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異世界魔法少女物語  作者: サッキー
第1章 無力な力で
6/12

第5話 ミリューその2

「知らないりゅん」

本当に

「知らないの」

知らないんだってば

「分からない」

私だって知らない!教えてほしいくらい!

「なん、なの・・・」

お願い!

「どうしたら信じてもらえるの!」

いやぁああああ!







必死で、必死で、ただ逃げることだけを考えて。

色々あった。

気付けば世界は違っていた。





「魔力は・・・少ないけどあるりゅんね・・・」

あからさまに違う世界、大気に含まれる魔力の含有率もそうだけど住んでる生物や文化が全然違う。似通った部分はあるけれども・・・

ボクはただただ逃げただけだった、それがいつの間にかこんなところに・・・

何故かは分からないけどここの住民に一切存在が感知されてないのが幸い、なのか。

同時に誰に何を言っても通じないし触れもしないのはやっぱり不幸なのかもしれない。これは夢なのかな?

あまりにも自身が曖昧で他に影響を与えられなくて現実かどうかそのものを疑ってしまう。

「夢のわりに、長いし妙にはっきりしてりゅんけどね」

そう、少なくともボクの感覚ではもう一ヶ月以上は経っている。どういう理屈か分からないけど、あの牢屋から気付けばこの世界にいた。どことも知れない森林・・・

まるで自分は世界からおいてけぼりにされて誰にも感じられずただひとりぼっちな・・・


・・・ううん、そんなはず、は、ない・・・


とぼとぼと歩いていきながらも無意識に人目につかないよう暗がりへ暗がりへと進んでいく、仮に人目があっても何故か欠片も気にもされない事を知ってはいても。





「お腹、すいたりゅん・・・」

誰にも気付かれないだけでなく何にも干渉出来ない、それは最初は精神的にミリューを追い詰めたあと、より手っ取り早い現実でさらに追い込んできた。

単純に、何も食べれない、というか触れも出来ない以上は無理だ。基本的には魔力をエネルギー源とはしているものの、そもそもの魔力がこの世界は乏しい。副次的に植物を食料に出来るがそれもごく一部で、それ以前に食べるどころか触れもしない。

ある意味では捕まっていた頃の方が食事は豪華ではあった。

「確実に豪華だったりゅん・・・」

惨状そのものは酷くはあったものの、境遇そのものは今に比べればマシ・・・とも思う。


「いけない・・・!」

頭をブンブンと降って自戒する、こんな風に思っていちゃダメだりゅん!

「きっと、手段はあるりゅん!」

陰っていた瞳が輝きを見せ始め、心から振り絞る。







「そもそもここはどこりゅんー!!!」



と、叫ばずにはいられなかった。













そんな事を叫んだ数ヶ月後




「そもそもここはどこりゅんー!!!!!」




まさか一字一句変わらず叫ぶことになろうとは思いもよらず・・・いや、エクスクラメーションマークが増えてはいるが。



全く理解が出来ない、周囲を見た限りでは・・・岩、山?

ついさっきまで街中だった。世界を脅かす魔物を皆と協力して戦って・・・本来ならまだ復活するはずもない魔王が現れて・・・気付けばここだ。

「どうなってるりゅん・・」

ある意味では二度、同じ状況に陥り混乱もより激しかった。

とにもかくにも改めて周囲を見渡す、やっぱり岩山だ。

まるで採石場のような場所にミリューは呆然と立っていた。



そしてあの時がことがフラッシュバックし・・・

「いやぁぁぁあああ!!」


ただ、泣き叫んだ

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