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あらすじのない秋の夜の出来事………

作者: すみ いちろ


冷たく纏わり付く雨


寒々しい夜に


冷め冷めと濡れる


あきらめて


あきらめて


あきらめて


叩き落とされる


力なくへたり込む


弱さというものを知らされる


もう一度初めに戻らなきゃいけない


もう一度


叩いて


叩いて


叩いて


ダメなら


溶かして


溶かして


溶かして


いっそのこと


蒸発させて


初めから


やり直しだ


一番底にいて


もう一度


這い上がらなくちゃいけない


こんなもんじゃない


こんなもんじゃない


こんなもんじゃ


満足できない


荒々しくてもいい


蔑まれてもいい


見捨てられてもいい


放られて


冷たい雨にさらされるがいい


なんという有り難みの無い言葉


なんという恩知らず


そんな寒空の下で


裸で生きていけないくせに…




力いっぱい叩き込め


考えるな


しぼり出せ


振り絞れ


何度叩きのめされても


這いつくばっても


立ち上がれ


もっと自由に


ここだけは


自由なんだ


この世界に


力の全てを叩き込む…


白い画面


ここだけが


自由


だから


気にしない


とても幸せだ


有難い


天使でも悪魔でもない


虚ろな人


けれどここでは


生きていい


とても幸せだ


たくさんの人たちに会い


たくさんの人たちに支えられ


たくさんの人たちからもらった幸せ


でもまだまだ


こんなもんじゃない




自分の可能性…


もう一度ゼロから


もう一度ゼロからスタート


ゼロから絞り出す…





寒々しい夜に


冷め冷めと降る雨音を聞き


布団の中でぬくぬくと


何を言うか…





台所にいって


吸い止しのタバコに火をつける…


オレンジ色の小さなランプ…


煙がモワッ…と…


こんなもんか…


便所にいって溜息を吐きつつ用を足す


流れる水音を聞きつつ


フラフラと階段を上る…


結局…


何かの答えに辿り着けず


深い場所にも辿り着けず…






雨は止み


雨樋から垂れる雫の音が聞こえる…


静かになった…







おおくのひとの声が聞こえる



今まで話すことのなかった人たちの声…



わだかまりや



わかりあえなかった人たちの声…



そうじゃないないんだと…



まるで噛み締めるように…



寝言のように



聞こえてくる声…



その人の隣で



その人の寝息に耳を立てる…



静かに……




一緒に良いかな……?



一緒に布団に入って



添い寝する…



その人だって



ほら



こんなに暖かいのに……



その人を抱きしめる……



ムニャ?



と、気づかれたようで気づいてない……



静かに布団を抜け出て



そっと離れる……



もう一度



台所へ降りて



吸い止しのタバコに火をつける……



オレンジ色の小さなランプを灯す……




夢の中のその人はまだ眠ったまま……

















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― 新着の感想 ―
[一言] ちょうど今日は雨が全国的に降っています。 季節もちょうど秋ですね。 この詩のようにあらすじのない夜の出来事が各地で起こっているのだと感じました。
2020/11/02 19:45 退会済み
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