第8話 魔法少女セーヴェラーヌ
「ど、どうしたりゅん?」
何故か流れた涙にミリューが慌て、同時に自分も慌てた。
「あれ・・・?何でだろう、き、気にしないで」
溢れた涙を拭い動揺を一旦忘れて。
「それより!」
こんな事態になった原因は明らかにまだ目覚めないはずの[魔王]が目覚めたから、のはず。
少なくとも[魔王]が目覚めた時の言葉からそれは推察出来る・・・んだけれども、いまいち何を言っていたのか覚えてない、てへ。
「てへ。じゃないりゅん。そもそも西菜は・・・」
溜め息をつきながらいつものミリューの説教が始まろうとした時
グァオオオオオオオオオ!
臓腑に響くほどの叫びが鼓膜を震わせ、同時に肌が凍えるような寒気を感じる殺意が襲ってきた。
「西菜!」
「分かってる!」
短く答えると右手をかざして叫ぶ!
「セーヴェラ!」
私の叫びに応えて内なる魔力が迸っていく、素のままの魔力は見た目は金色の粒子で、それが凝縮されて右手首に小さなピンク色の花弁が意匠された金色の魔力具[シャイニングシールド]へと変化、そこからより輝く光の粒子が放出されて私の周囲を覆い始める。
残された魔力、すなわち金色の粒子と[シャイニングシールド]から放出された日の属性に変わった輝く粒子が混ざりあうように全身を包み込んでゆき、私の身を、姿を変えていった。
煌めく粒子が着ていた服を魔力に変換し、全身を覆っていく。その魔力を元として新たな物質へと変化し、新しい[衣装]を私に纏わせる。それは柔軟でありながらも鋼鉄より頑丈で衝撃も熱も寒さも遮断して強靭な衣へと見た目ごと変わる。
さらにオレンジ色の炎が腰回りを円を描くように回る度に炎をイメージしたかのような緋色のタイトスカートが形成していって、最後に大きな黄色のリボンを意匠する。
それまで変化しながらも虹色に光っていた上着は金糸雀色のノースリーブに、そして首筋が僅かに見える程度に水色のスカーフが巻かれていく。
「ラスト♪」
[魔法少女]へと変わりながら軽く右手で髪をすすぐと同時に髪色がオレンジへと変化していき、更にセミロングだった髪が豊かに伸び自然に結いだしてポニーテールになっていく。
変身が完了した私はノリノリで決めながら
「光と!炎と!希望を司る!」
クルクルと廻りながら合間合間に決めポーズを挟みながら
「魔法少女セーヴェラーヌ!」
ビシッ!と左手を掲げながら右手を突きだし
「あなたの罪を裁きます!!!」
「・・・何度見ても痛いりゅん・・・」
微かに聞こえた気がするミリューの声は気のせいだと思う事にした。
今回の修正は若干変身シーンを盛る程度におさめました
ほんとは話そのものを長く、というか倍にするはずだったんですが、冗長にならない程度に変身シーン盛ろうと試行錯誤してこうなりました( ´,_ゝ`)
西菜ちゃんはこんなキャラだしなぁってw
よくよく見れば若干どころか最初から全部書き直してましたが(笑)