僕の屋敷での生活2
2話目いっきまーす
大体の場所は掃除し終えた僕。
あとは中庭だけと思い、中庭に向かう。
「ん?」
そこには人影があった。
丸っこい体型に、少し臭い香水の匂い。あれは、、
「ローク兄さんこんにちは。」
「あ?チッ、エステルか、、、」
そう言い、舌打ちしたのはリーフ家の次男ローク・リーフ様だ。
「何でお前がこんなところにいる。」
少しイライラしたように言うローク兄さん。
「父上に屋敷全体の掃除を任されまして、、、。」
「フッお前には掃除ぐらいしか取り柄がないからな!」
ふっはははと何がおかしいのか笑い始めるローク兄さん。
こう言うところは父上とそっくりだなと思っていると、
「ん?何だその目は、反抗期か。」
と、何を疑ったのか俺に向けて敵意を発するローク兄さん。
こんなでも貴族で、小さい頃から剣術を学んでいたのだ。(僕は習ってない)
一端の殺気は出せるようになっている。
すると何かいいことを思いついたのかニヤッとするローク兄さん。
カランと手に持っていた木剣を僕の足元に投げるローク兄さん。
「決闘だ。兄ちゃんに反抗するような弟はお仕置きしないとな。」
つまりこう言うことだろう。
その目が腹立つから憂さ晴らししてやろう、とでも考えているのだろう。
「、、、わかりました。」
この家で最底辺カーストの僕が命令に逆らえるわけもなく、決闘を受けてしまった。
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「この決闘はどちらかが倒れるまで行う。それでいいな!」
「はい。」
僕は一応木剣を構える。
「では、いくぞ!」
その掛け声とともにその太った体では考えられないスピードでローク兄さんが僕に飛びかかってくる。
これもスキルの影響だ。
「はぁ!」
バスッ
と木剣と木剣がぶつかり合う音がする。
僕も剣術は習ってはいないが、兄さんたちの練習を見て形だけは覚えているのだ。
ひゅんと身を翻して離れたところに降り立つローク兄さん。
「生意気なぁ!!」
その瞬間、ゴオッと木剣に炎が纏われる。
これが兄さんのスキル『火炎剣』だ。
「はぁ!!」
ゴオッとほのうの衝撃で先ほどよりも力強くなっているローク兄さん。
ガンッガンッガンッと剣を受けるにつれ、僕の剣がミキミキとヤバイ音を立てている。
そして
バキッ
と音を立てて僕の木剣が壊れる
「ちょっ」
しかし、ローク兄さんの勢いは止まらない。
「しーーね!」
ゴスッと嫌な音を立て、僕の頭にローク兄さんの木剣が当たった。
流石に炎は消してくれていたようだが、その衝撃は意識を失うものに変わりはなかった。
(しねって確信犯かよ、、、)
頭がクラクラしてきて、気のせいか頭から生暖かいものが吹き出てる気がした。
(最悪だ)
フラッと倒れる直前に見たのはローク兄さんのニヤついた顔だった。
その顔にいつか一発ぶん殴ってやりたいなぁと思いながら僕は意識を手放した。
倒れてしまう主人公。大丈夫なんでしょうか?