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転生したらポンコツヒーラーな件について  作者: 音羽 心音
フェルリン祭編ー序章ー
19/61

片手剣使い

まさかのあの時の少年との再会

「あれ?またあの3人は特訓ですか?」


「最近よく行かれてますよねー!なんかツルギさんはノリノリですけど、エミさんはロウさんに無理やり連れていかれてる感半端ないですけど…笑」


「また僕ぼっち…泣」


「まぁまぁ、なんか事情でもあるんでしょう!」



«なんで僕がー!嫌だって言ってんだろ!!»


あれ?なんか聞き覚えのある声がする、外からだ。


«うっせー、俺がこいと言ったら来るんだ、もう申し込みもした»


申し込み??ん?これはロウさんの声だな


«乱暴者、非人道的、常識知らず»


«あー?俺が選んだんだから俺の目に間違いはねぇ、ほら行くぞ»


ナ、ナ、ナ、ンカすごいことになりそうな予感…




ガチャ



「あ、おかえりなさい!ロウさんツルギさん、エミさん!あとは…」


僕はその少年と目が会った瞬間驚いた。あの時ティアさんがさらわれた時に暴言吐きながら強い魔物を倒した片手剣の少年だった。



「僕帰る。」


スっと後ろを向く彼。やっぱりあの時のように身のこなしが凄いのか…ってそういう訳じゃなくて!なんかすごい嫌悪感が出てるんですけど…。


「おいおい、急にどうしたんだよ!!!さっきまで威勢良かったのに!!!ロウとあんだけ言い合って…」


ツルギさんの声をさえぎって彼が言う


「僕はこいつ(ハルキ)が嫌いだ」



沈黙が流れた



何かを察したのかツルギさんが言う


「なんかハルキとあったのか?その様子じゃ、初めましてでは無いだろ」


真剣な顔付きで言うツルギさん


「僕はこいつが嫌いだ、偽善者だからだ、己の実力も知らずに守れないくせにあの時飛び出してきた」


僕は俯いた。


「ティアさん、ちょっと私と外でお茶をしましょ?」


空気を読んだのかエミさんがティアさんを外へ連れ出す。


「あ、でも、私いいんですかね?」

「いいのよ」


微笑むエミさん、やっぱり優しい人だ。

僕もできる限り、あの惨劇をティアさんに思い出させたくなかった。

きっと辛くて、怖かっただろうから…。

いつかは乗り越えないといけないのかもしれないけど、今では無いと思ったから、エミさんに申し訳ないと思いつつ感謝でいっぱいだった。





ガチャ



2人が外に出たあとツルギさんが話を再開した。


「ハルキ何があったんだ?この少年と」


「…いや、実はティアさんがキルディラーにさらわれた事件の時、あの閉じ込められてた奥の部屋で魔物から護ってくれたんですが…」


「なるほどね」



うぅ、僕こんなギスギスした雰囲気嫌いだよ…てか思いっきりその少年に敵視されてるし…



「なぁ…」

つ、次はロウさんか、下手に殴り合いとかならないといいけど…


「お前、片手剣使い暗殺能力持ちのエイトだよな」


「その言い方やめろ」


バチバチとしてる


「俺は五感が優れてる、だから、あの部屋に行った時お前の匂いが残ってるのを感じてた。お前の腕前ならあんなにも人死ななかったんじゃないか?」


め、めずらしく、ロウさんが真面目だそしてなんか怒ってるオーラが見える


「あぁ、そうだよ。」


沈黙がまた流れた


「なんで助けれたのに助けなかったんだよ!!!!」


めずらしくツルギさんが感情的に怒った

命の大切さ儚さを知ってるからこそ怒るに決まってる。それが、すごく痛々しくもあった。


「じゃあ、あんなやつら(キルディラー)助ける必要性あるのか?人を殺してきたやつは報いがそれなりに必要だ。そして僕はあの案件は冒険者協会から頼まれた仕事だ。」



「仕事であれ、見殺しじゃなく牢屋にぶち込むことも出来ただろうが」


ロウさんが珍しくまともな事言う


「そうだね、でも僕があいつと外にいるやつあの二人を助けたのは事実だ。君ら2人は遅かったから、僕がいなきゃ死んでた。」


黙るロウさんとツルギさん

僕はずっと沈黙してた。彼が言ってることは正論だ。事実だ。確かにロウさんが言うように牢屋にいれることも出来た。

だけど、きっと彼は命を奪ったからには、それなりに命で償え。同等の対価を払えと言いたいんだろう。

僕の元の世界でも死刑があったから、そのような感覚なのかもしれない。

でも、それを彼が判断していいのか?そんな疑問はあるが、助けて貰った身として何も言えない。


「帰る、そして闘技大会にも出ない」


「ごめんけど、特殊な魔法の筆で書いてある。だから、登録したもんは書き消せないんだ、だからお前にはここにいてもらう。2人を助けてくれたことは感謝する。だがお前がしたことが絶対に正しいとは限らない。お前は色々と知る必要がある。だからいろ。」


「はぁ…登録は契約と一緒だ。いくら勝手にテメー(ロウ)がやったとはいえ守らなくてはならない。ただし条件がある。フェルリン祭の闘技大会が終われば僕は出ていく。あと知る必要と言ったけど、僕は僕の考えがあるからいらない。そういうの押し付けがましいと思うけど」


「おう、好きにしろ。押し付けがましいかもな、でも、この世の中は多面体なんだ。見る角度で違う世界に見える。お前はひとつの場所からしか見てない。」


「なんも知らないくせに…」


ボソッという彼。


「まぁ、契約は守ってもらうからな」


な、なんか解決したみたいだ。

だけど僕エイトさんちょっと苦手だよー泣


ほんと不安な日々が続きそうだ…

「あーー不安だよーこれからの日々…」

「まぁまぁ、気楽に気楽に!!」

「そんなんロコだから言えんだろ!?明らかに嫌われてんじゃん!」

「情けないなーハルキ君笑」

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