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彼はどんな反応するのだろう。
もしかすると駄々をこねるかもしれない。
納得してもらえないかもしれない。
泣くだろうか、怒るだろうか。
そんなことを考えていた。
だけど、意外にも一言だけだった。
「分かった……」
ひどく傷ついた顔を見せて、本当にそれだけ。
その後は、何も言わなかった。
なぜか、私の方が涙が止まらなかった。
「ごめんなさい」を繰り返して、泣いた。
どうしてこうなったのだろう。
彼が悪いとは思えなくなった。
私が気がつかなかったのが悪い。
変化に気がつかないほど、仕事をしすぎたのが悪い。
何のために私は地元を選んだの?
彼のそばにいるためでしょう?
それなのに、どうして気づいてあげられなかったの?
どこで間違ったのだろう。