女に体重の話は禁止(タブー)です
腹減った…
「で、二つって何なの?」
真面目に質問をするとゼンが呆れたようにため息をついた。
「???」
何故ため息をつかれたか理解出来ていない様子を見てまたゼンがため息をついた。どこか諦めた表情をしていたのは気の所為だろう。
「何でそこまでテラお姉ちゃんを弄るんですか?僕達がちゃんとした神様だって分かっているのに」
あれだけ、心の声に反応されたら誰でも神だと思うだろう。けど、俺は弄ってないぞ。遊んでいるだけだ。
「ちょっと待て。俺がゼン君のお姉ちゃんを弄る訳がないじゃないか。なんたって俺とゼン君との「ありませんし、知りません」……なんたって俺とゼン君との仲じゃないか!」
ゼン君が少し怒ってしまったが気にしない、気にしない。こんな時は無視をすればいいよね♪
おい、そこで馬鹿にしたお前!これ、メチャクチャ重要だからな。馬鹿なお前にも分かりやすく説明するとな、世界遺産より重要だから。はい、ゼン君。復唱してね。世界遺産なんて意味がない。
「世界遺産なんて意味がない…いや、意味あるよね。意味ない事にそこまでしないよね、地球の人間は」
ゼン君、現実はそんなにいいものではないんだ。
「いや、人間より愚かな生き物っていないだろ?」
人間は自分の為だけに生きる。自分の為なら法を破り、人を騙し、過ちを犯す。人間は賢い知能を無駄な事に良く使う。自分だけが助かる、絶対に幸せになる、何をしても許される…等々、こんな状況になるためだったら何でもする。ただ、その醜い心を表に出さないだけだ。
そう、全ての人間は醜く、愚かだ。
「そんなことは……」
ゼン君が暗い顔になって思い出した。ゼン君達が神だった事を。ゼン君達も■■■■■■である事を。
とりあえず、話を変えるか。うーん……あっ、テラを弄ってた事を聞かれてたんだった。
「テラを弄ってた事はどうでもいいのか?」
「あ、うん。テラお姉ちゃんをフレイヤ姉さんとあれだけ弄っていたのに、急にテラお姉ちゃんを話の外に出したよね」
すぐに俺の考えを理解したゼン君も話を戻す。それはありがたいけど、テラの事を放置してたかな?
ただテラはフレイヤ様に充分やられたし、休息が必要だろう。今もテラはフレイヤ様と会話しているし。ここにいる人は分かると思うけど?
いくら考えても、答えが出ないから諦めて話を聞くと爆発発言が投下された。
「…もう一回言って」
「じゃあ、もう一度言うよ。ここにいない●●の方々は急にいなくなったテラお姉ちゃんの事が気になるでしょ」
やはり、聞き間違えじゃなかった。それより、流石神様、主人公の俺以外に●●がいると理解しているなんて…侮れん!
まあ、ゼン君達にとっても神様的存在、●●の為に説明するか。
フレイヤ様が『テラ、端から見ると一人で喋ったり怒ったりして、とても滑稽よ』と言った後は、テラが急に『私が滑稽?いやいや、神たる私が…』と、ぶつぶつ呟き始めました。その様子がとても怖かったです。七歳の時に見たなまはげより怖かったです。だから見なかった事にしています。以上!
「そんな適当で…」
「これ以上の説明はないだろ?」
あまりにも適当だったが簡単に説明されている事を理解したゼンは反論出来ず、唸りながら考えた。
……
…………
………………
…おい、どれだけ考え込むんだよ。
こちらはゼン氏が考え始めて三十分経過しました。ゼン氏はとても集中しているようでこちらが何て言っても反応も否定もしません。集中しているゼン氏の体は赤や青、白や黒などの色々な色のオーラを纏っています。以上、中継は終わります。
ゼン君が反応してくれないよ~(泣)。フレイヤ様、かまってー♪
「かまってあげるから、私の胸に飛び込んでみなさい」
そう言いながら腕を前に伸ばし、微笑むフレイヤ。その顔は同性でも虜にするほど。
えっ…………マジですか?そんな完璧な身体に抱きついていいんですか?顔を胸に埋めていいですか?
「早くしないと、かまってあげないわよ」
フレイヤは俺を弄ぶように笑い、少し胸が見えるように服を下げる。
モウ、ムリデス。オトコトシテウマレタカラ、ショウガナイヨネ?フレイヤ様モワルイヨネ?
もう考える事なく、フレイヤ様の胸に目掛けて飛び込んだ。ここにくるまでの十七年間の如何なる時より真剣に全力で飛んだ。顔とフレイヤ様の胸の間が一センチを切った時確信した。
フレイヤ様の胸に触れる!!
しかしここは現実だ。ラブコメでも、アニメでも、マンガでもない。希望が絶望に変わる現実だ。
「◎△$♪×¥●&%#?!」
フレイヤ様の胸と俺の顔が紙一枚分の所で全身に衝撃が走った。俺の体が吹き飛び、床にぶつかり、転がった。俺の横腹に殴られはずなのに全身に衝撃が走った。しかも同時に。
一瞬気絶した後、回りを見ると、まだ考えているゼン、突然の出来事に驚き笑うフレイヤ、怒り焦るテラ。
さぁーて問題です。誰が犯人でしょう?
「テラーーーーーーーー!お前だけは絶対に許さない!例え死んでも呪ってやる!」
絶対にユルサナイ!手始めにテラの事をブラコンって呼んでやる!その後は、テラが太ったとか根も葉もない事をゼンに言ってやる!
「ちょっと待ちなさいーー!何なのその陰湿過ぎる復讐!?そのセリフなら殺したり拷問するとか、色々あるでしょ!何で的確に傷つく所を狙うの!?」
うわぁー、ショタコンでありブラコンだと自覚してるんだ…。まっ、もう謝っても許さないからなブラコン☆
「誤解よ!私はフレイヤ姉様からあなたを守ってあげたのよ」
ほう、守られてなかったらどうなってたんだ?
「一生、フレイヤ姉様の奴隷となってどんな命令も喜んで行う道具になるわよ。しかも寝るたびに悪夢が襲ってくるわ」
…フレイヤ様、流石に怖いです。そしてテラ、本当は俺の事を思って守ってなくても許すわ。
「あら、そんなの?じゃ、本音を言うわ。あなた見たいな欲で生きている人間如きが、フレイヤ姉様の胸に触れて言い訳ないでしょう」
前、言、撤、回。やっぱ、ブラコンは滅ぶべし。何か復讐方法はないか回りを見ると、いつの間にかフリーズ状態から戻っているゼンがいたのでテラの体重について嘘を教えよう。
“思い立ったら吉日”
頭の中に一つの諺が、浮かんだ。実際の意味と少し違うと思うけどすぐに教えよう。
こんな事を思いながらゼンに近づき、アホな事を言う。
「ゼン君。テラの体重がね、去年より5キろばっっ、ぐはぁ!」
テラの体重が去年より5キロばかり増えたと言い切るまでにテラがみぞうちをピンポイントに殴ってきた。そして俺は吹き飛んだ。その間、みぞうちにくる衝撃のあまり喋る事ができず、壁にぶつかり口から血を吐いた。そしてぶつかった壁は凹んでいた。
この時俺は思った。
女に体重の話は絶対にダメ。理不尽な力を発揮する…。
テラはフレイヤから俺を助ける時より今、強く確実に狙い、殺しにきた。その目は殺す事も厭わないヤバい目だった……
ヤバい、全然転生出来ない。