図書館
ふらっと訪れた場所に図書館が
「ツルギさーん、ロウさんは?」
「あー、今日もなんか用事があるって言ってどっか行ったよ?」
「最近なんか、ロウさんすぐ居なくなりますよね…あんだけダンジョンダンジョン言ってたのに…もしかして僕嫌われました!?」
「んー気まぐれだからな!!」
「あーーーー心配だよーー泣」
「いつも気にしすぎだってハルキ笑。あ!俺はちょっと今日はほかのチームの手伝い行くから!」
「ツルギさん頑張ってください!!」
「おう!」
今日は暇だなー…そうだ!いつも助けてもらってるお礼に、森に行って美味しい食材を採って2人に振舞おう!って僕料理できなかったァァァァァァ!!
何故かいつも焦がしたり、変な味がしたり…
ティアさんに申し訳ないが食材を渡して頼もう…
最高にティアさんの料理うまいからな!
「ティアさん!!あの、2人にお礼がしたいので森の方へ食材を採りに行ってきます!」
「はい!お気をつけて!」
「あ、でも本当は僕が作るべきなんだろうけど…」
僕が下を向いてモジモジしてるとティアさんが察してくれたのか
「私がつくりますよ笑。美味しい食材待ってますね!」
「はい!!ありがとうございます!」
なんて素敵なんだ!気遣いもできる、料理、洗濯、掃除、もう嫁にしたい!
ふふふっふふーん!
僕は、よっぽどご機嫌だったようで鼻歌を歌いながら森へ行った、気づいたら奥まで進んでいて、そこにぽつんと古びた家が建っていた。
「んーーーよく見えないけど図書館って書いてるな」
たまには、いつも行く大きい魔法図書館に行かないでここを覗きたくなった。
「失礼します…」
そろっと入る、人気が感じられない
「いらっしゃい」
「うわっ!!!」
失礼だけど、あまりに存在感が無さすぎて気づかなかったので大きな声を出してしまったが、よく見ると紫のワンピースを着た長い髪の毛の美人のお姉さんがいた。
「図書館ですよ?静かにしてください」
「あ、はい、すみません…」
あれ?なんかこの声聞いたことあるな?んーーー…
「あの、ここの管理人の方ですか?」
「えぇ、そうよ」
「あの!なま…「名前はエミよ」
な、なんで僕が聞く前にわかったんだ!?
んーーーやっぱりなんか聞き覚えが…
ん?もしやあのティアさんが攫われた時、洞窟を案内してくれた人の声に似てるような…
「もしかして、洞窟の時案内してくれた…」
「今頃気づいたの?そうよ、私はここの管理人で魔道士よ」
まままままままどうし!?え、魔道士ってテレパシー?的なもの使えんの!?
「それで、この図書館になんの御用で?」
「いや、その、気になって入ったんですけど、僕実はヒーラーで、なんかいい本がないかなと思いまして…」
「ちょっとまっててね」
「はい、これ、ためになると思うわ」
「え?でもこれってヒールの方法とかの本じゃ…」
「とりあえず読みなさい、貸出禁止なのでここで」
「はい!」
その本にはマナの仕組みが書いてあった。
魔法を使うにあたってマナを消費する。
前言ってたMPのことだよ!
だから、マナ切れにならないように調整して打たなければならない。
魔法によって消費するマナは違い、大技になるほど多い。それは知ってたがこの本にはマナを最大限にためることができると書いてあった。確か、生まれ持って使えるマナの量は決まってるはずなんだが…
だってゲームの世界でも、スキルとかでMP回復とかはあるが、上限が開放されるということは僕がやったゲームの中ではなかったはずなんだよな。
まー元の世界で、例えばチートって言うんだけど、簡単に言うと悪いことをして能力値を上げたりする事ね。それでMPを上限を上げたり、別にチートを使わなくても何かしらの武器のスキルとかで上がったりすることもあるけど、今いる世界でできるのか?
僕は黙々と読み進めた。興味深かった。
「今日はもう終わり、読みたかったらまたいらっしゃい」
「はい!ありがとうございます!あ!あとエミさん、あの時は助けてくださってありがとうございます!」
僕はこの図書館に通うことを決めた。
「そういえばエミさんは、なんでこんなに力が強い魔道士なのにダンジョンへ行かないんです?」
驚いた顔をするエミさん
僕変なこときいた?
「なんで私が強い魔力を持ってることがわかったの?」
「んーなんかオーラっていうか、んー…気というかまとってる量が違ったから?」
また驚くエミさん
「コホン、まぁ、いいわ、あなたはマナの量がまだ少ないから、マナをあげる練習を明日からしましょ」
「え?まさか実践の方してくれるんですか!?てっきり今日みたいに本の意味を…」
「少しは黙れないの?いいから明日も同じ時間に来なさい」
「あ、はい…」
相変わらずエミさんは、お厳しい…
だが、実践で教えて貰えるのはありがたいことだ!
よし、頑張ろう!ってもうこんな時間!?やべ!みんな心配する!!!早く帰らなきゃ!!!
僕は全速力で走り息を荒らげながら
「た、た、ただいま…」
「大丈夫ですか!?何があったの?と、とりあえずこの水でも」
相変わらず優しいティアさん。
「いや、実は…「あなた、図書館のこと話したら特訓なしよ」」
…。存在を知られたくないのかエミさんからのテレパシーが届いた。うん、なんか怖い。
「実は??」
「あ!その!ほら!食材!!食材採るのに手間取っちゃって迷子になってしまったんですよ!!」
本当下手な嘘。バレないかドキドキして心臓が破裂しそうだ。
「新鮮ですね!!今から作りますね!」
よ、良かった…ティアさんしかいなくて…絶対あの二人いたらバレてた…。ほっとしたら肩の力が抜けた。
まーその後みんなでワイワイと楽しくティアさんの料理を食べて、あぁ、幸せだなと思った。
よし!!エミさんとの特訓があるから、明日のために早く寝よ!そうやって僕は今日を終えた。
「なんかすごいエミってお嬢様っぽーい!」
「そうだなー何かりんとしてるよね!授業楽しみだ!」