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手のひらの上で

作者: 平沼小国

「あのさ、知ってる?」


・・・何だよ、いきなり。


「今の人類は、ビックバンを自らの手で起こすことができるって噂。」


知らないな。


「重力を生み出す装置を、二つ重ねて反対にして・・・


とにかく、もう科学はそこまで進んでるっていうんだ。」


へえ。


「まあ、あくまでも都市伝説だけどね。」


はあ。


「でも、面白いと思わない?」


何が?


「ほら、だって、この世界だって、誰かが起こしたビッグバンが元かもしれないんだよ?」


どういうことだよ。


「この宇宙を外から眺めている人がいるかもしれないってことだよ。


その人は、今僕らがいる世界と同じくらい、いや、それ以上科学が進んだ世界で暮らしていて、


彼自身が一つのビッグバンを起こして、それでできた世界かもしれないんだよ。この世界は。」


・・・・・・ビッグバンなんて起きたら人は生きていけないだろ。


「そういうことじゃなくて。ビックバンって言うのはつまり世界の始まりなわけだよ。


手のひらの上で、小さな『ビッグバン』を起こして、世界を作れるようになったんだよ。


彼の世界では。」


はあ、よく分からないな。


「とにかく、一人の人間が『世界』を作れるくらいにまで進んだ世界があって、


この世界もその世界につくられた『世界』かもしれないんだよ。面白いでしょ?」


・・・面白いかどうかは知らんが、そんなの、夢物語だろ。


そんなことありえないし、そもそも、この世界でビックバンを起こせるかどうかさえ疑問なんだろ?


「まあ、そうなんだけどね。 


それにしても、この話、君ならもう少し興味持ってくれると思ってたんだけどな。」


悪いが、俺はそういう話興味ない。所詮SFの受け売りだろ。


「残念だなあ。」


くだらない話はよして、仕事に戻ろうぜ。




「・・・あのさ、本当に、ありえないと思ってる?」




・・・え?




「分からないよ?誰も確証を持ってないとは言えないんだよ?」




・・・・・・・・・。




「なんてね。 ちょっとした冗談だよ。仕事に戻ろう。」


・・・・・・ああ。


昔書いたものを改稿したものです。

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