あっちーなー!!」
「こっちだってな、やられる訳には行かねーんだよ!」
ガチャ
パーン
「うっ…」
そんなのありかよ。ま、魔法武器だから仕方ねーけどよ、遠距離狙撃用から近距離用の銃に一瞬で変わった。多分どっかのボタンを押すと変わるんだろう。
「奥の手は秘密ってね?」
「クソ、俺はこんなので気絶しない!!」
それに、俺は信じている。
「秘密が大切ならわかりやすい音を出すな」
「いいいいつのまに!?」
「ん、拘束完了。紐でぐるぐる巻きだ。これで動けねーだろ。なぁ…エイト、信じてたよ」
「別に…。よく、僕の意図読めたね。」
「まぁ…。俺らの仲だし」
「…。てか、炎の中いるけど熱くないわけ?燃えてるよ?」
「あ?んな事言ってたら仲間助けられねーぞ。今回は人助け目的じゃねーけど」
「…君変わったな。」
「まぁ」
最後は、魔道士だな。
「なんかロウ成長してね!?てか、なんでエイト君は他の人のことを、さん呼びなのにロウだけ…って思ってる人いるよね!!ふふふ、僕は神様だから知ってるのさ!」